キャリー/スティーブン・キング
スティーブンキングの処女作、キャリー。
小説を読み、旧作・近年作の映画を見た。
1976年版の映画は昔TVで見た気がするが、それよりこの映画が日本で封切りになったばかりの時に、ホラー好きだった従姉が叔母を引きずって見に行った時の、叔母のセリフが今でも忘れられない。
「リーコ(従姉)が見たいっていうから、キャリーだかキャシーだか見に行ったら気持ち悪くなったわ、、、(-。-;」
確かに😅
まず話の冒頭が月のモノの流血で始まるし、プロム最高潮の場面では頭上から血を被るし。
真っ赤な顔にカッと両眼を見開き、次々サイコキネシスを発動するキャリーは、見ていて恐ろしい。
リメイク版キャリーも見たが(これは何年に作られたのか?)主役の女の子が綺麗すぎて、まずあんなスタイル良いコが今まで初潮がこなかったてのがおかしく感じる。
そして、あんな可愛いかったら虐めになんて遭うか??と。いくら家庭環境に問題があったとしてもさぁ。磨かなくても光ってるような美女をキャリー役に据えるのは間違ってる気がする。
だが、こちらのほうが、より原作に近い展開だったのは良かった。
消火栓を噴出させ水浸しにし、電線を操って地上を這わせ、人々を感電させたり。
爆発、火災を起こし、それによって街の半分を壊滅させる。
(あれっ?これは小説を読んだ私の想像だったろうか?)
そのシーンが新キャリーでは存分に堪能できる。
圧倒的ちからの解放!って感じだ。
だが、おどろおどろしさ、みたいな迫力では旧作が勝っていた。
物語前半で終始びくびくしているキャリーが、ちょっとした感情の抑揚で灰皿を飛ばしたり、電球を割ったり。
あの一触即発的な危うさが、旧作は強かった。
原作は物語というより、プロムで起きた一連の事の次第を、生き残った人たちの証言を中心に語られる。
スーがトミーにキャリーを誘わせたのは、自責の念と償いのつもりだったのだろう。
だがそれをしてキャリーを目立たせたことが、より残酷な結果に終わるかもしれないことを予測しなかったのだろうか。あまりに軽率な案だと私は思った。
私ならそんなこと持ちかけない。それじゃドラマにならないだろうけど(笑)。
どんな世の中にも、最下層で痛めつけられる人間がいる。
味わった者にしかわからない痛みと憎しみ。
キャリーが暴走した気持ちがよくわかる。
虐めている奴、痛めつける側の人間は、所詮改心などしない。
ああいった報いを受けさせ、仕返しできただけでも胸のすく話だ、と思うのは感情移入しすぎだろうな(^_^;)
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