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2024.6.16 明日の叙景 presents『Dialogue Vol.1』Report【布】

明日の叙景、ボーカルの布です。
主催した対バンライブ『Dialogue Vol.1』について書いていきます。

テーマは『J-POPの再解釈』

ライブレポート

はじめに

6月16日、吉祥寺CLUB SEATAにてthe bercedes menz、Earthists.、そして明日の叙景の3バンドでの対バンとなりました。
一見すると奇妙ですが、深いところで芯が通っている組み合わせです。

Photo by Emily Inoue

対バンライブを企画して、お客さんが新しい音楽と出会えると嬉しいですね。
the bercedes menzとEarthists.を今回初めて知って気に入ったという感想を観ると震えます。

the bercedes menz

僕が彼らを知ったのは等力(Gt)が昨年「すごいバンド見つけたったwww」みたいな感じでLINEしてきたのがきっかけでした。

聴いて真っ先に「絶対怖い人たちじゃん」と思いましたね(笑)
バキバキの音に、とことんJ-POPなメロディはまさに砂糖菓子の弾丸というイメージで、桜庭一樹の小説と合いそうだなというのがアルバム「ザ・ベルセデス・メンツの幸福な子どもたち」を聴き終えての感想でした。
それからも過去作を聴きつつ、いろんなモチーフが浮かんだのですが、最終的には雑多なイメージが消え去り、ただ音楽だけが頭に残る感覚が不思議でした。

ライブではまず鈍器のようなリズム隊のグルーブにやられました。
改めて、今回のイベントに呼んでよかったと思った瞬間でしたね。
メタルやハードコアのそれとは違うんですが、攻撃的かつスイングするような演奏には間違いなくエクストリームミュージックのライブに親しんでいる方たちも刺さると思います。

そしてボーカルの情緒と怖さはなんとも言い難いです。
鋭利な歌声が続くなか、ふいに脱力してふわっと声が広がる瞬間、どこまでも人間という感じがして良いです。
もう一点、ライブでは感情むき出しなフレーズよりも、脱力したフレーズの方が聴いててぞっとすることもありました。

ちなみに今のお気に入りはこの2曲。

Earthists.

互いにライブはよく観るのに共演したことはなく、じっくり話したのも今回が初というニアミスし続けたバンド、Earthists.と満を持しての共演です。
楽屋でおさげのYUIさんとポニテの布で、どっちの方がcawaiiボーカルか勝負することに決めたのは内緒。

ライブではとにかく圧倒的なメジャー感に圧倒されます。吉祥寺CLUB SEATAから一気に幕張へと飛ばされたような感覚でしたね。
音楽とは不思議なもので、会場の規模感と合う合わないというものが存在して、キャパ無限の会場でやった方が伝わる音楽もあれば、キャパ50もないスタジオライブじゃないと伝わらない音楽もあって、Earthists.は前者のポテンシャルが楽曲の段階で凄まじいと思います。
また、単にスケールの大きい音楽というだけではなく、確かな技術に裏打ちされたエクストリームミュージック特有の突き放すようなアレンジがあることも忘れてはいけません。
とはいえ、シンプルにCDJとかで「Yours」が演奏されて、大観衆がジャンプする光景が観たいですね。

ライブにおいてもコントラストが強く、タイトなボーカルには脱帽ですね。
ハイが続いてからのローのプッシュ感と歪みの渦の巻き具合はお手本のようです。

極限状態を愉快に、そしてゆとりをもって駆け抜けるライブは唯一無二のものだと思います。
8月にはツアーも控えているので是非、チェックしてみて下さい。
メタルコアが土台にありつつもEarthists.にしかない表現と空間の支配力が味わえますよ。

新曲も必聴!

