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2000字のホラー「うちのカレー」

「2000字のホラー」「うちのカレー」ダブルで出すつもりで書き上げましたが、書き終わった段階で「コンテストタグは一つまでしかつけられません」のエラーがでてテンション爆下がり状態です。

今回は志向を変えて「小説」に挑みたいと思っています。

実はあこがれだったんです。

ホラーが特に好きで、映画とかはよく見るのですが、「文章だけで恐怖を演出する」ってすごいことだなーと思ってました。

ということで始めてみます。
処女作なので、お手柔らかにお願いします。
「怖くねーんだよ!」とか言われることの方が怖いです。

イントロ

あれは昨年か、一昨年か、はたまた3年前の秋ごろでした。
秋ごろだったでしょうか?
夏だったかもしれません。

巷では「呪いのカレー」というものが都市伝説として出回っていたのを覚えてらっしゃる方も多いかもしれません。

Aメロ

都市伝説なんて、「こっくりこっくりさん」とか「トイレの花子さん」とか「口裂けまくり女」とかぐらいで、昭和の産物だと思って小ばかにしていました。

令和の時代に通用する怨霊なんて貞子と伽椰子ぐらいしか思いつきませんし、リングも呪怨もいわばフィクションです。

どうでもいいけど「伽椰子」って予測変換で出ないんですね。
AIが普及しきってない感あります。

どの怨霊もデジタライズができていません。

怨霊業界の課題、いわばKGIですね。

しかし、「呪いのカレー」はマジのガチでやばいという情報が幾度となく耳に入るのです。

サビ

このころは、噂ベースでしか聞いていませんでしたが、「呪いのカレー」を食べた人が「駐車場で車に轢かれた」とか、「クレーマーに刺された」とかいう話はよく聞いていました。

まあ信じていなかったので「へー、そう」としか返しませんでした。

話し方をもうちょい勉強しておくべきでした。

あまりにもわたしが話を信じないので、「呪いのカレー屋さんに行ってみよう」という運びになりました。

正直、行きたくはなかったですね。少食なので。

Bメロ

行く前には徹底したリサーチが必要です。
信じてはいないのですが、万が一があるためです。

なのでGoogleマップで住所とルートと口コミとレビューを参考にすることにしました。

そこでわかったのですが、なんとレビューが星5つしかついていません。
口コミも768件と異様に多いという状態でした。

これは正直「やってるな」と思いました。

口コミのお願いして、割引かなんかするのは実はGoogleの規約違反なのです。

まあバレない反則は高等テクニックなので、あまり気にはしませんでしたが。

サビ

実際に行ってみる日になりました。

一緒に行ってくれる勇気ある人は順一くんという男の子です。

順一くんも事前のリサーチ力が高く、ググってきてくれていましたが、情報が不自然にポジティブなものばかりでした。

  • 「おいしかったです♪また来ます」

  • 「店員さんの接客が感動しました!」

  • 「綺麗な内装でデートにピッタリです☺」

みたいな。

ここまで不自然だと逆に不安になります。
わかりやすく言うと、ノルアドレナリンが過剰に分泌されている状態です。

車で20分ぐらい行った所にありました。
どこから20分からは呪われたら怖いので伏せさせていただきます。

到着したのでいざ入ってみます。

間奏

店内は確かに綺麗でゴシック調のインテリアやなんかよくわからないアクセサリーなんかが異様にたくさん飾ってあります。

客席はまばらでしたが、ワンオペしてるのか、店員さんがなかなかきませんでした。

少し待っていると申し訳なさそうに
「I'm so sorry…You wait a long time. I cannot do my operation」
と謝ってきました。

正直英語で来るとは思っていないので、恐怖を覚えました。

怖かったは怖かったですが、これぐらいでは都市伝説にはならないはずです。

まさかこれで呪い終了ではないよなと思いながらメニューを開きました。

カレー専門だけあってカレーしかありませんでした。

しかし、露骨にアイキャッチされている写真が掲載されていました。
重課金の広告かと思うレベルでした。

そのメニューは「内野カレー」というものでした。

さすがにここまで広告されると頼むしかない雰囲気になるので、「内野カレー」を注文しました。

まだ1665文字。。。

心の声が漏れてしまいました。
お詫び申し上げます。知らんけど。

ラストサビ

内野カレーを注文する際に、「Why did you name Uchino carry?」と聞いたら、「私、内野聖陽さんの大ファンなんですよね」と返されました。

日本語喋れるやん。。。と思いながら内野カレーを待つことにしました。

約1分後という驚異のスピードで出てきました。

なぜそんなに早くできるのか聞いてみると、ほとんど内野カレーしか注文されないので大量に作り置きしているとのことでした。

また、これだけ話しかけていると自然とまあまあ打ち解けてきます。

その人の名前も出していいとのことだったのですが、本名は
「االأولمبية الشتوية」さんという方でした。

中田花奈さん似のキレイな顔立ちの方です。

後奏

後奏カット派ですが、今回はやりとげます。

「呪いのカレー」と言われていることは知っているのか聞いた所、「のろいの嫌いなんですよね。だからあえて呪いのカレーで売り出してた時期もあったんですよ」との返答を頂きました。

さらに続けて、「食べるののろい人は呪ってます」と言い残して消えていきました。

気が付くと店もاالأولمبية الشتويةさんもいなくなっていました。

あれはなんだったのか今でもわかりません。
#2000字のホラー #うちのカレー

基本的にふざけてます。たまに真面目になります。ギャップ萌えです。