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2021年10月6日 TOUR 2021-2022 Patrick Vegee さいたま市文化センター


UNISON SQUARE GARDENの8枚目のオリジナルフルアルバム「Patrick Vegee」の発売から約1年。待ちに待ったアルバムツアーがようやく開催される。

このツアーが発表された頃(6月初旬)、その頃は世の中がどんな状況になっているか予想もつかなかった。無事に開催出来るのか、まだ何もわからない。ただコロナ禍でもライブを止めずにやり続けたユニゾンだ。必ず開催出来る。状況の好転だけを願いながら、今日まで過ごしてきた。

何度目かの緊急事態宣言を経て、ワクチンも少しずつ行き渡り感染者の数は大きく減ってきていた。但しまだ完全に安全とはいえない状況。いつも通りの感染対策をして、約束を守って、開場時間ギリギリに会場へと向かう。

私にとっては初めてのアルバムツアーだ。彼らの通常運転のツアーは久しぶりだ。どんなライブになるのか、どんなセットリストになっているのか、考えただけでワクワクもドキドキも最高潮になり心臓が口から飛び出そうなくらい緊張していた。

席は2階バルコニー席、斎藤くん側前方。この張り出した席にずっと憧れていた。この席で初日のライブを観れることに感謝しながら、開演の時を待つ。

いつものことではあるが、このツアーはまだ始まったばかりである。セットリスト、ネタバレがある為これから参加の方はお気をつけて。
※ライブが終わってざっくりと感想をまとめてみたが、予想以上に記憶が飛んでいた。それくらい衝撃的なライブだったので感想文自体は短めのはず。






18:30。最近では恒例となったVintage Rock代表の方のご挨拶があり、客電が落ちる。
青く照らされたステージ、SEの絵の具が流れ、メンバーがステージに現れる。
ステージ前方床には"Patrick Vegee"の文字。

田淵が雑誌のインタビューだったり、先日のブログでも書いてあった通り幻の1曲目はマスターボリュームだったというセットリスト。なのでもしかしたら1曲目はPatrick Vegee曲ではないのかもしれないと思っていた。絵の具がフェードアウトし、斎藤くんの弾き語りから始まったのはSimple Simple Anecdoteだった。

"全部嫌になったなんて簡単に言うなよ
全部が何かってことに気づいてないだけ
信号は変わる 星は生まれるから
今日はなんとかなるぜモードでいいや"

この始まりに震えた。そして音源通り貴雄のドラムが入り、曲が始まる。この曲の"なんとかなるぜモードでいいや"という歌詞にどれだけ救われてきたことか。何て素敵な1曲目なのだろう。
終わったタイミングで斎藤くんの「ようこそ!」

続けてHatch I need。斎藤くんの早口が冴え渡る。カッコいいしめちゃくちゃ予想以上に盛り上がる曲だ。田淵が小刻みに動いている。貴雄のコーラスしながらのドラムも相変わらず凄まじい。そして斎藤くんの手癖も見れる。

ここはアルバムの順番通りそのまま続けて、マーメイドスキャンダラス。「8枚目」はしっかり繋げる形となった。Patrick Vegeeの中でも1番好きな曲だ。始まった瞬間から震えた。斎藤くんの高音が響き渡る。ピンクと青の照明が曲の雰囲気に合っている。そして貴雄のドラムのバスドラの響きが凄い。楽しいのにやってることが半端なく凄くて、このユニゾンっぽさがやはり大好き。

そして斎藤くんが"高らかに"と歌い出してもう震えが止まらなかったInvisible Sensation。私の1番大好きな曲。ここで聴けるなんて全く思っていなかった。本当に久しぶりに聴いた。めちゃくちゃ嬉しい。田淵がラスサビ最初の"Invisible Sensation"で手を思い切り挙げてたのが印象的だった。田淵、本当にありがとう。途中田淵と貴雄が向かい合って楽しそうにしているのも見れた。この時代に"だから、生きてほしい!"という歌が聴けて良かった。
ここで「UNISON SQUARE GARDENです!」

