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高校3年 春①お昼は至福の時間

4月。

ついに最終学年へ突入。

今まで緊張しかなかった学食も普通に行ける笑

僕のクラスは、剣道の元日本代表でもある筋肉ダルマみたいな体育教師が担任になった。

彼は部活の時はマジで鬼でしかないが、担任としては激烈優しいおじさんだった。

そしてもっとも大事なクラスメイトだが、なんていうか学校の人気者とオタクのハーフ&ハーフみたいな変な編成だった。

スパイラルパーマかけてきたその日に頭髪検査があって、半日を待たずに丸刈りになったイケメン副会長とか

野球部イチのイケメンだけど、ハンパなく人見知りなヤンキーくんとか

学校始まって以来の秀才だけど大学は行かずに美容師目指して専門志望のうのっちとか

社会人とバンド組んでて地元の音楽シーンでめちゃくちゃ有名なドラマーのしょーちゃんとか

堂本剛が好きすぎるジャニ系メンズのキヨぽんとか

やたらイケメン比率が高いように思わせといて

演劇部なのに滑舌が絶望的なおっしーや、物静かなサイコパスあそうたまきこーじを軸に、

演劇部を含む学年の文系アニオタほぼ全員がうちのクラスにいて

他のクラスにいった友達からはオールスター感謝祭とイジられていた。


そんな僕らもお昼時になれば最初は教室で過ごしてたんだけど

他のクラスのやつとかも集まってくるようになると手狭になって来たので

仲の良いメンバーで教室棟とは逆側にある特別室棟の2階にある広い美術室でごはんを食べるようになった。

そんなある日、キヨぽんとしょーちゃんがすごい発見をした。

僕らのいる特別教室棟の向かい側にある、教室棟の非常階段にいる女の子たちのパンツ見えるー!

マジか!と男達はイキリたった。

うぉぉぉぉお!

見える!

ちなみに

3年生の教室は2階。

2年生は3階。

1年生は4階。

というのが僕らの高校のフロア割だった。

今いる美術室は2階。

だから、スカートが短くなりがちな3年生は同じ階で見えない。

が、特に1年生が非常階段に立つと風も相まってチャンスが増える。

そしてしばらく研究した後、隣にある書道室の方が位置的に見えやすいということがわかって

全員で書道室の窓側でお昼を食べるようになった。

なにも知らない1、2年生の女の子たちは

3年男子の集団が謎に特別室棟でごはんを食べているらしいと気付きだしてからは

やたら非常階段に出てきて僕らに手を振ってくれたりしていた。

光明じゃ。

僕らは終始笑顔で手を振りかえしていた。

そして、それまで滅多に人の来なかった書道室に3年の男子たちが集まるようになったことに大喜びした書道のおばあちゃん先生は

毎日僕らに茶菓子を用意してくれるようになった。

JKのパンツと茶菓子に囲まれて、僕らのお昼時間は至福の時間になっていった。

この時、僕らの中ではDragon Ashがめちゃくちゃ流行っていて、

とてもお上品な書道のおばあちゃん先生に"こういうのが流行りなのね〜"なんて言われながら、日々いろんな曲を聴いていた。

やたらと明るい仲間に囲まれて毎日を過ごしていたことで

オガのことを振り返ることもほぼなくなっていった。

バカなやつらとバカな話で盛り上がる。

毎日がとても楽しかった。

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