醜
刺す。刺す。いつか絶対に刺す。
暖かな場所から、世界をあざ笑っているそ奴の顔を
八つ裂きにしてやる。
腐った目にナイフを突き刺し、
一生ものも言えぬよう喉を焼き付ける。
いつも外れた。否、外して、さらによけた。
刺されることを望みながら、生きることを渇望した。
刺すことすらできず、ただ魂を撫でた。
ひっかいた。少し血が出た。
月日がたち、瘡蓋になったその傷は、勲章のように見えた。
なんなんだその傲慢な目は。
自意識にまみれた、ヘドロのような醜悪。
早く刺せ。決してよけるな。
今度こそ命中させてやる。
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