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電話嫌い

きっとどんなにSNSが発達してもなくならないであろう、電話。
私はとてもそいつが苦手、というか嫌い。小さい頃からずっと嫌い。克服する目処が立ちそうにないけれど、そいつはどんなに今後SNSが発達してもなくならないような気がするから、私が折れるしかない。せめて、電話が嫌いな理由ぐらい書き連ねたって、バチは当たらないだろう。

小さい頃は固定電話が恐ろしかった。

お前は誰だ。
固定電話の1番恐ろしいところは誰がかけているのか分からないところだ。最近は登録した番号ならば誰がかけているかわかる仕様になっているらしいが、私の家の電話はそうではなかった。知っている人か、品物を売りつける人か、見ず知らずの人からの間違い電話か、検討つかないまま受話器なんて持ちたくなかった。最も困るのは留守番しているときだ。留守番中は母から心配の電話がかかってきたものだ。しかし、母からだと思って取った電話から知らない大人の声が聞こえた時には体が固まってしまう。今はそこまででは無いものの、嫌で仕方がない。


今では固定電話を使う機会はほとんどなく、電話といったらスマホでかけることが主流だ。それにより、誰からか分からない電話というのはほぼなくなった。しかし、電話相手が分かっても電話嫌いが治っていない。

急に鳴りだす。
基本電話は約束なしに急にかかってくる。私は予定が決まっていないことととても不安を感じる。例えば休みの日なんかはやりたいことを事前に決めていないと行動できない。そんな中で、相手の急な思いつきで電話されたら驚いてしまう。伝えたい時に瞬時に伝えられるのが電話の利点だが、私にとってはあまり嬉しくない。

空気も受話器越しに届けてくれ。
電話というものは何を話すか電話を取るまで基本わからない。例えば仕事仲間なら仕事のことだろうと推測できるが、友達やサークル仲間の場合、暇つぶしなのか、重い相談なのか、事務連絡なのか、判断がつかない。対面ならその場の雰囲気でわかることもあるが、それができない。私と相手の置かれている環境や直前の行動がわからないため、同じ空気感で話ができない。相手にとても辛いことがあって私に一刻も早く相談するために電話したが、私はとても上機嫌で何も知らずに電話に出て「今、相談受けても親身に話聞けないなぁ」という状況だって有り得る。
せめて、通話の画面が表示されたら【暇つぶし】や【緊急】、【業務連絡】などと表示してほしい。ちゃんと空気合わせるように努力するから。



改めてなぜ電話が嫌いなのか考えてみると、私は電話そのものが嫌いというより、電話の持つ性質が嫌いなのだと分かった。身元や電話をかける目的が事前にわかっていると安心して出られるし、ついでに電話すると決まっている場合は事前に言ってもらえると落ち着く。
電話嫌いは治らないかもしれないが上手く付き合っていくことはできる気がしてきた。

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