斎藤くんは白地に右側一部がネイビーになっているRevival Tour "CIDER ROAD"川口で披露されていたシャツ。
田淵は今回のグッズのサラダボウルTシャツのホワイト、グレーのスキニーパンツ。
貴雄は最近のスタイルで、白地に赤のポイントが入った羽織りとパンツ。Tシャツが変わっていて胸元のワンポイントで⚪︎とか×とか◻︎とか書いてあるもの。

ここで斎藤くんMC。全然覚えてない。
ただ最初、ツアーが始まります!と言って片手でガッツポーズしていた。可愛らしい。
Patrick Vegeeが発売されてから時間が経っているのでもう皆さんの身体に入っているかと思います、みたいなことを話していたかと。
そして「最後までよろしく!」

ここで最初ちょこっと斎藤くんが弾いたコードでピンときた。フライデイノベルス!嬉しくて震えた。
"うさぎさん達が追い越して また君だけ一人きり"という歌詞の通り、うさぎさんって歌詞に入っていて、それを理由に選出されていたら何だか可愛い。上から見ると色々な形の照明がステージをくるくるしていて見てて楽しかった。初めてライブで聴いたけど斎藤くんのギターの再現性が凄い。

終わって突然真っ赤な照明で照らされたステージ、カラクリカルカレが始まる。田淵も動き回る。このツアー、こういうロックロックした曲が多いセトリになるかと思っていたのだけど、ここまでの流れ的に何となくそうではなさそう。そしてカッコ良過ぎて痺れた。力強いドラムが心臓に響く。

斎藤くんが「新曲!」と言って始まった、Nihil Pip Viper。ステージはカラフルな照明に変わる。まだ聴いていない人も多かったと思う。私もまだ沢山は聴いていないが、レコーディングドキュメンタリーを見てから会場に来た。それを見て感じていたがギターがなかなかに難解。でもこれはライブ映えする曲。めちゃくちゃ楽しい。
ちなみに"蓋然性合理主義"の前のドラムは、やはりシュガーソングとビターステップの冒頭のフレーズを引用しているよう。こういう仕掛け、堪らない。

イントロを聴いて震え上がったDizzy Trickster。今年のUNICITY LIVE ONLINEの投票で1票を入れた、大好きな曲。MODE MOOD MODE以降にファンになった私にとってはまだ一度もライブで聴いていない曲。聴けるとは思わず、涙目。田淵がめちゃくちゃ良い顔する。
個人的に「Nihil Pip Viper」がerで終わるから「Dizzy Trickster」みたいだなとぼんやりと思っていた。Nihil Pip Viperとは対照的なerだと感じたこの曲が続いた流れはやっぱり震え…ちゃったのならそれを合図にして…
これからも"あなたの世界で息をさせて"欲しいと思った。

ここでブレイク。貴雄と斎藤くんが何か話していた。
静かになった会場で、摂食ビジランテの斎藤くんのギターが響き渡る。再び赤く染められたステージ。"サインさせてよ"の所だけ白く前方に照明が。曲に合わせた照明の印象が強くて、1階で観ていたらより衝撃が強そう。斎藤くんの緩急付けた歌い方も素晴らしくて震えた。

終わってすぐ「はぁーーーーー」という斎藤くんの声。夜が揺れているだ。この流れというか、この曲が聴けてしまう驚きと衝撃でまた震えが。水色から青、そして白へと変わっていった照明。貴雄のドラムが凄まじく感情が込もっているように感じた。とにかくこの曲の持つパワーに圧倒された。曲が終わって静まり返る会場。

そして静かに始まった夏影テールライト。メンバーの足元に落ちた照明がオレンジ色でまるで金木犀の花のよう。斎藤くんがエフェクターのスイッチを押すのをついつい見てしまう。ステージの雰囲気もとても綺麗で、丁寧に演奏された曲の世界観にすっと入り込んでしまう。終わってすぐ次の曲にいくかと思いきや、また静かに。すると聴き覚えのあるオーケストラのイントロが…

