2019映画ランキング

年末恒例、頼まれてもいないのに映画ランキングをつける戯れを始めるよ〜。
今年は「映画だけが寄り添ってくれたぜ2019」みたいなランキングになりました。

・対象は映画館で観た新作

・わたしが感情が揺さぶられたかどうかで判断

・「わたしが推さねば・・・!」と使命感に駆られた作品も上位にしてしまえ

というルールで今年のマイ鑑賞作を数えたところ、53本でした。例年より少なめ。ちなみに自宅鑑賞作、映画館鑑賞の旧作が9本(とゲームオブスローンズ途中まで)。

まずは10位まで羅列します。

1位 マリッジ・ストーリー

2位 ロケットマン

3位 きみと、波にのれたら

4位 グリーンブック

5位 スパイダーマン:スパイダーバー

6位 ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド

7位 ひつじのショーン UFOフィーバー!

8位 バンブルビー

9位 女王陛下のお気に入り

10位 愛がなんだ

特別枠:「アベンジャーズ/エンドゲーム」

まずアベンジャーズエンドゲーム。優勝です。優勝なんですけど、過去20作超のMCU作品込みでの優勝なので、これをランキングに入れるのは違うかなと思い特別枠とします。やー、全部観たご褒美をもらったような大作でした。宇宙サイズの大きな風呂敷を、細かいキャラまで全部拾ってきちんと仕上げて偉かったなぁ・・・。偉かった大賞です。社長、ソー、キャップの三者三様の落着には納得だし、戦闘シーンもあれだけ大人数なのに見やすくてきちんと組み合わせやグルーピング、立ち振る舞いまで考慮されたもので熱かったですね。

1位 マリッジストーリー


今年もアダム・ドライバー作品を上位にしてしまったねぇ。監督自身の体験を題材にした離婚もの。離婚ものなのにマリッジ・ストーリーってタイトルなんだなぁと思ったものですが、鑑賞するとよく分かる。これは結婚の話だ。

アダム・ドライバー演じる夫とスカーレット・ヨハンソン演じる妻の離婚協議で、穏便に調停するつもりだったんだけど、弁護士を挟んだことからどんどんこじれていくという話。こじれていったことで露呈する二人の結婚生活の本音が主題って感じでしょうか。

口げんかのシーンとか生々しい。監督自身の体験を元にしているから夫側が生々しいのはわかるんだけど、妻側もリアルなのがすごい。監督、咀嚼したんだなぁ…とかしみじみしてしまう。離婚の話なんだけど、逆説的に結婚って小さいことの積み重ねなんだなぁと思う作品です。

meToo運動やら女性の自立やらが叫ばれて、でもそれすらもう過去の価値観で。一歩先の個人の生活や価値観について考え始めた時代の映画だなと感じています。それも今年らしいなと思い1位にしました。

2位 ロケットマン

エルトン・ジョンの半生記。誰からも愛されなかった彼のセルフセラピー的ストーリーです、泣ける。ミュージカル仕立てで名曲の良さがよくわかるし、ちゃんと歌も当ててるタロン・エガートンはすごいね?!

孤独で寂しくて煌びやかな人だったんだなぁ、エルトン・ジョン。その半生と、相方との悲しい関係から生まれる名曲に泣いてしまう・・・。

3位 きみと、波にのれたら

大好きな湯浅監督の最新作。サーファーの女の子が、恋人の消防士を海で亡くして海を見られないくらい憔悴。でも水の中に死んだはずの恋人が現れて・・・という話。

これは泣いた・・・。自分だけが過去に留まってしまって、周りはみんな未来に進んでいく孤独。進むのが正しいと分かっていても、進んでしまうと消えてしまうものがあって受け入れられない辛さ。そんな人を包みこむシビアで優しい話だと思いました。
湯浅監督らしい、デフォルメされたクライマックスも最高です。

ちょいまとめ

3位まで書いてみて、今年ベスト10に選んだ映画はどれも個にまつわる、そんな映画が多いなと思っています。ていうか映画ってそもそもそうなんだけど。パーソナルなエピソードこそ普遍的に感じるところがあるみたいなカルチャーなんだけど。ただ今年は特にそういったもの多かったし、わたしに響いたのが多かったもので。

meTooやマイノリティの動きがあって、その終着点って究極的には「みんな違うけどそれでいいじゃん」だと思う。(だといいねと思う、というか)
他人同士が生活の中で尊重し合うのって難しいね、が1位のマリッジ・ストーリー、自分自身の個をまずセルフセラピーしていくのが2位のロケットマンという順位にしてみました。

