ETF (上場投資信託)を初心者向けに分かりやすく解説!
今回は金融商品の一つであるETF (上場投資信託)について紹介します。
ETFに対する理解を深め、資産運用の知識を増やしていきましょう。
ETF (上場投資信託)とは?
ETFはExchange Traded Fund の略です。
ETFは日経平均株価や米国のダウ平均などの
主要株価指数に連動するように運用されている投資信託の一種です。
株価指数とは、たくさんの銘柄の株価の動きを表す指標のことです。
例えば日経平均株価は東証1部に上場する企業の中から
選ばれた225社の株価を平均したものです。
つまり、日経平均株価に連動するETFに投資することで
日本を代表する225社に分散して投資することができます。
また投資信託とは、複数の投資家から集めてまとめたお金を
証券会社の専門家が運用し、その運用の成果として
生まれた利益を投資家に還元する金融商品のことです。
つまり投資家はETFという商品を証券会社から買うことで
複数の銘柄に分散投資ができるという仕組みです。
投資家は証券会社に口座を開けば
株式と同じように手軽に売買できます。
ETFの3つのメリット
ETFには主に3つのメリットがあります。それらを見ていきましょう。
(1)簡単に分散投資できる
上で解説したように、ETFは特定の銘柄ではなく
複数の銘柄で構成される株価指数に連動します。
資産運用の基本は分散投資です。
例えば、ある1つの企業に投資するとして
その企業の業績が悪化するか倒産すると
資産が大きく減ってしまう危険があります。
その代わりETFに投資すれば
1社だけではなく多くの企業に分散して投資することができるので
資産が大きく減るリスクを減らすことができます。
(2)リアルタイムで売買できる
ETFは証券取引所に上場して売買が行われています。
そのため、市場が開いている間は株式と同じように売買を
行うことができます。
例えば、希望する売買価格を指定して発注する
「指値注文」などのような取引を行うことが出来ます。
(3)コストが安い
ETFを購入した投資家は
証券会社に信託報酬と呼ばれる手数料を支払う必要があります。
信託報酬はETFを管理・運用する経費として
投資家がETFを保有する間支払い続けるものですが
ETFの信託報酬は他の投資信託に比べて安いのが特徴です。
一般的に投資信託は、資産運用の専門家が
独自の知識と経験に基づいて選んだ銘柄を運用するものが多く
その場合運用にかかるコストは高くなります。
一方、ETFの場合は株価指数に連動するので
運用にかかるコストは低くて済みます。
これがETFの信託報酬が安い理由です。
ETFのデメリット
(1)元本割れする可能性がある
ETFは日経平均株価などの主要株価指数に連動するため
その価格は日々変動します。
従って、下げ相場によって指数が下落することで
ETFも値下がりする可能性があります。
このように元本割れするリスクがあることは
頭に入れておく必要があります。
(2)定額積み立てが難しい
定額積立投資とは
毎月同じ金額で投資信託を購入する方法です。
例えば大金を一括で投資せずに
毎月1万円分の投資信託を購入することで
投資の時間を分散することができます。
多くの証券会社では定額積み立てを
自動で行うサービスを提供していますが
ETFの場合は自動定額積み立てができない場合があります。
その理由は、ETFの取引単位が金額ではなく口数であるためです。
もしも定額積み立てをする場合
投資家は自分で口数を決めて購入する必要があります。
(3)分配金を自動で再投資できない
株式を購入すると配当が出ます。
ETFの場合、配当に相当するのが分配金です。
分配金とは、配当や受取利息から支払利子と信託報酬を引いたものです。
ETFの分配金は現金で支払われるようになっているため
自動で再投資することができません。
従って分配金を再投資にまわす場合は
自分でETFを購入する手間が発生してしまいます。
また分配金を現金で受け取った場合
約20%の税金がかかります。
一方で投資信託の場合は
分配金を自動で再投資することが選択できるため
上記のようなデメリットがありません。
どんなETFがあるのか?
(1)NEXT FUNDS 日経225 ETF
野村アセットマネジメントが販売するNEXT FUNDS 日経225 ETFは
日経平均株価に連動するETFです。
日本を代表する企業に低コストで
分散投資したい投資家に人気のETFです。
(2)バンガード・トータル・ワールド・ストックETF (VT)
米国バンガード社が販売している
バンガード・トータル・ワールド・ストックETFは
新興国を含む世界47ヵ国の株式、約2,900銘柄に投資ができるETFです。
これ1本で世界中の上場企業に投資できるので
全世界に広く分散投資したい投資家におすすめのETFです。
(3)バンガード・トータル・ストックマーケットETF (VTI)
こちらもバンガード社が販売するETFで
米国の株式市場のほぼ全てを網羅したETFです。
米国の株式市場は力強く成長を続けているため
米国企業に分散投資したい投資家に人気のETFです。
ETFに投資した場合の資産シミュレーション
主要株価指数に連動するETFは複数の銘柄に分散されているため
特定の銘柄に比べて値動きの幅が小さいことが特徴的です。
そのため大きく損をする可能性が低いと同時に
短期間で大きく値上がりする可能性も低いのです。
ETFに投資して資産運用するコツは長期投資です。
例えば米国株式指数や全世界株式指数はリーマンショックなどで
一時的な暴落を経験しつつも、長期的に見れば緩やかに
右肩上がりを続けてきました。
つまり購入したETFを長期間保有することで
株式指数上昇の恩恵を受けて
資産を大きく増やせる可能性があるのです。
世界株式指数は年平均約3~5%で成長してきました。
全世界株式指数に連動するETFに長期間投資した場合
資産をどれだけ増やせるかをシミュレーションしてみました。
前提条件は次の通りです。
初年度投資額:100万円
年平均成長率:3%、4%、5%
投資期間:30年
信託報酬 (年率):0.08%
シミュレーション結果を示したのが下のグラフです。
年率3%であれば30年間で資産は約2.3倍、年率5%なら約4.2倍
まで増えることが分かりました。
このシミュレーションで計算したのは
ETFに投資した場合の資産の平均値です。
もし今後世界経済の成長が減速するか成長が停滞した場合
このように資産を増やせなくなる可能性があることには留意が必要です。
逆に、今後の世界経済がマイナス成長する場合は
元本割れする可能性もあります。
証券会社などでETFを購入する場合
このようなマイナス成長のシナリオはハイライトされないため、注意が必要です。
まとめ
今回はETFについて紹介しました。
ETFとは日経平均株価や米国のダウ平均などの主要株価指数に連動するように運用されている投資信託の一種です。
ETFの特徴をよく理解して資産運用に役立ててください。
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