近所の歴史を調べる - 『新編武蔵風土記稿』の引き方

もしあなたが関東に住んでいて、自分が住んでいる場所の歴史について知りたければ、『新編武蔵風土記稿』を引く方法を知っておくとよい。

『新編武蔵風土記稿』は、江戸時代に編まれた書物で、当時の関東地方のカタログ的な本である。小さな村でもだいたいは載っている。

新編武蔵風土記稿 - Wikipedia

地元の郷土史を調べる場合は、まずはこれに当たるのがよいというタイプの本である。そしてオンラインで読むことができる。とはいえ、慣れないと調べ方がちょっと難しいので、それを書いておこう。

以下、東京の駒込を例にあげて説明しよう(自分の住所を使いたくないので適当に自分が住んでない場所を選んだ)。

あなたは自分の住んでいる場所を駅名で認識しているかもしれないが、調べるにあたって大事なのは地名だ。駒込の場合、駅周辺の住所は「駒込何丁目」というものになるようだ。まずは、これがいつ頃から使われている地名なのかを確認する。

過去の地名が知りたいので、「駒込+豊島区+歴史」などで検索する。そうするとWikipediaの記事などが出てくることが多いだろう。

駒込 (東京都) - Wikipedia

駒込の場合は、この記事に『新編武蔵風土記稿』の参照があり、「上駒込村」「下駒込村」として記載されていることがわかった。そこまでは載ってなくても、ともあれ、古い地名がわかれば、それが『新編武蔵風土記稿』の何巻に載っているのかを確認する。目次はWikipediaに記載されている。

新編武蔵風土記稿 - Wikipedia

豊島群岩渕領駒込村は19巻であるため、19巻を見る。

『新編武蔵風土記稿』は国立公文書館 デジタルアーカイブ(archives.go.jp)と、国立国会図書館デジタルコレクションの両方に収録されている。
国立国会図書館の方が使いやすいと思うが、登録が必要であり、しかも『新編武蔵風土記稿』のバージョンが複数あって、逆にわかりにくかったので、以下国立公文書館の方で説明する。

新編武蔵風土記稿 (archives.go.jp)

上のリンクから「閲覧」をクリックし、19巻にたどりつくまで「次の件名」をたどる。

新編武蔵風土記稿巻之18豊島郡之10 巻之19豊島郡之11 葛城郡目録 巻之20葛城郡之1 (archives.go.jp)


あとは、ページをめくって上駒込村、下駒込村を探すだけ(p.24)。

古い文章なので読みにくいが、がんばって読もう。読んでいくと、村の歴史、地理、産業、村内の寺社仏閣などについて記載がある。太田道灌が妙義神社に参詣したことがわかった。妙義神社のサイトを見てみると、同じことが書いてある。

妙義神社について | 妙義神社 - 東京駒込妙義神社公式サイト|勝負の神様 戦勝の宮 (myogi.tokyo)

細々読んでいくといろいろなことがわかる。近所の地名(住所に残っていなくとも交差点や公園や橋の名前に残っていたりする)の由来がわかることも多い。


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