宇宙の産み落とした私生児

占星術師とよかわの西洋占星術について考えるnote

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金星はどこへ行くのか/フェミニズム占星術序論

 私が初めてフェミニズムに触れたのは、14歳のとき、田嶋陽子さんの著した「ヒロインは、なぜ殺されるのか」という本を手にとったときだった。  およそ18年ほどたって、私はささいなきっかけで西洋占星術に興味を持ち、学び出すはこびになった。  一見正反対なんじゃないかってほど、この二者は遠いもののように思える。  でも、ひたすら自分のことを掘り下げて心や体の性質に向き合い、調べることができるこの占星術というものを、私はまずセルフケア、セルフカウンセリングのツールのように受け取った

    • モダン占星術の意義

       書評を見てわかるように、最近、伝統的占星術にのめりこみ、ホラリーの技法を本やサイトを見て勉強しています。  知らないことが本当に次から次と出てくるし、リーディングもかなり厳密。占星術を知ったばかりの頃は、あいまいでアバウトなのが魅力だなあと思っていたけど、それはあくまでモダン占星術に限った話のようでした。  ネイタルは読めるけどホラリーについてはちんぷんかんぷんという人は、どんな流れかひととおり知るには、朝比奈ジュン氏の初学者向け指南サイトが役に立つと思う。 https:

      • お前など誰も愛さない。だけど/フェミニズム占星術序説②

        境界例人格障害という病気(障害)は、自分はそのままではけっして誰からも愛されないと思い込み、人に愛されるためになりふりかまわずしがみつき、絶えず人からの愛を試すのが特徴とされる。  私が大体10代の頃、世に人格障害ブームのようなものが起こり、本がたくさん出たり言及するWebサイトが多かったりして、私も知識としては知っていた。しかし、不思議な気分になったのを覚えている。何故なら、女性に生まれたなら誰だって、人に好かれ愛される努力をしないと駄目だ、そうしないワガママで傲慢な女は存

        • 【感想・書評】河内邦利著「星の階梯Ⅰ」(カクワークス社)を読んだ

           2018年発行、河内邦利著「星の階梯Ⅰ」を読んだ。  著者はジョン・フローリーに師事し、イギリスで西洋占星術を学んだ人。現在はホラリー占星術を中心に実占やセミナーを実施しているようだ。この本は、おもに、17世紀以降のモダン占星術からは失われてしまった伝統的占星術のエッセンスを詰め込んだ入門書的な位置付けの本だろうか。  カクワークス社は自費出版(協力出版?)の会社で、言っては悪いが造本に関してはそれなりの粗い仕上がり。本文用紙はつるっとしたファインコート紙にオンデマンド印刷

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        金星はどこへ行くのか/フェミニズム占星術序論

          【感想・書評】いけだ笑み著「ホラリー占星術」を読んだ

           いけだ笑み先生の書いた「ホラリー占星術」(説話社、2009)を読んだ。  ホラリーに興味を持ったのは前回読んだ「ユングと占星術」(マギー・ハイド)の中でその技法が多様されており、ハイドが「ユングはホラリーを軽視したから、シンクロニシティ理論の確立に誤謬を含めてしまった」というようなことまで言っていたからです。  ホラリー占星術とは。  ネイタル占星術では、生年月日からチャートを立てるけど、ホラリーでは質問が発生した瞬間(占星術師が質問を理解した瞬間)のトランジットでチャ

          【感想・書評】いけだ笑み著「ホラリー占星術」を読んだ

          自己紹介

          名前:とよかわ、アストロとよかわ 84年生まれ。フェミニスト、占星術師(専門:西洋占星術、心理占星術) ホラリー占星術勉強中。 フェミニズムと占星術の融合を目指しています。 占星術以外にも神秘思想、オカルティズム、陰陽思想、東洋思想、仏教、民俗学、ジャニーズなどに関心があります。 同じ内容ですけどはてなブログも持っています。https://astrotoyokawa.hatenablog.com/ 鑑定依頼、問い合わせはastrotoyokawa@gmail.com

          整理魔になりたい/魚座的欠点を克服して健康になった

           松村潔氏が、魚座(魚サイン)を鍵のかからない部屋にたとえていたのだけど、太陽・金星魚、ついでに1室海王星、ノー・アスペクトの木星の私は比喩でなく実際に家に鍵をかけるのが苦手だ。部屋の鍵があいている状態が好きである。ストーカーが勝手に部屋に入ってきてしばらくはきちんと施錠していたけど、本当にめんどくさくて気が向かなかった。  部屋の鍵だけじゃなくすべてをきちんとしめない。バッグの口とか、ポーチの口とかもそうだ。半開きとか、ちょこっとあけとくのが好きで、くせになっていて、そのせ

