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懐かしさの徒然に(9) 二つの檸檬

檸檬 by さだまさし

あの日

どうしたの?

湯島聖堂の

えっ? どこ?

白い石の階段に腰掛けて

何したの?

君はひだまりの中へ盗んだ

えっ? 私のこと? 知らないわよ

檸檬細い手でかざす

そういえば、そんなことが・・・

それをしばらく見つめた後で

どうしたんだろう

きれいねと言った後でかじる

酸っぱそう

指のすきまから青い空に

綺麗だわ、きっと

カナリア色の風が舞う

うん、爽やか

食べかけの夢を

どうするの?

聖橋(ひじりばし)から放る

うーん、それはちょっと・・・

各駅停車の

快速じゃないの?

檸檬色が

色合わせかあ

それを噛み砕く

夢破れて銀河あり

消え去るときには

どうなるの?

こうしてあっけなく

いやだわ

静かに落ちていくものよ

でも、さもありなん

(『檸檬』作詞・作曲 さだまさし、1988年5月21日リリース:歌詞の1番と2番をミックスさせていただいた。一部、漢字をひらがな表記とさせていただいた)

檸檬 by 梶井基次郎

某書店の美術関係のコーナーにて

私は手当たり次第に(美術の本を)積み上げ、また慌ただしく潰し、また慌ただしく築き上げた。・・・

やっと、それはできあがった。そして軽くおどり上がる心を制しながら、その城壁の頂きに恐る恐る檸檬を据えつけた。・・・ (『檸檬』梶井基次郎、1924年10月;角川文庫 改版所版、2013年、一部漢字をひらがなにさせていただいた)

主人公は檸檬を爆弾だと思った。もしあのレモンが爆発すれば・・・。こんな危険な物語を梶井基次郎は今から100年も前に書いていた。私にはよくわからない物語だった。

ということで、さだまさしの『檸檬』を口ずさむことにしよう。

🎵食べかけの夢を〜〜〜🎵

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