まさかのオーケストラを観にいこう。まず、同期曲やるとは驚き。何回も見たMODE MOOD MODEのDVDの中でもこの部分が本当に大好きで。こんなにすぐ観れる日が来ると思わずまた震えた。でもこの2曲の流れとても良い。どちらも何となく爽やかな恋の歌だけど、夏影→オーケストラにした所に凄く意味がありそう。ステージの背景がオレンジ色になっていた。これは“LIVE (in the) HOUSE 2”を思い出した。田淵が本当に幸せそうな表情でコーラスをしている。"一体第何楽章?"ではいつも通り天を仰いでいた。もちろん斎藤くんも貴雄もいい表情。幸せな曲が続くの、凄く良い。

そしてここでPhantom Joke。何回か聴いているが、毎回めちゃくちゃカッコいいと改めて思う。赤と青の照明に加え、上から見ると雷みたいな白い照明がメンバーを撃ちつけるように照らしている。
少し余韻をもたせたアウトロ、3人が向かい合って音を合わせ、終わるその感じがめちゃくちゃカッコ良くて震えた。思わず長い拍手を送る。

暗転したステージからは田淵と斎藤くんが袖に捌けていき、貴雄が1人残りドラムソロが始まる。今回は「オンドラムスタカオスズキ!」はないようだ。言葉にするのは難しいが全体的に激しめ。久しぶりのドラムソロでキレッキレな貴雄が見れる。

そして田淵と斎藤くんが戻りセッションへ。
田淵のベース、何かよく見たらいつもと違う(気付くのが遅い)。最初この時だけ違うベースに持ち替えたのかと思ったが虹色のストラップだったし最初からこのベースだったのかもしれない。今までのベースの白の部分がシルバーでキラキラ反射しているように見えた。
ベースメインの部分も、ギターメインの部分もめちゃくちゃカッコ良いセッション。
途中貴雄が2→2→5→8?と数字を叫んで3人が向かい合いリズムを合わせていた。(数字は全く自信がないが、雰囲気的には23:25の間奏部分のような感じ)
超難解なリズム、合わせるのがめちゃくちゃ難しそうなセッションという印象。本当にこの人達は凄い。

田淵は絶対にアルバムのリード曲前にセッションを持ってくると思っていた。それが夏影テールライトになるか、世界はファンシーになるかどっちだろうかと考えていたのだが、続けて始まったのは後者、世界はファンシーだった。
あの田淵の変なポーズも再び。斎藤くんが"なんて言ってしまったらどうする?"の部分でややウィスパーボイス混じりの囁くような歌い方をしてきて衝撃。やはりこの曲は斎藤くんが無敵過ぎる。確か"ロックンロール"の所で巻き舌を入れてきて凄くカッコ良かった。本当に楽しいのでずっとライブでやり続けて欲しい。

続いてスロウカーヴは打てない (that made me crazy)。田淵がこっちまで来てくれたので思わずアピール。間奏では斎藤くんが田淵の方に近付いていった結果、2人で追いかけっこしていた。歌い出しギリギリに戻る斎藤くんと田淵。これからのツアーで事件が起こりそうな予感がする①。

再び赤く照らされたステージで始まった天国と地獄。田淵はいつも通りステージの端まで走り出す。定番曲嬉しい。サビの田淵の足の動き、疲れないかなと思ってしまう。そしてあの斎藤くんの巻き舌を聴くと気持ちがぶち上がる。

そして貴雄にヘッドホンが装着されて始まったのは、シュガーソングとビターステップだ。これは本当にセトリに入れてくれてありがとう。地方の物好きからしたら、やはり聴きたい曲だ。この曲が持つ多幸感が大好き。この2曲のフロアの盛り上がりはやはり違う。そして貴雄はたまに天をスティックで叩く仕草が増えたように思う。その動きは2階席の私たちにも届くし、貴雄は上の席に目線を向けることが多く、それがとても嬉しい。