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          【感想・書評】マギー・ハイド著、鏡リュウジ訳「ユングと占星術」を読んだ

           この記事の構成  1 まえがき  2 各章の要約  3 わたしの感想  1 まえがき   青土社刊、新装版「ユングと占星術」(マギー・ハイド著、鏡リュウジ訳)の二度目の通読を終えた。原著は1992年、旧版は1999年、この新装版は2013年刊である。  正直に言って、かなり衝撃的というか、想像を絶することばかりの内容だったし、著者のスタンスや主旨など予備知識のないままだったので、一度読んだだけでは内容をうまく把握できず、ノートを取りながら再読することでやっと飲み込めた。

          【感想・書評】マギー・ハイド著、鏡リュウジ訳「ユングと占星術」を読んだ

          どうして、母は私のオナニーを見張ったか

           月/冥王星アスペクトを持っている女性の多くと同じで、私も母親と心理的に融解した関係が長く続き、長年、苦しみ続けた。  両親と兄がひとりの一軒家のなかで、私は一家の精神的下女だった。思い返すと、大人がいなくて、こどもが4人だけの、異様だが珍しくもない家族だった。  大人になりきれてないのに子を持った人間に典型的な行動なのが、子が幼いうちは熱心にかまって、友達同士みたいに遊ぶ。おもちゃも服も買い与える。それは彼ら自身の満たされなかった子供時代のやりなおしを子供を使ってかなえて

          どうして、母は私のオナニーを見張ったか

          【感想・書評】「占星術とユング心理学」(リズ・グリーン著、上原ゆうこ訳、鏡リュウジ監訳)を読んだ

           原書房刊、「占星術とユング心理学」(リズ・グリーン著、上原ゆうこ訳、鏡リュウジ監訳)を読み終えた。  心理占星学はユング心理学と伝統的占星学を後世の研究者が融合させたものだが、これを学んでいる者には、ユング自身が占星術・占星学に大変な興味を持って実験や研究に没頭していたことはほぼ常識である。  しかしながら、ユング研究者やユング心理学が専門の分析家の手によるユング解説本や評伝、伝記などをあれこれ読んでみても、彼らは不自然なほどユングの占星術への傾倒に言及しない。ユング自身

          【感想・書評】「占星術とユング心理学」(リズ・グリーン著、上原ゆうこ訳、鏡リュウジ監訳)を読んだ

          ついに、ドッペルゲンガーと出会う

          忘れがたい印象的な夢を見ることはそうそうなかったが、ユングを本格的に学びだしたとたん、急に心に残る夢をあれこれと見るようになった。なかでも、これこそ私のシャドウだと分かるような人物が出てきたのは、事件に近いような、衝撃的な出来事だった。  シャドウとはユングの提唱した用語で、ペルソナと対になるもの。自分が深層意識に抑圧している人物像であり、それゆえシャドウを体現する他人と遭遇すると、投影がはたらき、その人物を激しく嫌悪をする。いわば精神的なドッペルゲンガーであり、詳細は以下

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          月星座もしっくりこない時の理由

           こんにちは、お久しぶりになってしまいました。占星術師のとよかわです。 《前提》  西洋占星術における基礎中の基礎ですが、通俗的な「星占い」で使用される「星座」は、正確にいえば出生ホロスコープにおける「太陽サイン」(太陽の位置)です。  太陽サインはおもに「その人が青年期以降に自己実現をめざす方向性」「ペルソナ(社会的仮面)」を示すので、パーソナリティーそのものを指すわけではありません。なので、太陽サインだけ「おひつじ座さんはせっかち、おうし座さんはのんびり屋さん」などと言

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          【感想・書評】パンタ笛吹・真弓香共著「アガスティアの葉の秘密」を読んだ

           今回は古い本の書評です。占星術そのものの書籍ではありませんが、深く占星術に関係しているので、このブログでとりあげます。  「アガスティアの葉の秘密」パンタ笛吹・真弓香共著 たま出版 初版1995年5月  まず、「アガスティアの葉」について説明します。これはインドの聖アガスティアなる聖人が3000年ほど前に書いたといわれる葉で、アカシック・レコードのように人間の一生のすべてが記載されている、とされています。  全人類ですと膨大な量になるので、アガスティアの葉を見に来る運命

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