【JR日本横断】その6「秋田〜網走」
※この記事は2024/3/6〜3/11の間におこなった乗り鉄旅行のふり返りです。
前回の記事↓
一瞬だけリゾート気分
朝8時の秋田駅からおはようござます。#しろまるJR日本横断 4日目スタートです。
本日はきゅんパスで新幹線を乱用しまくった昨日のように乗り継ぎまくりの限界移動はしません………が、移動距離はそこそこあります。
コンコースに鎮座する秋田犬に見送られながら在来線の改札を抜け、ホームに降ります。
4日目最初の乗車はこちら↓
秋田・青森の日本海に沿って走る五能線の人気リゾート列車「リゾートしらかみ」に乗車します!
しらかみの豪華な設備とゆったりとした広々シートはまるで特急列車のようですがその種別は快速であり、乗車券に指定席券を買い足すだけでOKな乗り得のリゾート列車です♪
旅好きの皆さまはご存知かと思いますが、しらかみは普通列車のみ乗り放題の「青春18きっぷ」でも指定席に課金すれば利用可能です。18きっぱーとして青森を目指す際は重宝します。
◆ ◆ ◆
8時19分。どこか懐かしいディーゼルエンジンの唸りとともに、リゾートしらかみ1号は秋田駅を発車しました。思い返してみれば、電車ではなく気動車に乗るのは一昨日の特急ひだ以来です。(ひだは電車とディーゼルのハーフですケド)
秋田を出ると、追分、八郎潟、森岳の順に停車し奥羽本線を北上していきます。周囲に何もない八郎潟周辺の車窓は、いつ見ても爽快ですね!
Q.
さて、この快適なリゾートしらかみの旅はいつまで続くのでしょうか。
A.
長くは続きません
五能線との分岐駅である東能代にて、私はリゾートしらかみを下車しました。ここから先がしらかみのメインとなる見どころ満載の五能線だというのにです。
例えるならコース料理のオードブルだけ食べて帰るような愚行です。
でもこれにはちゃんと訳があるのです。
本州最北の都道府県へ
せっかくリゾート列車に乗ったというのに、すぐ降りてしまった私。
東能代では列車の進行方向が変わるため少々の時間停車をしますが、合間にちょっと車外へ出て探索をしたとかではありません。リゾートしらかみとは東能代で完全にお別れです。
やってきた方向とは反対に旅立って行くしらかみを見送り、そのままホーム上で待つこと数分。颯爽とオレンジ色の列車がやってきました。
秋田からリゾートしらかみの後を追ってきた、特急つがる1号青森行きです。この子に乗り換えて本州最北の青森県入りを目指します。
え?
結局東能代で追いつかれるのであれば、わざわざリゾートしらかみなんかを使わずに秋田からつがるに乗ればよかったじゃないかって?
勘のいい読者は嫌いだよ
…そんなことは百の承知ですが、この日本横断旅行は限られた日程内で多種多様な列車に乗ることこそが本懐であるため、こうして一見無駄な乗り継ぎもしているのです。ちょっとだけでも乗りたかったんです。ゆるして。
もちろん本心としてはリゾートしらかみを満喫したかったのですが、しらかみは五能線経由でゆっくりまったり走るため、秋田⇄青森間の移動に5時間以上を要します。サムネイルのとおり本日の最終目的地は網走なので、ぜんぶ乗り通していると間に合わないのです…。
ここから先の乗り継ぎは、すべて今日中に網走へと至る最終の接続となります。
(一応、リゾートしらかみ自体は過去に何度か乗り通しているのでお許しください。ペコリ)
東能代を出発したつがるは、山あいに入るにつれて白んでゆく景色の中を順調に北上していきます。大館を出てしばらくすると、秋田県最後の駅「陣場」と青森県最初の駅「津軽湯の沢」を通過しました。
長崎から始まったこの旅も、ついに本州最北の地へと突入しました。残すはこの青森と愛しの北海道だけです!
ちなみに。
2024年3月のダイヤ改正後の特急つがるは、日に1往復がスーパー特急へと格上げされて所要時間が短縮されます。各県の面積が大きく、意外と移動に時間がかかる北東北観光の発展に一役買ってくれるといいですね。
ただいま北海道!
北海道新幹線に乗り換えるために、終点の青森ではなく新青森で特急つがるを下車しました。ばいばい本州。
通算28本目、はやぶさ7号で本州を脱出します。
羽田から飛行機で新千歳へビュゥゥウウンとワープするのは早くて便利ですが、やっぱり北海道への上陸といえば津軽海峡を越えるワクワク感が大切だと思います!
新幹線はあっという間に速度を上げ、青函トンネルに入りました。はやぶさ7号は奥津軽いまべつと木古内には泊まりませんので、新青森の次は終点の函館北斗です。
ゴオオオオオ………
ゴオオオオオオオオオ………
ゴオオオオオオオオオオオオオ………
………パッ!!!
12時15分。
新函館北斗に到着。
大好きな北海道にきかんです。
と、ここで。
#しろまるJR日本横断 の裏に隠されたとある目的が無事達成されました↓
新函館北斗到着をもって、本企画中に西九州・九州・山陽・北陸・東海道・上越・山形・秋田・東北・北海道というすべての新幹線への乗車を達成しました!
