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CS-21工法 施工事例 / 既設鋼橋(コンクリート舗装・床版)の長寿命化対策

工事概要

工事名称 :一般国道140号石楠花橋耐震補強補修工事(明許)
工事場所 :山梨県山梨市  
発 注 者 :山梨県 県土整備部 峡東建設事務所
工  期 :2013年(平成25年)2月~10月
施工部位 :床版上面(コンクリート舗装)および地覆部
使用材料 :CS-21(NETIS【旧】CB-020055-VR 設計比較対象技術)
工 法 名 :CSⅡ工法
塗 布 量 :300g/m2(150g/m2×2回)
塗布量中の乾燥固形分量:95g/m2 
施工面積 :983m2 

CS-21 荷姿5㎏缶

工法採用の経緯

 本工事は、山梨市三富の北東部に位置し、日本三大峠の一つと言われる雁坂峠を貫通する国道140号雁坂トンネルの山梨県側出口と料金所間に架橋された石楠花橋(橋長92m)の耐震補強工事である。
 標高約1000mの寒冷地であるため、冬季には最低気温-10℃以下となるなどの低温環境であり、凍結防止剤散布による塩害も懸念されるため、耐震補強工事に伴い長寿命化対策が検討された。
 代替道路がなく、長期間の通行止めが困難なため、コンクリート(SFRC)舗装切削後の床版防水層設置を断念し、コンクリート舗装面から塗布浸透させることで、床版コンクリートへの水および各種劣化因子の侵入を抑制する表面含浸工法が設計された。

材料の選定方法

本工事の表面含浸工法に適用する表面含浸材の選定にあたっては、
① 長期耐久性が必要なため無機系材料を主成分とすること、
② 工期短縮のため、下地の乾湿状態による影響を受けにくいこと、
③ 経年後に必要となった際に補修・補強対策工法が限定されないこと
から、
反応型けい酸塩系表面含浸材』・『けい酸ナトリウム系表面含浸材』
【 土木学会の
・ けい酸塩系表面含浸工法の設計施工指針(案)
・ 表面保護工法 設計施工指針(案)
による分類名 】が選定された。

適用にあたっては、
① 凍結融解抵抗性(JSCE-K-571による透水・吸水抑制率)
② 施工後の走行性への影響(コンクリート舗装に対する実績による)
③ 耐用年数(施工後5~10年以上経過した実績による)
についての 性能照査 が実施された。

本工事において使用した表面含浸材は、前述の要求性能を満たすことが、第三者機関による性能試験結果、施工実績の追跡調査結果、NETISの設計比較対象技術に選定された活用効果評価結果などにより確認され、採用された。

技術提案書(例):既設コンクリート構造物の表面保護
CS-21ビルダー(NETIS:CG-170009-A)

使用材料の概要および特長

本工事において使用した表面含浸材は、

硬化したコンクリート表面に塗布または散布し浸透(含浸)させることで、乾燥固化物(未反応成分)、およびコンクリート中のカルシウム成分等と反応し生成される安定した反応物(CSH系結晶)により、微細ひび割れ等の空隙を充填する。

浸透後に未反応のまま残った主成分は、乾燥固化後も水分の供給により溶解し安定した反応物(CSH系結晶)を生成して、施工後新たに発生する微細ひび割れ等の空隙を充填する。

これらの反応により、ひび割れ深部を含む表層部の空隙を緻密化して、水や各種劣化因子の侵入(鋼材腐食)を長期にわたり抑制し、鉄筋コンクリート構造物の長寿命化に寄与する。

既存空隙の充填、および反応の継続による施工後に新たに発生する空隙への充填効果を高めるため、乾燥固形分率31.5wt/%以上と濃度の高い材料を希釈せず原液のまま塗布すること、材齢を問わず効果を発揮させるため、水和反応活性剤を含有していることなどの特長がある。

図1
反応の持続性イメージ

施工手順

① 高圧洗浄
② CS-21塗布:1回目(150g/m2-原液)
③ 湿潤散水:1回目(150g/m2)
④ CS-21塗布:2回 目(150g/m2-原液)
⑤ 湿潤散水:2回目(150g/m2)
 ※上・下車線側それぞれ2日間で施工を完了し、車線ごとに施工翌日、車両通行を再開した。

画像2
橋梁床板上面(コンクリート舗装面):下向き塗布

施工効果確認試験

 本工事では、表面含浸工法適用の効果を表層透気試験(トレント法)により確認した。
 表層透気試験は、透気試験機(パーマ・トール)により、施工前後に同一箇所の透気係数を測定して比較し、表層部の緻密化による透気係数の減少を、物質移動抵抗性の向上効果として確認する試験である。
 試験の結果、施工約1ヶ月後の透気係数は、施工前比平均約33.2%と施工前の約1/3に減少し、表面含浸材塗布による効果が確認された。

画像3
表層透気試験 状況

今後の展望

 本件での結果を踏まえ、橋梁の長寿命化対策、新設構造物の予防保全対策などに本工法を活用して、延命化を図り、将来的な維持管理コストの低減に貢献したい。
             アストン協会会員・(株)シーテクノ 小林雅志


最後までご覧いただきありがとうございました。
 本記事は、防水ジャーナル2014年2月号(P59-60)に掲載された「反応型けい酸塩系表面含浸工法による既設橋梁の長寿命化対策」の転載(一部再構成)です。
 CS-21工法による表面保護(予防保全・長寿命化)の施工実績につきましては、資料「CS-21工法 施工実績表【pdf】」をご参照ください。
 【新製品】既設コンクリートの表面保護材CS-21ビルダー(NETIS:CG-170009-A)など、CS-21シリーズ製品・工法の最新情報・詳細につきましては、アストン オフィシャル ウェブサイト をご覧いただけますようお願いいたします。