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良い写真が欲しいならサブ4は目標にするな。全マラソンランナーの走行記録の分析から見えた傾向。

こんにちは、ランナー兼データアナリストのあすなろです。

今年1月、立山若潮マラソンに挑戦しましたが、イベント後に公開された私の写真を見て少しガッカリしました。理想は、以下1枚目のような一人の写真ですが、実際には2枚目のような大勢が写り込んだものばかりでした。
(写真はホームページより拝借しました)

一人で撮影された写真の例。こんな写真が欲しい。
大勢が同時に撮影された写真。あまり望ましくない。

マラソン大会ではプロのカメラマンが参加者の走りを捉え、その写真は後でウェブサイトで購入可能です。私が良い写真を撮られなかったは、自分の走行タイムが影響しているのではないかと考え、分析を始めました。私の記録は3時間56分で、これは初心者にとっての大きな目標であるサブ4(4時間以内完走)を達成したことを意味します。

館山若潮マラソンでは、10kmごとにタイムが記録され、ホームページ上で全ランナーのデータを確認することができます。スタート地点のタイムが0秒ではないのは、参加者数が多いためスタートラインに到達するまでに時間がかかるためです。

このページで、ゼッケン番号1番から5000番までを検索し、42km完走者のみを抽出しました。約3000人分のデータを収集し、以下のような結果を得ました。

全完走ランナーの走行タイム

完走者のタイムを10分間隔で分け、それぞれの人数を数えた結果が以下のグラフです。3時間50分台、4時間20分台、4時間50分台に人数の山があり、特に3時間50分台が最も多い時間帯でした。私もその時間帯にゴールしたため、良い写真を撮ってもらえなかったのは、やはりその時間に多くのランナーがいたからでしょう。

ゴール時間帯ごとの人数分布

分析をさらに深めるため、ゴールタイムごとに各区間での走行スピードを計算し、1kmあたりの速度で表示しました。速い区間を青色、遅い区間を赤色で表示しています。ゴールタイムが早い方が青く、遅い方が赤いのは当然ですが、距離が伸びるほど(つまり表の右側に行くほど)、青は薄くなり、赤は濃くなっているようにも見えます。これは距離が伸びれば伸びるほど、ペースが落ちていることを意味します。

ゴールタイムごとの、各区間における平均速度(time/km)

この仮説を検証するために、最初の10kmのスピードをもとに、各区間におけるスピード変化の割合を計算したものが以下になります。こちらは、100%を基準に数値が高い箇所を赤くしています。

この分析により、ゴールタイムが遅いランナーほど、後半の赤が濃く、後半で失速していることがわかります。一貫したスピードを維持することが、早いタイムでゴールする鍵なのでしょう。

ゴールタイムごとの、0~10kmの速度を基準としたときの、各区間の速度変化


今回の分析は、なぜ私は良い写真が撮れなかったのかという疑問から始まりましたが、ゴールタイムによるランナーの走り方の違いを見ると、多くの興味深いデータが得られました。

次の目標は3時間40分台での完走、そして、一貫したスピードを保って走り切るための能力を身につけることです。他のマラソンでも同様の傾向があるかどうか、さらに検証してみたいと思います。


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