「ラスト!」という斎藤くんのコールからの、101回目のプロローグ。
冒頭、"ごめん、全然好き(あっまた間違っちゃったモゴ…でももう間に合わない突っ切ろう)じゃなかった"って斎藤くんの心の声が聞こえたような。あの「LIVE(in the)HOUSE -Count Down Style-」でやってしまった同じ歌詞間違い。ちょっと笑ってしまった。
本編のラストに相応しい曲。やはりじんわり心が温かくなり、途中からステージに釘付けになった。
しかし間奏はかなり難しいのだろう。ユニゾンのライブでは珍しく、最後のギターソロとドラムが1テンポずれて合っていなかった。田淵は斎藤くんと貴雄の方に身体を向けていたのだが、斎藤くんは自分のギターに夢中でドラムとズレているのに気付いていない。最後斎藤くんが貴雄の方を向いて気付き、そこで無理矢理合わせた感じだった。ズレたら合わせるのは大変だろう。そこは貴雄が調整したのだろうか。
でもその後の斎藤くんのアカペラが最高に良かったので良し。そして"世界は七色になる!"の照明にはやはり震えた。

斎藤くん「UNISON SQUARE GARDENでしたまたね!」でメンバーがステージを後にする。


アンコール。
田淵が1番最初にのっそりと現れた。メンバーの着替えはなし。
斎藤くんのMCは「アンコールありがとうございます。(略)あと19回も出来ると思うと嬉しいです。今日はありがとうございました!」
というあっさりとした感じだったのだが、まだ貴雄は準備が出来ていないということでもう一回。
「もう一回って言われるのが一番困るんだよなぁ…(そしてさっきと同じMCを繰り返すが後半はふざけた口調)」
面白かった。

そしてアンコール1曲目はcrazy birthday。楽しくて盛り上がる!アレンジなしの音源通りは久しぶりかもしれない。ギターソロでは斎藤くんが前方に出て行った。

2曲目はオトノバ中間試験。またまた楽しい、嬉しい!間奏では斎藤くんの背中に田淵が頭から突撃しずっとくっついて動き回る。斎藤くん、背中熱かっただろうな。これからのツアーで事件が起こりそうな予感がする②。

アンコールか本編のどこかかちょっと忘れてしまったけれど、田淵がドラム台に乗って最初は貴雄の方を向いて弾いていたけど途中身体はこっち側を向いて斎藤くんも気付いて3人が不思議な形で向かい合って弾いているシーンがあった。

そしてラスト、春が来てぼくら。会場を暖かい風のような優しい空気が包み込む。
ステージから見る客席はもしかしたら"笑顔が溢れて 見たことない色になって 視界に収まらないから"こんな感じになっているのかなと思った。きっと客席には笑顔が溢れていたはず。同じくらい、いやそれ以上に笑顔の田淵は客席を隅から隅まで見ていたように思う。そして改めて久しぶりに聴いて感じる、本当に良い歌詞。
最後は、3人が向かい合う形で優しく演奏が終わった。
斎藤くんが「UNISON SQUARE GARDENでしたバイバイ!」と言って、TOUR Patrick Vegee初日が終了した。

捌けていくメンバーを拍手で見送り、規制退場。ライブは、本当にあっという間に終わってしまった。

終わってすぐの感想は、凄かった!!というより、Patrick Vegeeの収録曲全部やらなかった!!という気持ちだった(本音)。
まあMODE MOOD MODEのツアーでも「夢が覚めたら(at that river)」をやっていないとか色々聞いていたのでやらない曲があるのではと思っていたが、実際聴けないとちょっと寂しい。
何故なら私は「Catch up, latency」をまだライブで2回しか聴いていない。この曲もライブのラストでもいいくらいの名曲だと思っている。まだ聴き足りない。

あと重要なのが「弥生町ロンリープラネット」だ。ここだけは「春が来てぼくら」に繋がると思っていた。本編が終わって、アンコールで聴けると若干期待していた。やらないんかーい。田淵が本当は2020年春に開催予定だった「fun time HOLIDAY 8」で披露する予定だったと言っていたが(その後“LIVE (in the) HOUSE”で初披露)、だから最初からこのツアーのセトリには入らない予定だったのかもしれない。