わたし自身復職と息子の看病とでそこそこに心が荒んでおり、「頼むからほっといてくれ」→「誰か黙って話を聞いてくれ」→「やっぱいいです!!!」のループでした。映画が味方してくれたので元気です。映画って本当に良いものですね。

4位の「グリーンブック」。人種云々の前にⅠ人の個別の人間として相対しようという本作がアカデミーで評価されたのはいい時代だなぁと思いました。そんな背景を持った二人の関係性がとても素敵で、これが実話というのは胸を打つね。

5位の「スパイダーバース」はもう映画というより、動くアメコミというひとつの芸術ジャンルだったのだけど、たとえ(ユニ)バースのなかで孤独だったとしてさえ理解してくれる人はどこかにいる、というのがまた泣けます。やー、各場面美しかった。

6位、ワンスアポン〜はわたし不勉強にも例の題材の事件を知らなくて、結果調べてからもう一回見たよトホホ。でもその分、2人の関係性が胸にきたので。

7位 ひつじのショーンはわたしの大好きなストップモーションアニメ。宇宙人が出てくるのが発明で、いままで「いかにコマ送りでリアリティと実在感を出すか」が勝負だったこのジャンルに、ひとつでかいフィクションを放り込んでるのがフレッシュ。作中に「その辺にあるもの(ボールとか)をつかって模型的に説明するシーン」と、「ものづくりのシーン」が出てくるのがメタ的で大変良かった。ストップモーションアニメを作ってる人の説得力があった。

8位 バンブルビーは2017マイベスト2、KUBO1の監督作。バンブルビーの存在感?実在する感?と、あのトランスフォーマーが少女の成長譚を絡めてきっちりした話になっていた点がすごい。

9位 女王陛下のお気に入り 大好きなヨルゴス・ランティモス監督が評価されて嬉しい!みんなこのラスト切れ味系監督を味わってほしい。監督自身のやりたいこと(割と突飛)を品よくキレッキレにまとめてくる最高の監督です。今回も然り。

10位 愛がなんだ 邦画に求めているのは「自分の生活との地続き感」なんですけど、愛がなんだは地続きなのに、共感できるところもあるのに、まったく共感できない価値観を突きつけてくれるから感動した。忘れられない。

ランク外のプロメアもそうなんだけど、全然違う二人がお互いを変えようとすることなく共闘するのとかも熱かったですね。アナ雪2もこのマイトレンド的に見たかったんだけどなぁ。みんなと違うままいていいよ、だけではだめなのでは?という話だそうで。

途中にも書いたように、多様で孤独な時代の予感と、自身の環境もあって個に着目したランキングになりました。去年ボヘミアンラプソディを撮ってた監督が今年ロケットマンって、象徴的だと思うんだよなぁ。
ワンス・アポン〜のクリフ(ブラピ)よろしく、他者との関係では「努力してる」といきたいし、女王陛下の〜のアビゲイルよろしく、「わたしはいつも自分自身の味方」でいきたいものです。

以下、52位まで。

11位 ジョーカー

12位 アンダー・ユア・ベッド

13位 プロメア

14位 クリード2

15位 スパイダーマン:ファーフロムホーム

16位 ヒックとドラゴン 聖地への冒険

17位 バイス

18位 トイ・ストーリー4

19位 ベン・イズ・バック

20位 旅のおわり、世界のはじまり

21位 ハウス・ジャック・ビルト

22位 マーウェン

23位 エイス・グレード 世界で一番クールな私へ

24位 スター・ウォーズ スカイウォーカーの夜明け

25位 ジョン・ウィック パラベラム

26位 ビューティフル・ボーイ

27位 アメリカン・アニマルズ

28位 運び屋

29位 ファーストマン

30位 ギルティ

31位 新聞記者

32位 凪待ち

33位 サスペリア

34位 蜜蜂と遠雷

35位 イエスタディ

36位 真実

37位 キングダム

38位 トールキン

39位 シンプル・フェイバー

40位 ミスター・ガラス

41位 アクアマン

42位 ワイルド・スピード スーパーコンボ

43位 ライオンキング

44位 シークレットヴォイス

45位 名探偵ピカチュー

46位 ボーダー

47位 ある少年の告白

48位 モーストビューティフルアイランド

49位 キャプテンマーベル

50位 ゴジラ キング・オブ・モンスター

51位 ダンス・ウィズ・ミー


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