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BGM・ラウンジピアニストの役割

現代ではあらゆる場面でBGMがかかっており、あまり無音の場所というのはありませんね。
そのほとんどが有線放送を利用しています。
長年私が行っているBGMピアニストという仕事は、一旦その場でかかっている有線を切って生演奏をすることがほとんどです。
この“生演奏”には有線とは違う魅力があります。
さて、それはなんでしょう?




BGMピアニストの役割

BGMピアニストとは、BGMつまり背景音楽を生演奏で行うピアニストです(そのままですね)。
演奏によって場の雰囲気を作る役割があります。その結果、居心地が良くなりその場の滞在時間が伸びて販売促進に繋がります。

ひとえに居心地を良くすると言っても
・場所
・時間
・年齢層
・性別

・その場の利用目的
などによって選ぶ曲が変わります。その選曲センスも非常に重要になります。
曲の選び方や客層の見方などは後日記事にしますね。

また弾く場所によってはピアニスト自身がお客様を呼ばないといけない・罰金がある・シフトに入れない、などという条件がありますが、できればライブやコンサートに集客を集中させたいので分散は避けたいですね。



有線放送と生演奏の違い

有線であれば流行りの曲を自動で流してくれ、尚且つ有線放送の会社にだけお金を払えばいいので、使う側も非常に分かりやすいです。
ではなぜ有線ではなく生演奏を入れるのか?

  1. パフォーマンスとして華やか

  2. 現場のリスナーと距離が近い


パフォーマンスとして華やか


まずひとつめの『パフォーマンスとして華やか』というのは、やはり演者がいてステージタイムがあるラグジュアリーな空間を演出しています。
例えばお料理でいうと、キッチンの中で作ったプレート料理を出されるだけと、目の前の鉄板でフランベしてくれるパフォーマンスとでは【目で見て楽しむ】というエンターテイメント要素も強くなります。(どちらが良いとか悪いとかではなく)

また最近は少なくなりましたが、銀座の一流クラブではピアノの生演奏がありますね。
やはりプロを呼んでその空間を利用しているお客様をもてなす意味があると思います。



現場のリスナーと距離が近い

ふたつめの『現場のリスナーと距離が近い』というのは、演奏現場に自ら行くことにより
・お客様の反応をダイレクトに感じられる
・お客様に合いそうなBGMを選曲できる
・リクエストなどでコミュニケーションがとれる
というメリットがあります。

最近の私の話を例にあげると、ホテルのラウンジ演奏をしている時ピアノの近くに外国人の男性3人が座り、イギリス英語で話していました。年齢層は38-48歳くらい。ぱっと見たそのデータに合わせてセットリストを変えました。
そうしたら面白いことに、ピアノ演奏の休憩中にそのうちの1人が『さっきの曲はとても良かった!僕はディズニーソングが大好きなんだ!!(英語で)』
と話しかけてくれました。
この時弾いたディズニーソングとは、映画【リトルマーメイド】の実写に合わせて最近作ったプチメドレー(海の底で、アニメ版オープニング、Part of your world)です。
あ、そっち⁈と思いながら次のステージでもランディ・ニューマンの曲などをセトリに入れておきました。
このようなお客様とのやりとりは現場ならではのアクションですね。


まとめ

以上に挙げたように、ただ元気な曲を弾いて雰囲気を明るくするのではなく、ラグジュアリーな空間の一部であり、現場主義であることがBGM・ラウンジピアニストの役割だと思います。
是非参考にしてみてください。





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