最初に買うべき望遠鏡は?

何度か「望遠鏡を買おうと思う」「望遠鏡をくれる人がいるんだが」と相談を受けた。

そこで、初心者向けの望遠鏡について考えを形にしておこうと思う。

以前、某公開天文台の関係者と話した際にもこの問題について話した。

その関係者の話だと、望遠鏡を買って、ずっと使い続ける割合は「20年経験してきて、1万分の1くらい」とか。

まあ、大袈裟な表現の気もするが、「使いこなせない」「出し入れが面倒くさい」「普通に使っていたら見られる天体が少なすぎて飽きる」と、使わなくなる理由は山積しているのだ。

その課題のいくつかを回避できれば、「1万分の1」とか言うような、脅威の低定着率を引き上げ、天文の世界に興味を持つ連中が増えてくれるんじゃないか?

5万円以上するような望遠鏡を勧めておいて使いこなせない確率の高さとか説明なくて、フォローの場もないとかなんて悪質商法?

というわけで、最近のオススメ機種はこれ!!

「ドン・キホーテで売っている安いの」

それ以上のもの買っても、使いこなせないことのほうが多いし、街中ではどうせ明るい惑星、月、いくつかの星雲しか見えない。

だったら、そういう安物でも、望遠鏡で見ている、というのが実感出来る程度には、見えてしまうのである。

趣味の入り口としては「興味あれば次を」を前提に5000円も出せば十分。
とにかく、望遠鏡に慣れるだけと割り切れば5000円でいいと思う。

5000円の望遠鏡でも土星の環とか木星の衛星とか月のクレーターとか見るのに使いこなせて、次のステップに行くなら、今度は少しお高いものになってしまうが、自動導入機能がついた望遠鏡で、飛躍的に見える天体を増やすのがいいだろう。

最初だからこそ、明るい星が入れられれば何とかなる自動導入で、いろんな天体を見る経験をしていくべき。

「自力で導入できなくなる」なんてことを言う人がいるかもしれないが、俺は「自分がやってきた苦労を若い連中は知らずに済むなんて、ムキーーーー」という老害の戯れ言だと思っている。

「自力で導入できるようになる人は最初機械使っていても自力で導入できるようになる、自力で導入できなくてこれまで望遠鏡使いこなせないで終わっていた人がこの世界に残れる」という新時代がやってきている。

まあ、ある程度のセッティングは必要なので、最初に上記5000円で「ある程度のセッティング」に慣れておくというオプションを行使するのがオススメである。
本来、初期のオススメ品が10万くらいしてしまうだけに、5000円はその適性チェックだと思っていただいて、上手く望遠鏡を使っていろいろ見る趣味が定着していくようだったら、翌月にでも、自動導入付きの望遠鏡を買ってしまえばいいのだ。

もしくは、望遠鏡を持っている施設で見せてもらっておけばOK、というのもアリな気もする。
ただ、低確率、ではあっても使いこなせてある程度興味を持った子は、それが将来人生が変わるような素晴らしい体験になる確率が極めて高いのが望遠鏡・顕微鏡の類でもあるため、なかなかおおっぴらにそういう推奨はしづらいんだよなあ。
個人的には「望遠鏡はウチに見に来てくれればOK」とかいいたいんだけれどなあ。

※いつもの投げ銭仕様です。
この下に内容はないよう!!

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