明日の叙景

今回もたくさんの人に観に来ていただけて本当に感謝!
セットリストは次の通りです。

-setlist-
A Flower Is Not A Flower(入場SE)
ビオトープの底から
歌姫とそこにあれ
土踏まず
MC
コバルトの降る街で
美しい名前
MC
影法師の夢
遠雷と君
キメラ
私はもう祈らない(Ec)
修羅(Ec)

「ビオトープの底から」を一発目にするのは、昔からやりたかったのですが、今回やってみてしっくりきました。
瑞々しい光をイントロから感じられる曲なので夏の始まりにもぴったりですしね。

また、今回のライブから衣装を一部衣替えしました。
冷房が利いているとはいえ、身体の中には外気の暑さがイメージとして残っていると思うので、見た目的に少しでも涼しげな方がよいかと考えた次第です。
あと、ポニテすごい楽。涼しい。かわいい。

Photo by Emily Inoue

「修羅」は久しぶりの登場。
「アイランド」に収録されている曲ではないのですが、ブラジル音楽をモチーフにした楽曲のため、夏に合いますね。(ただ、ブラジルも地域によって気候が大きく異なり、常に温暖な地域もあれば、冬に寒くなる場所もあるそうです)
アウトロのアレンジはいかがでしたか?
キメとドラムロールで構成されたシンプルなアレンジでしたが、大団円を表現するにはベストな選択だったかなと自負しております。

ライブアレンジは楽しいので、これからもどんどんやっていきたいですね。
あとはインストセッションや各パートのソロなどを増やすのもいいなと思います。

企画する上で意識すること

サマソニの思い出

朝っぱらから開場して間もないサマソニへ入場してビーチステージに直行。
モヒート片手にリクライニングチェアに腰を下ろす。
そこまで強くない日差しとささやかな潮風。
ステージでは知らないラッパー集団がライブをしている。
そんなとき、思ったのです。
「こういうのでいいんだよ こういうので」

いや、本当に音楽を楽しむ上で、快適であることは大切だなと思います。
そこで今回は付録として明日の叙景が主催する際に意識していることをいくつか紹介。

会場内BGMはこだわった方がいい

会場BGMは出演するバンドの文脈に沿って選曲したり、ゴリゴリなバンドサウンドすることでお客さんのテンションを高められるメリットがあると思います。

ただ個人的には生のディストーションサウンドを聴きに来ているのだから、新鮮な気持ちでいるためにもBGMはしっとりしたものがいいと考えております。
そっちの方がお客さんも耳を温存できますし、ライブが始まった瞬間のインパクトが強まると思うのですが、いかがでしょうか。

自分たちがイベントを企画するときは会場BGMも好きに選べますから、ここぞとばかりにメタルやロック色を排した選曲をします。
そして毎回BGMをセレクトしているのは等力。

歴代会場内BGM
阿部芙蓉美 - 沈黙の恋人
TATIANA PARRA & ANDRES BEEUWSAERT - AQUI
D’angelo - voodoo
METAFIVE - META

椅子って必要じゃない?

今回の『Dialogue vol.1』ではラウンジに加えて、フロア後方にも椅子を設置させていただきましたが、いかがでしたか?
リクライニングチェアやヨギボーは流石に用意できませんでしたが、次回以降も快適に過ごせる方法を考えたいと思います。

ちなみに、次回ライブをする新代田FEVERは隣接しているカフェpootleでドリンクチケットが使えるのと、座席も多くてくつろげるため、お気に入りの会場です。

コムガー(フライドチキン丼)とシントー(フルーツシェイク) at pootle

今後もライブハウス、お客さん、そして演者がウィンウィンになるようなイベントを企画したいと思います。
よかったら皆さんのご意見もお聞かせください!

あとがきにかえて

今回ヘッダーに使わせていただいた写真なのですが、ライトの色がとても良く映ってますね。紺と橙は特に好きな組み合わせです。
川崎に工場夜景を観に行った際、フレアスタッグと夜空の組み合わせに感動したのを思い出しました。
濃紺な夜空に赤橙の炎がゆらめいて、暗い河口の波間に落ちているのをじっと見て、ゆったり時間が流れるのを感じるのは結構贅沢です。

Header Photo by Emily Inoue

イベント情報

2024.7.6(土) 新代田 FEVER
くゆる pre.「SHIV」
https://t.livepocket.jp/e/kuyuru_shiv

2024.8.18(日) 渋谷CLUB QUATTRO
RAY presents「Destroy the Wall」
https://t.pia.jp/pia/artist/artists.do?artistsCd=J6120008

2024.9.29 (日) Veats Shibuya
2024.10.6 (日) 大阪バナナホール
Imperial Circus Dead Decadence×明日の叙景 2MAN SHOW
『神産む嵌合体と詩葬の彼岸』
イープラス
https://eplus.jp/sf/word/0000116379

ローチケ
https://l-tike.com/search/?lcd=74086


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