それでも、私は田淵の作るセットリストには最大の信頼を置いているので、きっとこの先のことを考えてこうなったのだと勝手に解釈する。
Patrick Vegeeはアルバムの曲順がすこぶる出来過ぎている、というかこれを組み替えてセットリストを作るのはなかなかに難しいと思うのだが、改めてこのセトリでライブを体験すると腑に落ちる部分もある気がしている。でもこれ、一回参加しただけではわからない。私にとっては、楽しくて好きな曲も多くて最高のセットリストだったけれど。

斎藤くんがラジオ「THE KINGS PLACE」でこのツアーのリハーサルの話題が出た時「身体はち切れそうになるくらい歌ってる」と言っていたが、本当にその通りだと思った。田淵は斎藤くんのことを信頼して更に鍛え上げているなと思った。まじで容赦無い。

TOUR Normal、Revival Tour"Spring Spring Spring""CIDER ROAD"と異例のレア曲セットリストのツアーを体験してからの、私にとって初めてのアルバムリリースツアー。これがユニゾンの通常運転。MCも最小限、めちゃくちゃカッコ良くて震えが止まらなかった100分。あのシーンを覚えていたい!とか照明の雰囲気ももっと覚えていたかったけど、何か全部吹っ飛んでしまった。最高。

初日ならではの緊張感もあり、新曲含めPatrick Vegeeの曲をその場で体感出来たことが何より嬉しい。音源とはまた違った感覚を得られるのもライブの醍醐味。またアルバムPatrick Vegeeを聴くのが楽しくなった。


残るツアー、最後までよろしく!
これから行く公演については、次の記事から毎回少しずつ感想文を更新していこうと思う。


2021.10.6 さいたま市文化センター
セットリスト

1.Simple Simple Anecdote
2.Hatch I need
3.マーメイドスキャンダラス
4.Invisible Sensation
5.フライデイノベルス
6.カラクリカルカレ
7.Nihil Pip Viper
8.Dizzy Trickster
9.摂食ビジランテ
10.夜が揺れている
11.夏影テールライト
12.オーケストラを観にいこう
13.Phantom Joke
 ドラムソロ〜セッション
14.世界はファンシー
15.スロウカーヴは打てない (that made me crazy)
16.天国と地獄
17.シュガーソングとビターステップ
18.101回目のプロローグ

EN
19.crazy birthday
20.オトノバ中間試験
21.春が来てぼくら




余談。コロナ禍のライブについて。

コロナ禍で県を跨いでライブに行く人を、周りの殆どの人たちは、どうかしてると思っているだろう。
ライブに行ったことがない人は勿論わからない。今どれだけライブ会場でコロナ対策が徹底されているのかも。そこら辺の人がお喋りする飲食店やおしゃれなカフェよりずっと安心出来る空間になっている。
ニュースでフェスが有観客で開催されれば非難の嵐。音楽を止めるな、と言っても残念ながら理解してもらえないことの方が多い。
元々ライブが好きだった人も、様々な理由でライブに行くのを諦めている人が沢山いる。私はTwitterでも、現実でもそういう人を沢山見てきた。
その中でどちらかと言えば自由な自分は、行きたいライブは諦めずに行ってきた。緊急事態宣言中に県を跨いででもライブに行った。ライブをやるバンドからは「この大変な時に来てくれてありがとうございます」「こうやって足を運んでくれる人がいるからライブが出来ます」と嬉しい言葉をかけてもらえる。
斎藤くんでさえTHE KINGS PLACEで「今ライブに足を運んで下さってる方は本当にありがたくて、ちょっと身内感があって、凄く色々な協力をしてくれて、それでもライブを味わいに来てくれている」というようなことを言ってくれていた。凄く嬉しかった。

でも違う。音楽やライブという存在が必要なのは、本当はライブに行っていた皆一緒だったはず。コロナ禍になる前、皆ライブが好きだった。でも行きたくても行けなくなってしまった。その行けない理由は本当に様々だと思うのだが、全てはウイルスのせい。

