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古典占星術の眼鏡で読む

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古典占星術の作法・様式でチャートを読む
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記事一覧

幸運と精霊のロット 運勢の読み方と違い

この記事は『幸運のロットはこう読もう』の続編で、ロットについてより広範囲な活用方法を伝えることを目的としています。 ロットとは何か?ロットは出生図の惑星の配置だけでは見えない「運勢」に焦点を当てます。 各ロットには、それぞれ異なるテーマが割り当てられています。note+ラジオVol.6「ふたつの運」で述べた、ヘレニズム期から伝わる7つのロットは次の通りです。「幸運のロット」「精霊のロット」「愛のロット」「必需のロット」「勇気のロット」「勝利のロット」「宿命のロット」

ホラリー占星術ってなに?

ホラリー占星術は占星術の一分野です。未来の出来事を予測し、特定の質問に答えることを目的としています。占星術のなかでは、特に当たり外れが明瞭な占いです。 どんな質問ができるの? 「この仕事に就けるか?」「Aさんと結婚できる?」といった、はっきりとした答えが欲しい質問に適しています。一方で「来年はどんな運勢か」「どの仕事が私に向いている?」のように幅の広い質問には向いていません。 どうやって占うの? ① 質問をする:できるだけ具体的な質問をします ② チャートを作る:占星

「幸運のロット」はこう読もう

本記事はぐらnote+ラジオVol.4の補足メモです。 1. 幸運のロット(Lot of Fortun / Part of Fortune) 2. 幸運の入り口はハウスとサイン 3. ルーラーが教える〇〇〇 4. 幸運のメンテナンスとは?

幸運の5ハウス 〜 5世紀の出生図解説

幸運を表すハウスは二つあります。5ハウスと11ハウス。それぞれ金星と木星のジョイ(歓喜のハウス)。今回紹介する内容は、まさに幸運を表す5ハウスについて。特に出生図の惑星が5ハウスにある時の古典占星術的な解釈を紹介します。出典は未だ英訳が終わっていない膨大な数の一次資料翻訳に取り組むHOROIプロジェクト。 更新:「職業と受胎」2024年8月21日 注:【】は本記事の註釈

古典占星術で読む火星〜分断・闘争・決断

【メンバーシップ記事】 凶星、火星が象徴する分断と怒り、土星とのスクウェアについて古典占星術の視点から解説します。後半は古典文献のエグイ書きっぷりを、現代人がどう読めばよいかを解説します。

春分図2024年 経済と暮らしの未来予測

【メンバーシップ記事】 本稿は世界占星術(マンデイン占星術)で2024年の春分図から、暮らしと景況感の予測をします。記事連動アーカイブ(60分)を視聴できます。

なぜトロピカル方式って呼ぶの?南国なの?

一般的に、西洋占星術で使用する黄道12サインを「トロピカル方式」「トロピカルゾディアック」などと呼び、「サイデリアル方式」「サイデリアルゾディアック」と区別します。ではなぜ「トロピカル」と呼ぶのでしょう? トロピカル方式を強いて訳すなら「太陽年方式」 春分点を基準として、地球が太陽の周りを公転するのにかかる時間の平均値(約365.24219日)を「太陽年」、英語では「tropical year/トロピカル年」と呼びます[1]。トロピカル方式、トロピカルゾディアックの由来で

読者に聞きたいホラリー占星術 実践ガイド

「ホラリー占星術 実践ガイド」は質問のYES/NOを導くことに特化したホラリー占星術の指南書です。特徴はアプローチがこれ以上無いくらいにハッキリしていること。占星術書というよりも犯人探しのゲームや、推理小説に似ているかも知れません。 本書について、自分と同じく古典的なホラリー占星術師として活躍する西澤あさひさんとスペースでお話をしました。本稿は、スペース音声の記録、スペース後にリスナーからもらった質問とその答えを掲載し、ホラリー占星術の理解を深めることを目的としています。

世界占星術と春分図〜2024年 経済と暮らし日本の未来予測

本稿は世界占星術(マンデイン占星術)で今年の春分図を読みます。後半の有料記事で、暮らしと景況感について予測をします。どうぞお楽しみください。 では今年の話をする前に昨年の答え合わせです。 1年前(2023年3月)の記事でこう書きました 答え合わせ 予測①:占星術的には日本経済にとって最高の1年。実際の経済はそこまで芳しくなく、個人的には悲観的 結果①:景気後退入り GDP2期連続マイナス、実質賃金も低下しました。国内需要不足4兆円。需要不足=モノを買わないということで

¥500

未来予測テクニックと過去の観測

人生経験が長い方が予測テクニックを実感しやすい理由は自身の過去から学べるから 「ぐらさんの講座で過去のプロフェクションやディレクションを見直す話が出てきますが、過去にはわりと無頓着で、日記もつけていません」といった声を耳にすることがあります。本日もそんなお話を個人セッションで伺いました。 ある調査で「(個人的な)日記を付けている」と回答した割合は60代女性(28%)、30代女性(26%)。半分以上の人は日記をつけません。自分は数年前に日記を始めましたが、業務記録を除き、そ

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こんなにある古典的な未来予測テクニック

10の未来予測テクニック簡単解説 「予測占星術」(太玄社・2022年)を執筆した際に、古い予測テクニックを紹介しました。心理面を扱う近代の占星術と異なり、17世紀までの占星術は物理世界で起きる現象を扱います。実占で感じることは、現代の占星術が内側の探索に向いており、古い占星術は外側で起きる現象予測に向いているという点です。 プトレマイオス(2世紀)が著した「テトラビブロス」には人の死期「寿命」を占う方法が堂々と掲載されています。現代なら恐らく炎上案件です。でも、これは単に

ホラリー占星術はYES/NOで答える質問に限定すべきですか?

Q. ペトロス先生の本(「ホラリー占星術」太玄社)では、ホラリーはYES/NOに答えるべきとあり二冊目の「ホラリー占星術 実践ガイド」でもその様に強調されていました。やはりYES/NOに拘るべきでしょうか? A. 誰もがYES/NOに拘る必要はありません。 (この質問は「ホラリー実占のとっかかり 第3期」の受講者さんからいただきました) まず前提として、ペトロス先生の主張はプロのホラリー占星術師、もしくはプロを目指す人に向けたものです。そして、その真意はお客さまにとって、

ホラリー占星術の起源

Q. ホラリー占星術は出生占星術よりも古いという話を聞いたことがあります。ホラリー占星術が生まれたのはいつ頃だったのでしょうか A. たしかにそうした説がありますし、自分が古典占星術と出会った頃(2000年前後)は、「ホラリーこそ最古の占星術」といった論調をウェブで目にしたこともあります。それは全く根拠の無い話というわけではありません。歴史学者ピングリーが翻訳した、1世紀の占星術書「占星詩(Carmen Astrogicum)」(ドロセウス著)にホラリー占星術的な事例が述べ

Q. ホラリー占星術の上達にもっとも大切なことはなんですか?

「体得を加速する」ということなら「質問の切実さ」を一番に挙げます。 安易な質問を繰り返しても上達しません ビギナーズラックは(なぜか本当に)存在し、これは古典ホラリーも同じです。 でも、安易な質問を繰り返すのなら、その先にあるのは行き止まりです 徐々に初期の冴えは消え、やがて的中率は2割を下回るでしょう。 古典ホラリーは良くも悪くも当たることを重視します。 また「当てた」「外した」体験を繰り返すことで上達する技芸です。 実占を繰り返し、「古典的ルールで何故かこの時は実際に