北九州博覧祭2001における催眠音声の展示に関する情報を探しています

北九州博覧祭2001における催眠音声の展示に関する情報を探しています

北九州博覧祭2001は、福岡県北九州市にて行われた、地方博覧会である。
当時、日本の各地でこのような博覧会(ジャパンエキスポと呼ばれた)が行われており、
北九州博覧会もその一環として2001年7月4日から11月4日までの124日間に渡り催された。
各種パビリオンでは、当時の最新技術や企業の展示など、比較的大規模なスケールでの展示会となっており、200万人以上を動員したと記録されている。
筆者も当時小学生で、半ば強制的に数回ほど参加したのだが、北九州周辺に在住だったアラサー以上の方は何かしらの付き合いで参加したという人も多いと思われる。
さて、そんな北九州博覧会だが、今回の記事ではそれを懐かしむという趣旨ではなく、数多く出展されたパビリオンのひとつに関する、事実確認と情報の収集を目的としている。

催眠音声というジャンルの趣味をご存知だろうか。
文字通り、音声を聴くことにより催眠状態を惹起し、それにより特殊な精神状態を楽しんだり、快眠を得たりなどするという割とニッチな界隈だ。まず催眠と聞くと、五円玉をぶらぶらさせて術者の思い通りに操られたりするイメージを抱かれる方も多いと思われる。実際にはほとんどの場合、よくある見せ物のような操られて云々というものではなく、あくまでかけられる側の希望の状態に持っていくことが多い。催眠療法などは広く確立された心理的療法であり、決して怪しげな奇術などではない。
この催眠療法の技術を応用して、スクリプト(文章)を生成して読み上げた音声データを使用してトランス状態に至り、快感を得たりなどする催眠音声が、同人音声界隈で一時期結構流行ったことがあった。
中には催眠導入が実際の催眠術の技術に則らず全く効果のないような粗悪なものも多く存在したのだが、中には本当に視聴者を催眠状態に至らせる「本物の」催眠音声が存在した。
かくいう筆者も軽くではあるが催眠音声を試してみて、トランス状態を体験したことがある。
トランス状態は、いわゆる変性意識状態の一種であり、音声などによる暗示操作を受けた人間の脳がその状態にあたる。とは言っても、とても特殊な状態というわけではなく、皆さんも日常的に経験している現象である。例えば、「あなたは酸っぱい梅干しを口に含んでいます。口中に唾液が溢れてきます」というような文章をみてよだれが分泌されたり、恐怖小説を読んで自分は体験していないのにあたかも危機的状況に置かれたような激しい脈拍・発汗を伴う緊張状態に陥ったりするのも、変性意識状態の一種である。

筆者が体験した催眠音声に関しては特段述べないが、初めて音声を聞いてトランス状態に至ったとき、強い既視感に襲われた。確実に、自分はこの感覚を知っている。
一通り催眠を楽しんだ後、かつて味わったこの感覚はなんだったのか回顧してみると、ある記憶が蘇った。
時は2001年、筆者がまだ小学生の頃、あの場所で、確かに体験したのだ。
場所は北九州博覧祭パビリオン内。薄ぼんやりした灯りが灯るスペースにマッサージ機のような椅子が置かれており、目隠し付きヘッドホンが設置されていた。
これはなんだろう?と興味を持ち、なんの気なしに座ってヘッドホンを装着した。すると、優しげな女性の声が流れてくる。
詳細な内容は記憶していないのだが、おおむね下記のような内容である。
・リラックスするように促す(数パターン)
・川のせせらぎ、鳥の鳴き声などのリラクゼーション音声が流れる。
・深呼吸をするように促す。
・吸う時は、明るいエネルギーのようなものを取り込むようイメージするように促す。取り込んだエネルギーが身体中に巡っていく…のような導入。
・息を吐く時は、体から悪いものが吐き出されるイメージ。

ここら辺までは記憶にある。しかし、この後の音声指示からトランス状態に至るまでは記憶がない。
やがて体がじんわりと沈み込むような感覚を覚え、頭の中の言語的思考は完全になくなり、環境音声に包み込まれる感覚になる。そして徐々に脳にもたらされる快感が大きくなり、意識は完全に自我を忘失する。
そんな状態が数分間続いたのち、いわゆる「催眠解除音声」が流れる。(最初の導入の逆手順)
そして完全に催眠が解け、体が軽くなり動けるようになると、ヘッドホンを外して先ほどの体験についてなんだかとんでもない体験をしたような感覚に襲われ、その場を離れたのであった。

この記憶は完全に忘れていたのだが、成人した後に初めて催眠音声を聞いた時に鮮明に当時の記憶が蘇ってきた。
催眠音声によるトランス状態と、当時の意識状態は完全に一緒だった。また、催眠の導入なども比較的オーソドックスなものそのままであった。

催眠療法に関しては歴とした治療法として長い歴史があり、その技術である催眠の研究も盛んに進められてきた。そのため、当時の時点でもすでに現在用いられるような催眠の基本形式のようなものが広く普及していたと思われる。よって、催眠音声そのものが存在していたことは別に不思議でもないのだが、問題は、それが博覧会のパビリオンとして設置され、何も知らない一般客にいきなり催眠をかける仕掛けになっていたことである。

催眠状態はまず極めて無防備な状態であり、一時的に体の自由が効かなくなり、意識レベルも極めて低くなる。そのため、通常催眠術が使用されるのは安全な場所で、何より本人の同意のもと行われるのが必須であるのだが、特に説明もなくいきなりオラッ催眠!するのはなかなかの暴挙である。そもそも、不特定多数に対して催眠音声を流す展示をするというのは極めて大胆で異様な企画だと思われる。

筆者はまずインターネットで当時の出展パビリオン等について調べたが、当然「催眠音声が流れた」というような情報は何も残っていなかった。
次に北九州市内の図書館へ向かい、博覧祭の情報が載っている誌面を探したところ、流石に大規模イベントだけあり、たくさんの資料が見つかったが、音声を流す椅子が設置されたという情報までは載っている資料は存在しなかった。
おそらく敷地内中央に位置する「リラクゼーションエリア」の中の1つの展示であったのではないかと思われるが、出展企業・団体を資料に記載の膨大なデータから特定するのは筆者には不可能だった。

この記事の目的は、この「催眠音声を流す展示をした企業もしくはなんらかの組織」の正体を明らかにし、どのような経緯で展示に至ったかを知り、同じ体験をした人と情報を交換してみたいというものである。催眠音声を商品として展開している組織があるとして、現在も販売していたら、ぜひ購入してみたいと思っている。当時の記憶では、極めて強い催眠状態に陥ったことは間違いないため、おそらく専門家の監修のもと作成されていることは間違いないだろう。

何か情報をご存知の方がいましたら、コメント等で情報をお寄せください。よろしくお願いいたします。

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