ある男の手記
失敗した、そう言わざるを得ない。初めは、小さな違和感だった。多くの人が、抱えるだろう違和感。それが突然、デカくなりやがった。だから、見過ごす事なんてできなかった。俺は行動に移した、そこまでなら誰もが拍手喝采だろうよ。だがここからは嘲笑モンだろうサ。口から血が流れる、嫌な汗が流れだすそれに俺は恐れ戦いた。これを、多くの者たちは経験したのか。だが、甘んじて受け入れるしかないのだ。これは、俺の怠惰な性格が招いた事態なのだ。これは、俺の不摂生が招いた事態なのだ。だからこれを読むものは、俺の二の舞を
「お豆腐サーン!受付まで来てくださーい!」
「はい」
「何を書いていたんですか?」
「日記を少々…」
「歯石除去をそんな迷宮で罠にかかって死んだ冒険者みたいに書く必要はどこに?」
「ぬぐっ…」
「料金は○○○○円になります」
「はい」
「次回の診察は○曜日の○時からになります」
「わかりました」
「ソレデハオダイジニー」
「はい……はあ…もっと頑張って歯を磨かにゃいかんな…下の前歯が少しばかしスカスカしよる…」