占星術で時期予測:結婚(2)

ホロスコープを読むときに

これまでに書いた占星術で時期予測の記事は、Celeste  Tealという人の本を参考に書いていたのですが、この人の本を読んでいるうちに、全面的には賛同できないところもいくつか出てきたところがあります。

全体としていうと、読解に機械的な側面が強く、ビリヤードの球が連鎖するように、これとこれが重なるとか、アスペクトができるからこうなるとか、事後的に項目を結びつけていく読み方をしているということ。

この人の実際の鑑定はどうかわからないけど、本の書き方として、そういう無機的な要素が強く見えるということでした。

実際に占星術で人にアドバイスする時は、全体の状況から大きな流れを見ることが重要で、人生のサイクルとか天体配置がもたらす心理的な意味を生き生きと読み取れるようなものの方が面白いと思われます。

占星術というジャンルの研究にしても、細かい知識をいじくりまわすことに集中してしまうと、人間性を向上させること、人間だけでなく社会や世界に対する理解を深めていくことというより大きな目的から逸脱していきやすい傾向はあります。

なので当たり前のことですが、本を読んで知識を豊富に蓄えても、チャートの読解力が向上することはないので、多面的、総合的に物事を見ていく素養を養うことが必要になります。

専門家になるためには、もちろん細部に至る知識が必要ですが、細分化された知識を扱うには、それだけ統合的視点がなければなりません。それがなければ、射手座が欠けた双子座や、魚座が欠けた乙女座のように、無意味な分裂の繰り返しに飲み込まれてしまうように思います。

要するに、微妙な物事のありようを理解するためには、より広大な領域を見る力が求められるということで、例えば日本人の特性をより理解しようと思えば、外国人の特性も理解している必要があるということに似ています。

占星術や神智学では、内臓は惑星と対応していますが、内臓の働きを理解するときに、惑星について詳しくなるといいわけです。内臓は人間よりも小さく、惑星は人間よりも大きい。人間を間に挟んで、マクロなものとミクロなものの両方を知らなければならないと思います。

また結婚の図を例に

事後的にイベントの発生したタイミングから、天体のどういう作用が働いていたかを見るのも一つですが、日にちまで正確に予測するのは難しいし、それが求められているわけでもないのが実際だと思います。

であるので、ピンポイントのタイミングを見るというのではなく、その人の人生にとってその出来事にどういった意味合いがあるのかを大局的な視点で読み取っていくことにより大きな意味があります。

ところで、結婚や離婚を何度も扱うのは、ソーラーリターン図の太陽が7ハウスに来ているからだということに気づきました。

出生時間がネットで判明している新垣結衣さんを例にします。今年の5月19日に結婚発表されたようです。


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ネイタルでは、結婚の7ハウスに魚座の火星があり、ノースノードと合です。魚座なので、積極性は出にくいですが、ノースノードと重なっていることもあり、男性との縁は豊富です。ディープに話を掘り下げていく3ハウスの冥王星とトラインなので、パートナーとは深い会話ができます。

プログレスの火星は8ハウスにあるため、特定の男性との関係を深くしていく段階にあります。なおかつ火星は牡羊座1度に入っているので、非常に積極的です。蠍座の支配性を火星とすると、ICの家庭にも関連することになります。

恋愛に関わる5ハウスには、土星天王星のタイトな合があり、社会的立場や規範意識を壊すことにも結びつきやすい緊張感の高い状況にあります。これらは水星金星の合にもオポジションで関わるので、重なるように恋愛のスタイルに影響するわけです。

5ハウスの後半には海王星があるので、強い緊張、軋轢の後に恋愛に理想や夢を見るという流れになります。この海王星は9ハウスの月にトラインですから、のびのびと本でも読みながらリラックスするときに、楽しい空想をしたりしているかもしれません。

加えて、月には冥王星のオポジションがありますが、3ハウスの冥王星は精神的な不安定感を招きやすい配置です。それが月に関わるので、濃密な心情的な揺らぎやすさにつながります。それを癒すのはやはり海王星の空想です。

夫を示す太陽は、10ハウスで地位のある人になりますが、双子座の21度にあり、神経的な緊張が高まる度数です。双子座の分裂を促す性質はそもそも神経の負担になりやすいところがあります。このまとまりを壊していくようなストレスのある傾向は、5ハウスの土星天王星の合と符合するようにも見えます。

プログレスとトランジット

プログレスでは、11ハウスの蟹座において、新月が起こっています。家族のことで、将来を見据えた新しい展開が準備されました。これはトランジットの海王星とトラインで、夢に満ちています。海王星は変容する8ハウスなので、自分が一変することへの期待や幻想に支えられています。

新月が起こった蟹座22度のサビアンは「ヨットを待つ女」ですが、海辺から海の方を遠く眺めて、何かいいことがやってくることを期待して待っています。

この新月は、ネイタルの10ハウス木星とセクスタイルなので、社会的地位の上昇をサポートします。確かに、この結婚のニュースは、世間から祝福されていたという印象もありました。

トランジットの天王星は、ネイタルの月に合ですが、同時に冥王星とのオポジションを刺激するため、私生活における大改造が行われるということになります。天王星はパートナーの7ハウスの支配星であるため、パートナーとの関係によって、生活が一変してしまったということになります。

7ハウスにはトランジットの木星が入っているため、結婚をするときに幸運が舞い込みやすいタイミングです。

結婚は一般的に、幸福感や楽しさ、期待感に関係したイベントだと思うので、金星を見てみると、ネイタルの金星にトランジットの海王星がスクエアです。

この結婚では、海王星が目立つタイミングで行われたということもあり、とても楽しそうな雰囲気があります。現実的な事情や、義務感などがあって結婚したという風ではないのです。

これからどうするか

プログレスの月は11ハウスにあり、表立ったポジションから降りたくなる心境にありますが、トランジットでは発展力の木星と、立場の土星が社会的上昇期に入りつつあります。加えて、トランジット冥王星は6ハウスで過剰労働になります。であるので、これまで所属していた事務所を退所したという報道もありますが、実際には仕事はこれからも続けていくのではないでしょうか。


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