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小児歯科最新フッ素2023年ガイドライン

4学会合同のフッ化物配合歯磨剤の推奨される利用方法

一般に予防歯科は学会のガイドラインに基づいて行っている。
あすか歯科でも、例外なく学会の推奨する方法を取り入れ、予防歯科に取り組んでいる。
今回、2023年1月より、4学会が合同でガイドラインを発表したので、これを解説したいと思う。

4学会とは

日本口腔衛生学会・日本小児歯科学会・日本歯科保存学会・日本老年歯科医学会をさす。
日本の子どものう蝕は経年的に減少傾向にあるが、その罹患率は他の疾患と比較しても高く、また成人では約3人に1人が未処置う蝕を有し、高齢者ではう蝕経験者は増加している。

 う蝕予防のフッ化物応用は 75 年以上の歴史で安全性と有効性が繰り返し確認されており、中でもフッ化物配合歯磨剤は日本で広く普及している。

フッ化物応用の研究のアップデートや、市販歯磨剤のフッ化物濃度の変更、国際的な推奨の更新を受け、日本のう蝕予防および治療を専門とする4学会合同で、現在の我が国における推奨されるフッ化物配合歯磨剤の利用方法をまとめることとなった。

4学会合同のフッ化物配合歯磨剤の推奨される利用方法より


歯磨剤のフッ化物濃度は高いほどう蝕予防効果が高いと考えられるが、飲み込みによるリスクを考 え、年齢別の推奨をおこなっている。

歯の形成期である乳幼児・小児に対しては、歯のフッ素症のリスクとう蝕予防のメリットのバランスを考慮する必要があり、メリットがリスクを上回ると考えられる利用法が推奨されている。

つまり、塗るメリットと、塗らないメリットを天秤にかけて、塗るメリットが大きいと学会は提唱している。

フッ素含有の歯磨き粉の注意点

①歯磨剤を乳幼児が誤って大量に食べたり飲み込んだりしないよう、使用方法、保管場所に気をつける。

②先進諸国の多くは 5000 ppmF の歯磨剤を歯科医師が処方しているが、処方箋なしで購入できる国も増えている。日本には制度がない。

③インプラント患者にもフッ化物配合歯磨剤の利用が推奨されている。
高濃度で酸性のフッ化物歯面塗布にはチタンインプラントを腐食させる可能性があるが、低濃度で中性のフッ化物配合歯磨剤ではその可能性はないと考えられる。

④フッ化物を配合しない製品に使われることがあるクロルヘキシジンには、う蝕予防効果がないことが報告されており、使用上の注意も存在する 

フッ素の効果の実験はこちらも併せてご覧ください。

<まとめ>
どんな薬剤も、必ず一長一短はある。正しく情報を見極め、判断しやすいようにあすか歯科は情報提供をしていきます。

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