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映画「ルックバック」

炎上騒ぎの前に読んで、改訂版も読んで、単行本まで買ったので映画観ないは片手落ちか?と思って見てきました。ロマンと狂気の(製作者サイドの)作品でした。
映画館の大きな画面で観て良かった作品。
以下感想文。

冒頭の浮遊感のある上空から藤野の家までフォーカスするカットの浮き上がって落ちていく感じの没入感がまず凄く良くて。制作や配給のクレジットが終わって、本編始まる前にこのシーン入れる事で一気に物語に引き込むなあ、と思ったし、映画館のスクリーンで見るからこそ引き込まれるな、と思った。もうここで映画館で観て良かったな、と思った。
家にクローズアップしていく時の線がブレながら進む感じが手書きアニメ〜〜〜!!って感じでもうこの時点の作業量で目が回りそう。監督が頑張ったって言ってたけど、まだ始まって1分もかからずに「頑張ったどころじゃなくない?」を感じさせる熱量。怖い。
昨今のアニメ〜って感じの工業製品感のある整った線というよりは手書きです!の感が強い絵なので本当に漫画がカラーになって動いて音が入ってる!って感じ。作業量…
大ゴマだったところはしっかり時間をかけて見せる、物語の流れが不自然にならない範囲で情報量は増やす、の連続で延々とこちらはビビるばかり…

最後の葬式後の京本の部屋の前で起こる一連のSFチックなくだりの後、亡くなってから数日経つだろうになんで京本の部屋窓開いてたんだっけ??は思ったけれども帰って単行本確認したら単行本もそうだったのでまあそっか…と気持ちを落ち着けた。
いや、「風」が要るのはわかるんだけど…いくら田舎でも窓開けっぱなしはあるのか…?とか…急に思ってしまった…原作読んだ時はそんなに気にならなかったのにな…強めに演出されてたからかな…

犯人の動機の件はまあ炎上して直したしね、で入場特典も改定後版の話が入ってた。まあ元の動機の方がその後の妄想?if世界?の話とのリンクがあったんだろうけど改定後の動機の方が「ありそう」ではあるのかな…とか…

動画で動いてると京本の表情がどんどん柔らかくなっていったり、藤野の離別後の目が死んでく感じが真に迫ったりしてるのすごく訴えてくる。アニメーションだーとしょうもねえ感想が出てくる。

最後のクレジットで制作陣のあまりの少なさにまた慄く。本当めちゃくちゃ頑張った人たちの作品じゃん…浪漫と狂気じゃん…と…働き方改革なんか「やりたい」の衝動の前では雲散霧消よ…

演者さんも淡々とした演技が多くて、音声だけだと実写映画のようでもあった。
感情の振れ幅が生々しいというか。感情を誇張してる感が薄い感じが。

色々ちまちま言いましたが最終的には冒頭の没入させる演出がめちゃくちゃ「大きな画面向き」なので映画館で観る意味がある作品だったな、がつよく印象に残りました。

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