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大学1年 夏③自動車学校での再会

帰省して彼女とお別れを告げ、とりあえずこの夏最大のイベントを終えた僕。

振った僕もダメージがハンパなかった。

でも、あのままだと結局ダメになる。

これでよかったんだと自分に言い聞かせる。

しばらくベッドに入るたびに毎晩やりとりしていた温かな時間を思い出して悲しくなる。

これは自分で選んだ道だから俺が悲しむのはアリにも悪い。

気持ちを切り替えよう。

切り替えなくてはいけない。

ちなみに今回、わざわざ北海道から高いお金を払って帰ってきたのはアリと会うだけでなく他にも目的がいくつかあった。

ひとつは、自動車免許を取ること。

もうひとつは、おじいちゃんの畑の手伝いをするこた。

そしてもうひとつ、とあるイベントでダンスを踊ること。

実はこの三つ目は特にワクワクしていた。

高校3年の合宿で仲良くなったウダが高校生のバンドコンテストの運営をやっていて、それにゲストとしてダンスを踊ってもらえないかと相談を受けていたのだ。

でも、1人はしんどい。

そこでウダと、高校時代演劇の合宿で一緒だったspooksの3人で踊ろうとなった。

音楽に詳しいspooksからの提案で、東北っぽい感じも出しつつ、POPな雰囲気でいけるダンスチームにしよう!ということになり、僕らは「ダニエルカーターズ」というチーム名になった。

ダニー(spooks) と、エール(僕)、そしてカーター(ウダ)。

合わせてダニエルカーターズ笑

ダンスと言えば洋楽のイメージはあるけど、俺らはわかりやすく邦楽のリップスライムでいくべー!と3人で意見が一致。

こうして、朝はおばあちゃんちの畑の手伝い。

昼は自動車教習所。

夕方からはダンスの練習と、なんだかんだ充実した日々をおくることになる。


さて、こんな感じでダンスも始めつつも、もう一つの目的だった教習所に通う日がきた。

僕が通っていたのは家族ぐるみで付き合いのある友人のお母さんが働いている、家から歩いて行ける教習所。

初登校の入校式の日。

同じ日の入校は女の子と2人きりとのこと。

さすが田舎の教習所。規模が小さい。

狭い教室みたいなところに入り、とりあえず1番前の席に座る

女の子は後ろに座ったため、顔は見えない。

かわいい子だといいな、なんて思いながら学校の説明を受ける。

ふと、女の子から名前を呼ばれる。

ん?

振り返って、まじまじと見て気づいた。

小学校の時同じクラスだった熊ちゃんだ!

熊ちゃんは私立の中学に行ったからだいぶしばらくぶりだったけど、地元が一緒なんだ。そりゃここで会う可能性もあるわ。

ずいぶんオシャレになって〜!なんてお互いに謎の褒め合いをしたりしつつ、懐かしい話で盛り上がる。

それからはしばらくの間、ほぼ毎日学校に通っては熊ちゃんと思い出話に花を咲かせることになった。

地元のみんなが懐かしい。


ちなみに、教習所では空いた時間にテスト用の試験ゲーム(見た目はほんとゲーセンの筐体)みたいなのがあって、暇な時はちょこちょこ暇つぶしがてら学科試験対策にプレイしていた。

ある日、おばちゃんにそれをやってるところが見つかって怒られる。

「それ、ほんとに試験何回も受からない人のための、本番のテスト問題そのまんま出てくる機械だから、あんたやっちゃダメよー!」

いやいや、それあかんやろ笑

早く言ってよー!

てか、そんな機械置いてていいの!?


おかげさまで学科は満点でした笑


地元に帰ってからも毎日は目まぐるしくて、あっという間に1日が過ぎていった。

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