占星術で時期予測マニュアル:離婚編

前回の結婚時期について書いた記事は、機械的なマニュアルになってしまった気がします。単純に正確なアスペクトができていたかどうかというよりも、天体とサインの象徴から意味をもう少しきちんと読んだほうがいいと反省しました。

今回例に出すのは、とんねるずの石橋貴明氏。ネットに出生時間の情報がありました。

画像1

ハウスシステムでずれる天体のハウス

前回はホールサインハウスで表示しました。今回はコッホです。

コッホはプラシーダスのように時間基準でハウス分割をしたものですが、プラシーダスよりも、ハウスの大きさの偏りが少なくなるように調整されています。

ホールサインとコッホで同じハウスに入る天体もあれば、一つか二つハウスがずれる天体もあります。こういう場合、ずれがある天体は両方の解釈の余地があると思われます。

この例では、牡羊座の月がコッホでは4ハウスですが、ホールサインでは5ハウスになります。石橋氏の奥さんだった鈴木保奈美さんは、結婚と同時に家庭に入り、芸能界の一線から退いたので、これは月が4ハウスのイメージに重なります。

しかし、鈴木保奈美さんは芸能人だし、仕事を辞め、子育てをしながら好きなことをしていたとすると、これは5ハウスの月でも違和感はありません。

隣のハウスに移ることは経験の推移を表しているという点では、両方のハウスの性格が天体に活用されているように見えるものおかしくはないと思います。つまり、ハウスの明確な境界はあるようでないので、両方の意味がミルクレープのように重なって見える。象徴、非物質の世界を扱うシステムにおいては、そもそもそういうものだと言ってもいいと思います。

月と7ハウスのルーラー

妻を表すのは月です。結婚は7ハウスに分類されます。

まずは、ネイタルで基本的な構造をチェックします。

先程書いたように、月は4ハウス。つまり、妻は家にいて、家のことをきちんとしてくれる人というイメージを持ちやすいです。10ハウスの金星とオポジションなので、家で大人しくしている妻と、華やかな世界で目立っている女性のイメージが対比され、落差を持っています。

月と金星はスクエアでなく、オポジションなので、仕事と家庭を両立することは実際には難しくないのではないかと思いますが、金星は夫である自分が受け持ち、月は妻に任せ、役割を分担したということでしょうか。

結婚した1998年11月のプログレス図では、妻を示す7ハウスのルーラーである水星が12ハウスに入っていて、世間から隠れる時期に入っています。

ネイタルでは水星は11ハウスなので、奥さんとは友達関係に近いです。さらに水星は太陽とコンジャンクションなので、仕事で共同します。鈴木保奈美さんは自分が社長を務める事務所に所属しています。

加えて、水星は木星(2ハウス、山羊座)とスクエアなので、活発に働き、収入を得ることとは対立しますが、木星と4ハウスの月はセクスタイルなので、自分が収入を得ることが、家庭生活をスムーズに支えることになっています。

ちなみに、このケースでの妻を表すプログレス水星は、昨年末山羊座に移動していますが、妻が仕事を始める社会復帰することを示しています。

プログレスとトランジット

画像2

プログレスの月は7ハウスに入り、結婚やパートナー関係に焦点が当たりはじめています。

ディセンダント付近にノースノードもあります。ノードは基本的に逆行し、かつ18年で一周するので、ノースノードはすでに1年以上7ハウスに滞在していたことになります。つまり、結婚、パートナーに関する新しい縁、展開が強調される時期にありました。

プログレス太陽は、1ハウスかつ射手座の終盤にありますが、山羊座という社会的な立ち位置を明確にし、区切りをつけることの前段階にあります。

すでに山羊座入りしているプログレスの水星は、妻の社会復帰と書きましたが、トランジットの木星とセクスタイルで、それを援助しています。

さらにプログレス水星は、家庭のハウスにあるネイタル月とスクエアなので、家庭に収まっていたところから、社会に出ていくことの対比を強調しています。

天王星

離婚のタイミングでは、別離や独立の天王星に注目したいところです。

ネイタルで7ハウスのルーラーの水星は、天王星とセクスタイルですが、妻との近すぎず、距離感を保った関係であることを示しますが、プログレスで逆行中の天王星がネイタル水星と正確なセクスタイルに近づきつつあります。

加えて、プログレスの水星、天王星はトラインになっています。両方ともソフトアスペクトなので、強い痛みを伴う別離ではなく、途切れそうであったものを、スムーズに切り離すような印象です。

プログレス太陽は、ネイタル天王星と正確なトラインの時期で、心機一転独立するという意欲を刺激されています。

よりみちして、収入に関すること

長寿番組の「みなさんのおかげでした」が終了した2018年には、トランジットの天王星が天秤座のネイタル太陽にオポジションの時期でした。

2ハウスにある木星、土星のコンジャックションは安定的な収入をもたらしますが、この時これらの天体に天王星はスクエアになっているため、レギュラー番組から継続的に多額の報酬を得るというスタイルが中断されました。

離婚のタイミングでは、プログレスの土星が、ネイタルの木星にコンジャンクションになっているため、収入、或いは出費が絞られていることになります。

またトランジットの冥王星がこれらの天体に重なっていますから、金銭の獲得に関して、これまでの形式を根本から覆す体験をする時期にあるということです。

新しく始められたYouTubeからの収入がどれ程のものかわかりませんが、トランジット冥王星が木星に重なったタイミングで、大きなお金が入ってきたのではないでしょうか。

天王星のトランジットは6ハウスにありますから、新しい労働環境に移行する時期ですが、2024年以降にこの木星、土星に対しトランジットの天王星は正確なトラインを作りはじめることになるので、新しい安定的収入源を見つけることができると思います。つまり、天王星のスクエアで一度中断されたものが、トラインで形を変えて回復されるということです。

クインカンクスは別離を示す?

150度のアスペクトであるクインカンクスは、別名インコンジャンクトと言いますが、これはメジャーアスペクトが形成されず、言わば見えない位置にある天体という意味で、インコンジャンクトと呼ばれています。

クインカンクスは異質な要素を組み合わせるということで、それには訓練や調整が求められます。

プログレスやトランジットとの関係で現れるクインカンクスは、異なる項目同士を結び合わせるというよりも、反対にそれらを切り離す作用があるという説があります。つまり、クインカンクスになった天体をキャッチするのではなく、リリースする場合もあるようです。

このケースでは、プログレスの海王星がネイタル火星にコンジャンクションしていて、これにプログレスの7ハウスの月がクインカンクス。海王星は4ハウスのルーラーなので家庭に関わります。

同時にトランジットのノースノードがネイタルの海王星にクインカンクスです。トランジットの海王星がICに重なっているため、家庭環境の従来の形式が溶解していくような印象が複数の配置から強調されています。

補足的にサビアンも

サビアンシンボルから、離婚を暗示するような傾向を読み取ることも可能だと思います。

プログレスのアセンダントは水瓶座3度で、海軍からの脱走兵、ですが、海軍を家庭と見てもいいわけです。集団から抜け出して、それまでできなかったことを意欲的にするのです。

7ハウスのルーラーで妻に関係するプログレスの水星は、山羊座2度で、3つのステンドグラスの内一つが爆破されている、というシンボルですが、結婚して家庭に入った妻というイメージを破壊したわけです。



この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?