コロナ禍でもライブに行ってバンドを支えてきたのは私たちだなんて、私はちっとも思っていない。ただライブに行きたいから行っていただけ。生の音楽を聴きたくて、会いたいから会いに行っていただけ。自分が出来る最大限の注意と対策をして、少し怖いなと思いながらもわがままを通してきただけ。だって大好きなバンドがライブをやっているなら観たいもの。全然偉くなんかない。

でも、そうやって自分を動かしているのは、やはりあのライブが全く無くなってしまった空白の期間があるからだと思う。予定されていたライブは全て中止もしくは延期になり、2020年の3月から9月まで、私は有観客のライブのない日々を過ごした。その間は配信ライブに救われたりしていたが、その時気付いてしまったのだ。

今まで当たり前のように行けていたライブは、当たり前の存在ではなかったということに。

だから、逆に行ける時には行こうと覚悟を決めた。TOUR 2021 NormalのZepp Tokyo公演がまさにそれだ。私にとってライブは本当に必要な存在で、大好きな場所だと改めて知ったから。同じ考えの人は沢山いると思う。私はまだコロナ禍でもそれなりに恵まれた環境にいたから、全て自己責任で何とかライブに行くことが出来た。

今やっと、ワクチンが私たちの所まで届いてきて少しずつ感染者が減ってきている。そんな良いタイミングで、ユニゾンは最新アルバムのツアーを回る。田淵がブログに書いている。

"我々は動き出した世界を存分に楽しむ準備が整った。
UNISON SQUARE GARDENがいつものライブツアーをやりに全国の物好きに会いに行くのだ。
それを今回のアルバムツアーの構想に据えた。"

田淵はいつだって、今普通にライブに行っている物好きにも今行けない物好きにも同じように訴えてくる。ライブ行け、と。
でもさすがに地方民はかなり近くに来てくれないと行けない、という人たちがかなり多い。そんな物好きたちが、やっとライブに行けるチャンスが巡ってきた。しかも待ちに待った最新アルバムのツアー。
田淵は、これまでライブに行けなかった人たちを決して置いてけぼりにはしない。ちょっとブログでの言い回しはぶっきらぼうだけど、そういう所が田淵らしくていいなと思う。もちろん田淵だけじゃなく、斎藤くんも貴雄も考えは一緒だと思う。そうじゃなきゃ一緒にバンドを続けていない。

今まで我慢してきた人たちがライブに行ってやはりライブは最高!と思えたら凄く嬉しい。そしてまた以前のようにライブに足を運べるようになったらもっと嬉しい。ライブ会場にいるのは同じ気持ちを持った仲間。会場内でうるさく喋る人も、マスクを外す人も、歌ったり叫ぶ人も今のユニゾンのライブにはいない。

田淵のブログからまた拝借。
"我々は楽しく生き続けてきたよ。君は何をやってたんだよ。
 
それを同じ空間で思う存分お互い証明してやろうじゃないかというライブツアーになる。
ロックバンドの楽しい本筋はライブでしか味わえないのよ。そんなもん観に来た方が良いに決まってる。"

まぁでも、ユニゾンのライブは関東や関西圏だとチケット取れなかったりするから気軽に行こう!と思ったらもう売り切れなんてことが多いんだけど。

それでも物好きならUNICITY先行で申し込んで、多分最低でもみんな1公演はご用意されていた気がする。複数箇所申し込んで当たった場所は地方になってしまった人が多いかもしれないけど(それは仕方ないよね)、でも全滅よりずっといい。今回も、諦めなければチャンスはあるかもしれない。

ステージに立つユニゾンは、いつだってカッコいい。

ずっとライブを止めずにやり続けているバンドのライブは、エネルギーが全然違うよ。
沢山貰って、それがまた明日からの活力になる。

だから私は、行きたいライブはこれからも諦めずに行く。我慢はしない。


偉そうなことを言ってしまったが、バンドとライブはセットなのだ。好きなら本来どちらも味わい尽くさないといけないのだ。

だから、食べられなくても、食べにいく。

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