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【旅行記】JR日本横断 その8 釧路〜根室(終)

※この記事は2024/3/6〜3/11の間におこなった乗り鉄旅行のふり返りです。

前回の記事↓

最終ランナーに乗車

朝8時の釧路駅からおはようござます。
#しろまるJR日本横断 6日目最終日です。

釧路から通算33本目となる普通列車に乗車します。根室本線の末端であるこの釧路〜根室間は、花咲はなさき線という愛称で呼ばれています。(なお、肝心の花咲駅は2016年に廃止済…)

車両は昨日の釧網本線と同じくキハ54。花咲線ここの車両もダイヤ改正後は新型に置き換わる予定なので、引き続き乗りおさめです。

朝一番の始発と、この1本うしろは快速列車ですが、私が乗車した釧路8時台の列車はまごうことなき普通列車です。座席はけっこう空きがある状態で釧路を出発しました。

日本横断もいよいよ大詰めです!

車内で朝ごはん。
フォロワーさんに勧めてもらった釧路駅
「ばんばん」の焼きおにぎりと、
北海道の旅のお供「うらら」です。

列車は朝の釧路市街を抜け、しばらくは山あいを走行します。が、

ピィィィイイイイイィィィッッッッ!
いきなり警笛とともに急減速。

道外からの観光と思わしき乗客たちは何事かと辺りを見回しています。でも宗谷線沿線民の私には何が起こったのか丸わかりです。

シカです。

窓の外にめを凝らすと、やはりと言わんばかりに雪原を駆けていく茶色い群れが見えました。奴らが線路に立ち入るせいで、試される大地のローカル線は遅れがちなのです。列車はその後もしばらく警笛と加減速を忙しなく繰り返しながら走り続けました。

花咲線沿線はシカが多く、並行する国道44号線は道内で最も野生動物と車の事故が多い道路でもあります。シカによる列車の急ブレーキは宗谷本線で何度も経験していますが、花咲線の方が圧倒的にその回数が多い印象でした。

花咲線の線路脇にうじゃうじゃいるお馴染みの奴ら。

最果ての車窓に感動

釧路を出発してから約1時間で、厚岸あっけしに着きました。厚岸ここは花咲線の途中駅の中で一番大きな町で、約半分の列車が当駅止まりとなります。

厚岸は牡蠣を筆頭に海産物が有名で、道の駅「コンキリエ」は道内の道の駅の中でグルメ部門1位の人気を誇ります。

コンキリエといえばこの人。
CMに起用されているフリー素材の外国人さんです。
道民と一部北海道好きには人気があります。
(過去写真)

厚岸を出発し、厚岸湖畔を走ります。3月の湖面はまだ一部凍結しており、広大な雪原のように見え、とても日本にいるとは思えない幻想的な車窓が続きます。

凍結した厚岸湖。


茶内ちゃない駅に到着すると、漁師に扮した銭形警部が出迎えてくれました。茶内駅がある浜中町は『ルパン三世』の作者モンキー・パンチ先生の出身地であり、町内の様々な場所にルパン関連の展示物が設置されているのです。

道東を走るキハ54ゴーヨンの中には、車体にルパン三世のイラストがラッピングされたものもあります。今回の旅では遭遇しませんでしたが、網走行きのルパンラッピング車はエックス映えします(笑)

その後も私を乗せた単行列車は、一駅一駅丁寧に停車しながら、旅のゴールとなる東の果てを目指して走ります。

厚床駅のホーム。
のんびりとした時間が流れる閑静な空間に
ポツンと設置されたカラフルなベンチが印象的です。
このカットは青春18きっぷポスターにもなった
有名な構図です(車内からスマホで撮影)
別当賀べっとが落石おちいし間で太平洋に接近。花咲線のハイライト区間です。
周りに何もない広野こうやを走る1両編成の汽車は、まさに最果てのローカル線です。

やがて車窓にポツリ、ポツリと沿線に建物が増え、最果ての街並みが見えてきました。東根室駅に到着です。花咲線の線路は終点根室の手前で大きくUの字にカーブを描くため、この東根室が日本最東端の駅となります。

日本最東端到達!
(本企画では根室本線の終着根室をゴールとします)

東根室の次は、いよいよ終着の根室です。

根室到着。無事にゴール!

