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アニメ『天官賜福』その後を小説で知ろう その弐

こんにちは。ふわちゃまるです。
今日は『天官賜福』二巻 第二十九章から第三十三章のお話をしたいと思います。

十七歳で飛昇し、神官となった謝憐の三年後が書かれています。
ある日、太子廟を訪れた男の発言で、謝憐は仙楽国の永安という地域が干ばつに見舞われていることを知りました。
神が世俗に関わることは禁じられているけれど、自国の民が苦しんでいることを放っておけず謝憐は何とかしようと奔走します。
そんな彼に対して国師は「あなたの飛昇は早すぎた」と苦言を呈しました。
衆生を救いたくて神となったのに、あれもダメ、これもダメだと禁じられ、どうやって民を救えばいいのか、なんのために神となったのか、謝憐の悩みは募りました。

なんとも苦しい展開です。
人を救うこと、正しさの定義、神としての存在意義が謝憐の中で混在し、理想と現実の狭間で苦しみます。彼のような「善人」はこうした問題に直面した時とても悩むと思います。薄情にはなれないんですよね。

でも、薄情じゃないと神官なんて務まらないのかなぁとも思います。
世の中は必ずしも善だけでは割り切れない問題に溢れているし、神官だって元は人で輝かしい功績の裏には流された血が必ずある。
裴茗将軍みたいに女性問題が深刻な神もいるしねぇ。
でも、謝憐は違いますね。まだ何も経験していなかった。それが国師が言う「早すぎる飛昇」だったのかもしれません。

さて、そんな謝憐は三年ぶりにあの少年、紅紅児に再会しました。
もちろん、神となった謝憐は姿を見せることはできません。でも、生きているのがつらい、生きることに何の意味があるのか、と訴えかける彼に「わたしのために生きなさい」と答えました。

これは、謝憐が花城と夜語りをした日に馬鹿げていると笑い飛ばした言葉ですね。
でも、言われた本人は隣にいて、ずっとその言葉を支えに生きてきたのよ、もうねぇ、涙なくして見れないでしょ、あの言葉を聞いている花城の気持ちを考えたら。

若くて自信満々時代だから仕方ないけどさぁ、謝憐って罪づくりな男過ぎない?
花城に対して責任とりなさいっ!て思いました。

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