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[Episode.31] ヒップホップバンド「ヌッソン」

記憶が曖昧で時系列が間違っているかもしれないが、おそらく1997年の8月か9月あたりの出来事。

QKレコードにフラっと遊びに行った時に、フリースペースに置かれていたターンテーブルでスクラッチごっこみたいなことをやっていたら、QKレコードの社員の桂木さんから「まこりん、スクラッチうまいやん。」とのコメントがあった。

桂木さんは、がっちりめの体格で見た目はちょっと怖そうな感じの方だけど、めっちゃくちゃ優しくて面白くて気さくな方で、一緒にいるといつも笑いに満ちていた。

【写真:QKレコードにて1(左:桂木さん、右:僕)】

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【写真:QKレコードにて2(左からQKレコード横山さん、vinylworks富ちゃん、グラサン姿のughさんがちょこっとだけ映ってからの僕)】

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桂木さんとの思い出でなぜか一番記憶に残っているのは、1997年8月に菅野美穂のヌード写真集「NUDITY」が出版されるということを聞いて、「あ、あの菅野美穂が!!」と興奮し、神戸元町近辺のありとあらゆる本屋さんに「NUDITY」を探しに行ったが徒労に終わった・・・、という出来事である。

そんな優しいアニキ的存在だった桂木さんから、「まこりん、ヒップホップバンドやろうや~。」とお誘いを受けたのも、確か1997年の8月頃だったか・・・。

ヒップホップ・・・、特に好きでもなく嫌いでもなく、あまりこれまでの自分には縁の無いジャンルであったが、桂木さんのお誘いということもあり、なんだか面白そうなことになりそうだと思い、ふたつ返事で引き受けることにした。

メンバーは、桂木さんに加え、桂木さんと交流の深かったヌーヌのハーさんとケロちゃん、そして僕の4人。

ヌーヌとは、1995年に結成された、マルちゃん(ギター)、ケロちゃん(ドラム)、ハーさん(ヌーヌマシン:カシオトーン)の 女性3人組バンドである。

【ヌーヌ、デビュー20周年、奇蹟の初アルバム「UN-UN」ダイジェスト】
https://www.youtube.com/watch?v=P-GdYP_an3Y

我ら4人で結成されたヒップホップバンド名は「ヌッソン」。バンド名の由来は不明であるが、恐らく「ヌーヌ」の頭文字を取って、関西人独特のアダ名の付け方で「ヌッソン」としたと思われる。

それにしても、この時の僕の周りの「ヌ」で始まるユニットやレーベルの多いこと・・・。(Nu NuLAX NuLAN、ヌーヌ、ヌッソン)

「ヌッソン」は、桂木さん、ハーさん、ケロちゃんの3人がラッパーで、僕がDJ/トラックメイカーとなり、桂木さんがライムや演出を考えるなど、全面的なプロデュースを行うような役割であった。

桂木さんがとても楽しそうに取り組んでいるので、あまり縁のなかったヒップホップトラックもノリノリで制作していたような記憶がある。

ステージパフォーマンスについては、僕以外の3人は圧倒的に華があるのに対し、僕自身はどちらかというと地味なこともあり、トラックメイカーとして裏方支援するという役割は、ちょうどいい役割であった。

僕自身としては人生初となる「スタジオでの練習」というのも経験した。
桂木さんから細かなステージングについての始動があり、初ライブに向けての準備を着々と進めていった。

Love❤Kitchenはユニットではあるが、基本的には個々のサウンドを寄せ合っているため、一緒に集まってライブの練習をするといったことは無く、こうしてバンドメンバーと一緒にスタジオで練習をするといった経験はとても新鮮で楽しかった。

そして、念願のヌッソンの初ライブ。どこでライブをしたかは忘れてしまったが、三ノ宮か元町のどこかだったと思う。

きちんと練習を積んできた成果もあり、初ライブは100点満点の出来となり、かなり盛り上がった。

実は、ライブパフォーマンスの内容やお客様の反応の記憶は無いのであるが、なぜ「かなり盛り上がった」と表現したのか。決してウソを書いているわけでもない。

ヌッソンのライブ終了後、ちょっと休憩しようと僕と桂木さんはライブ会場から外に出てJR元町西口駅の近くで喉を潤しながら、つい先ほど終わったライブを振り返っていた。

とにかく、その時の桂木さんの満足げな表情がとても印象的で、「ヌッソン、盛り上がってほんま最高やったなぁ。」「まこりん、これからもヌッソン続けようや~。」といった、桂木さんのヌッソン大絶賛祭りが始まった。

お酒を飲んでちょっとテンションがアガっていたこともあり、桂木さんがずっと嬉しそうに話を続けるので、僕は相槌を打つ役に徹しながら話を聞き続けた。

30分くらい話したかな。裏方と言う役割で参加させてもらったけど、プロデューサーでもありヌッソンのリーダーでもある桂木さんが大満足されている姿を見られて、僕も満足感でいっぱいになった。

残念ながら、僕自身はヌッソンからは自然脱退する形となり、僕の代わりにゴールドグッドさん(金良さん)が加入して「第2期 ヌッソン」 として活動は継続された。

更に、その後もヌッソンの勢力は拡大し、1990年代に個性派アイドルとして活躍したあの宍戸留美さんもメンバーに加入し、東京でのライブも行ったそうだ。

SUBJECT RECORDSとは直接的な関係性は無かったが、非常に楽しい思い出であったため、エピソードのひとつとして取り上げさせていただいた。

<追伸>

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