ここまで西九州新幹線や北陸新幹線を短距離でも利用しながら乗り継いできた理由はコレのためでした。
新幹線含めてのり放題だったきゅんパスの賜物です。今回は日本の鉄道の代名詞とも言える新幹線をふんだんに使い、速達性と定時性を体感してきました。日本の鉄道はすごい。
せっかくならどこかでH5系が来てくれたら完璧だった………
道内特急で北海道を縦貫
新函館北斗からは札幌と函館を結ぶ道内特急のエース、北斗にバトンタッチ。北海道はここからが長い。
この区間はグリーン車に課金しました。北斗はインバウンド含め利用客が多いので、快適性を求めてよくグリーン車を利用しています。時間帯によっては空いている北斗もあるみたいですが、札幌⇄函館の移動にはグリーン車をおすすめします。
今回は函館の中心部へ寄り道する時間がなかったため、車内で秋田の駅弁をたべました( 「・ڡ・)「
◆ ◆ ◆
おはようございます。
快適なグリーン車でお昼ごはんをたべた結果眠ってしまっていたようで、いつの間にか札幌の近くまで来ていました。長万部くらいまでは記憶あるのに…
ドライブ旅行では決してできないイベントです。
何はともあれ北海道最大の都市、札幌に到着です。
開店!居酒屋オホーツク
札幌までやってきましたが、本日の最終目的地は遙か道東の網走です。これから石北本線の下り最終特急「オホーツク3号」に乗車していきます。
札幌も乗り継ぎだけの短時間滞在のため、食料の買い出しをおこない、オホーツクの車内で夕食を済ませることにしました。なんたって札幌→網走は5時間もかかりますからね。
17時20分。
網走行きの特別急行オホーツク3号が札幌駅9番線に入線してきました。佐世保から数えてついに30本目の乗車列車です。
車両は側面のステンレスボディーがシャープなキハ283系の3両編成。かつて「おおぞら」や「とかち」として石勝・根室線を駆け抜けた道内最速の車両が、振り子を封印した状態で石北特急として余生を過ごしています。
それでもめちゃくちゃかっこいいですけどね!
(テンション爆あげでした)
17時30分。
オホーツク3号札幌発車。
(ちなみに、稚内までの最終に接続する列車は18時30分発のライラックなので、同じ北海道の果てでも網走のほうが終列車が早いです)
ブォォォオオオオオン!タタンタタン! タタンタタン!
283系はディーゼルエンジンを唸らせ、しばらくの間カムイやライラックといった電車特急たちに混じって宵の口の函館本線を爆走していきます。岩見沢を出発し、札幌の街並みが段々と遠ざかってきたところでお楽しみタイムです!
居酒屋オホーツク、開⭐︎店!
札駅直結の大丸さんで調達した惣菜とサッポロクラシックで優勝させていただきます!今日は3食とも車内めしですが、これも列車旅ならではの醍醐味です。
( 「・ڡ・)「 うま〜
晩餐が終わった頃旭川に到着し、けっこうお客さんが降りて行きました。
旭川からはいよいよ石北本線に入ります。
石北線内最初の停車駅の上川を過ぎると列車のスピードが急に落ち、石北峠越えに突入ます。
途中信号場で一度停車し、札幌行きのオホーツクとすれ違いました。この時はダイヤの乱れがなかったため数分の停車で済みましたが、対向列車が野生動物と一戦交えているとなにもない真っ暗な山中で数十分足止めされることもしばしばあります。ちょっぴり不安になります。
再びのっそりと動き出したオホーツクは、道東へ向けて白滝、丸瀬布の順に停車していきます。この辺りはたくさんあった無人駅たちが淘汰され特急停車駅だけが残っているエリアです。上川〜白滝間は約40km弱も途中駅が存在せず、新幹線を除いた駅間の中で日本一の長さを誇ります(誇っていいのかは微妙なところですが)。
札幌は全然雪がありませんでしたが、遠軽に着く頃にはだいぶ車窓が雪深くなっていました。峠を越えた途端に環境が変わるのはあるあるですね。
遠軽では列車の進行方向が変わります。
石北本線の特急オホーツクおよび大雪は、峠越えや単線によるすれ違い、遠軽でのスイッチバックなどの影響で所要時間が長いのです。
遠軽の時点で私が乗っていた車両の乗客は片手で数えられるほどしかいませんでした。進行方向に向けて座席を回転させたあとは、向かいの座席と合わせてボックスシートのようにして広々と使わせていただきました。
生田原と難読駅の留辺蘂の間で再び峠越えがあります。途中の信号場やトンネルが一部マニアに刺さる常紋峠です。深夜なので何も見えませんでした。むしろ何か見えてしまったほうが怖い…か。
ちなみに、留萌駅が廃止された今、駅名しりとりで「る」が回ってきた際に使える国内の現役の駅は留辺蘂だけです(とてもどうでもいい)
留辺蘂を過ぎると線路がまっすぐで平坦になり、オホーツクは特急列車らしい軽快な走りを取り戻して闇夜を突き進みます。よ〜く注視していないと見落としてしまいそうな小さな無人駅を数駅通過し、列車はオホーツク内陸の都市、北見の市街地に入りました。
北見駅の手前で石北本線の線路はトンネルに入り、地下鉄石北線と化します。市街地の鉄道地下トンネルとしては日本最北だそうです。
北見まで来たなら網走は目前。
オホーツク3号はラストスパートをかけ、美幌と女満別に停車し、定刻から10分遅れの23時5分に終着の網走へ到着しました。
5時間も乗っていると、乗っていた列車にちょっとした愛着が湧いてきます。
ここまで走りきってくれてありがとう!
4日目は一気に北海道を横断し、ゴールの根室に近い道東までやってきました。後半戦突入の5日目に続きます。
(つづく)↓
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