【ドライブ企画】北海道3500 その2「0日目/ midnight オロロン」
※この記事は2021年9月のふりかえり旅行記です
前回↓
開始1分の遭遇
「おや、さっそく」
北海道3500をスタートして開幕1分の出来事です。距離を稼ぐ目的でノシャップ岬方面へ北上しはじめて即、路肩に見慣れた茶色い生物を視認しました。
奴です。
奴は道内をドライブするうえで非常に厄介な存在であり、夜間早朝を中心にいきなり車道へ飛び出してくるためその度に肝を冷やされます。
現に私には稚内に引っ越してきた年に奴と1戦交えた結果、社会人初ボーナスを丸々もっていかれたという苦い経験があります。
今回の旅では夜間走行しなくてはいけない日程が多いので、できればもうその顔を見たくないと願い、アクセルを踏み込みます。
宿敵に見送られながら稚内の中心部を脱出し、ノシャップ岬に着きました。ここの岬に佇む稚内灯台は、日本で２番目の高さを誇ります。
高さ42.7mあります。
ここからはひたすら日本海沿いを南下していきます。小樽から稚内まで続く北海道の日本海側ルートは、通称「オロロンライン」と呼ばれる絶景ドライブコースで、その末端にあたる稚内→天塩間(道道106号線)はそのハイライトとも言える区間です。
…広大なサロベツ原野を突っ切る一直線の道と、無数の風車が美しいオトンルイ風力発電所、更には四季折々様々な姿を見せてくれる最北の名峰利尻富士。すべての情景が融合して非日常感溢れるドライブを演出してくれる最高の場所なのですが………？
オロロンラインは最高だ…ね？
出発時間から察してはいたのですが、私が18時30分頃にオロロンライン随一の見どころであるオトンルイ風力発電所の駐車場に滑り込んだ時、すでに辺りは真っ暗でした。ざんねん。
まぁ、この辺りは近所のようなものなので、いつでも来れます。今は先に進みましょう。
天塩から先は国道を走ります。遠別の市街地を過ぎてしばらく行くと、苦い思い出の場所に差し掛かります。
2019年の夏に奴と衝突した場所です。
オロロンラインは基本的に海沿いの道ですが、ところどころで海岸線を離れ山中を走ることになります。ここもちょっと内陸寄りの場所で、道の両脇が茂みになっています。こういった箇所では、いつも以上に感覚を研ぎ澄ませて野生動物の飛び出しに注意しましょう。
事故った時の体験談はこちら↓
尚も南へひた走り、留萌に到着しました。赤い看板が目印のお馴染みラーメンでお腹を満たし、小休止とします。深夜のドライブは、ラーメンを10倍美味しくします。ごちそうさまでした。
留萌からのルート選択は2通りあります。
無料の「深川留萌自動車道」に乗り深川から高速に乗るルートと、そのまま海沿いを南下し石狩経由で札幌に至るルートです。
この企画は基本下道なので後者を選択します。
かつての留萌本線終着の地、増毛を過ぎると、山地が海岸線までせり出してきて断崖絶壁となり、国道はトンネルと覆道、軽い峠道が連続する区間へと突入します。
この時間ともなれば北海道の郊外ではとっくに深夜も同然。前も後ろも対向車もほとんど来ないナイトドライブ。たのしい。
よく「1人の長距離ドライブは辛くないのか」と訊かれますが、個人的には全くもって辛くないです。
私は元々1人でいるのが好きな人間で、不器用なので2つ以上のことを同時にこなすのは得意ではありません。誰かと一緒にいるとそっちへ意識がいってしまってすべてが散漫になってしまいます。
だから自分が本当に好きなものに集中したい時は1人を選びます。
食事もそう。
旅行もそう。
何より孤独は気楽で自由です。
こんばんはそしてさようなら札幌
しばらくの間断崖絶壁の国道を走行し、道の駅あいろーど厚田を通過。眼下に石狩平野と札幌の灯りが見えてきました。
北海道は都市と都市の境界が明確で、それ以外の部分を大自然が埋め尽くしています。夜になるとその大自然はただひたすらに黒い闇となり、人の営みの輪郭を浮かび上がらせます。田舎の夜景はどこの街灯かりなのかが一目瞭然で面白いですね。
石狩川の河口に架かる長い橋を渡り、国道が幅を増して平坦になりました。道路脇にカントリーサインが見えます。
札幌の皆さま、こんばんは！
北海道一の大都市に到着しましたが、今回は素通りして銭函から国道5号線に乗って西進します。（当時はコロナ禍ゆえ、都市部はできるだけ迂回するプランでした）
昼間の札幌〜小樽間の下道は交通量が多く流れも早いのでドライバーの精神によろしくないのですが、深夜となれば別です。片側2車線の広い道路をほぼ独り占め。快適快適。これだけでも仕事終わりに走った甲斐がありました。
日付が変わってから小樽に到着。
深夜のオロロンラインを完走です✨
出勤日だったこともあって、流石に眠気が襲ってきます。前哨戦の0日目は元々このあたりまでの予定だったので、付近で車中泊としました。(つづく)
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