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バルコニアン(1) マンションで園芸

ルーフ・バルコニーで園芸を

私は天文学者をやっている。しかし、園芸にも凝っている。
天文学を研究する人は天文学者と呼ばれる。では、園芸を趣味にしている人はなんと呼ばれるのだろうか?

庭を美しく管理する人は庭師と呼ばれる。それにならって、園芸師か? あまり聞いたことがない。そもそも庭師は庭園管理を職業としている方々のことだ。趣味で園芸をやっている人を園芸師と呼ぶのはいささか問題がありそうだ。

じつは、我が家には庭がない。マンションに住んでいるためだ。
「なあんだ、ベランダ園芸?」と、言われそうである。しかし、確かにそうなのだ。少し違うといえば、ベランダのほかに、ルーフバルコニーの部分があることだ。50平米あるので、それなりに広い。私はこのバルコニーで園芸を楽しんでいる。

バルコニアン

とはいえ、本物の庭がないことには引け目を感じている。「やはり土がないと・・・」こう思ってしまう。

そんなとき、心強い一冊の本に出会った。いとうせいこう氏の「ボタニカル・ライフ -植物生活-」(新潮社、2004年)という本である。氏は(いや師か?)ベランダ園芸にのめりこみ、相当の腕前を発揮されている。ベランダ園芸のプロ中のプロと絶賛するしかない。とにかく読み始めたら止まらない。ノンストップ・ベランダ園芸本なのだ。

その本で、ベランダ園芸を趣味とする人を“ベランダー”と呼ぶことが提案されている。こんなに適切な言葉があるとは! ラベンダーと間違えそうなところも、きわどく素敵である。

とにかく、私はおおいに勇気付けられた。
「ルーフバルコニーで、園芸を楽しんだっていいじゃないか」
私は氏の本を読んで、早速ひらめいた。ルーフバルコニーで園芸を楽しむ人のことをなんて呼べばよいか? 答えはひとつ。バルコニアンだ。

というわけで、私はバルコニアンとして、園芸を楽しんでいる。

このnoteではバルコニアン・ライフについてお話ししたい。そのほとんどは失敗談だが、皆さんの役に立つ情報もあると嬉しい。


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