日本最東端の駅を出ると、すぐに終着です。この辺りの雰囲気は南稚内と稚内に似ていますね。

根室の市街地で弧を描くようにぐるりと旋回し、列車が減速をはじめました。自動放送が根室への到着を予告し、折り返し乗車をする場合は一度改札を出るようにと案内をしています。

そして、ついに———

ご乗車ありがとうございましたー
/ ドドン! \
根室! 到着!

6日間の乗り鉄旅行、合計33本のJR列車を乗り継ぎ日本列島を佐世保にしから根室ひがしへ横断達成です!パチパチ

道中にはタイトな乗り継ぎもありましたが、無事に旅程崩壊を見舞われることなく企画達成できてよかったです。東京で雪に降られた時はどうなるかと思いましたよ…σ(^_^;)

あらためて行程を振り返ってみましょう!

全行程まとめ。

1日目 佐世保→加賀温泉
2日目 加賀温泉→小田原
3日目 小田原→秋田
4日目 秋田→網走
5日目 網走→釧路
6日目 釧路→根室

となっております。
後半はだいぶゆっくりペースでした。

佐世保→根室の列車旅は最速1日半で移動することも可能ですが、今回はあえて色々な列車に乗り、鉄道大国日本を文字通り隅から隅まで満喫しました。普通の人は飛行機を使います。

稚内に引っ越してから車で旅をする機会が多くなりましたが、たまにはこうして鉄道で旅行するのもいいですね。

私は旅の移動手段の中だと、自分で運転する車が一番すきです。しかし、車は時間や経路に囚われず自由に行先を決めることができる反面、移動中は運転に集中するため他のことができません。

その点鉄道なら車窓を楽しみながら考え事をしたり、車内で駅弁を食べたりと、移動している最中の自由があるのが魅力です。お酒が好きな人にとっては、気兼ねなく優勝できて最高ですね。

これからも、旅の趣旨に合わせて様々な乗り物を上手く駆使できる旅行マスターを目指していきたいと思います!

せっかく根室まで来たので、
お昼ごはんは根室花まるの本店へ( 「・ڡ・)「
ノサップ岬は何度か訪れているのでスルーします。

(おまけ)根室本線完乗の旅(帰路)

さて。
日本横断達成しました。
これから稚内おうちに帰ります。

ありがとう根室〜バイバイ
帰りも奴らの妨害を受けながら、
釧路まで戻ってきました。

行きに本州へ渡る際は、女満別めまんべつ→羽田の飛行機を使いました。車を空港の駐車場に置き去りにしているので、回収しなくてはいけません。

向かうは網走方面です。
釧網本線に乗るのかと思いきや…

じゃじゃ〜ん(?)

反対方向の帯広にやってきました。

なぜかって?
「行きと同じ経路で帰るのはつまらない」という旅人特有の厄介なこだわりもありますが、主な理由はこれです↓

翌朝早くに帯広からさらに西へと進み、
新得しんとくから代行バスに乗り、
真っ白な狩勝峠を越え、
東鹿越でキハ40ヨンマルに乗り換え、
滝川へと抜けました。

その後旭川〜北見を経由して女満別へと向かい、無事に愛車を回収しました。

この遠回りは、2024年ことしの3月末で廃止となった根室本線の富良野〜新得間の乗りおさめです。

根室本線は函館本線の滝川から分岐して、富良野、帯広、釧路を経て根室へと至る長大ローカル線で、石勝せきしょう線が開通する前は特急列車もばんばん走っていた道東へと通ずる大動脈です。

全線が鉄路で繋がっていた頃は滝川から釧路まで8時間以上の時間をかけて走る、乗車時間日本一の普通列車なんてものもありました。(2016年3月乗車)

しかし2016年の夏に台風の被害を受けて一部区間が不通となり、東鹿越〜新得間でバスでの代行輸送が実施されていましたが、2024ことし正式に廃止となりました。

今回は日本横断で根室まで足を伸ばしていたおかげで、最後に全線走破することができてよかったです。

◆   ◆   ◆

以上、2024年3月前半におこなった、列島横断乗り鉄限界旅行の記録でした。

(おわり)

#しろまるJR日本横断
#旅行記

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