『契りおきし させもが露を 命にて あはれ今年の 秋もいぬめり』藤原基俊
《意味》
約束してくださったあなたの言葉をただ頼みにして生きてきたのに、今年の秋も虚しく過ぎていくようです。
相手のつれない態度、守られない約束を責める。
ありがちなお話と思いきや、その心は意外なものでした。
この歌の作者・藤原基俊は藤原道長のひ孫です。名門の生まれでありながら、それほど出世できないまま人生を終えた人物です。
さて、そんな基俊が詠んだ「守られない約束を責める歌」。その約束、恋にまつわるのもかと思いきや、なんと息子に関するものなのです。