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アニメ『天官賜福』その後を小説で知ろう その壱 第26章~第28章

こんにちは。ふわちゃまるです。
アニメ『天官賜福 貮』が終了しましたね。その後は小説で知ることができるのでお話したいと思います。

アニメでは謝憐が青鬼戚容に剣を振り下ろすか…?!という場面でエンディングになりましたが、小説では第二巻 太子悦神という新しい章に突入します。今日は第二十六章から第二十八章のお話をしたいと思います。

時は八百年前、主人公の謝憐が飛昇する一年前のことが書かれています。仙楽国が栄華を誇る大国であり、両親である国主と皇后は謝憐を天の寵児として溺愛。でも、謝憐本人は贅沢や権力には興味のない剣術大好き少年として描かれています。

意思が強く十六歳とは思えない逞しさを感じますが、育ち故の傲慢さと理想主義もあって国師からは「あなたは聞く耳をもたない」と諭されることもしばしば。
高貴な身分で苦労知らず、人の悪意にも触れたことのない生活をしていれば人は皆どこかしら傲慢さを持つもの。謝憐もそうしたよくある十六歳だったのだな、という印象でした。

さて、そんな謝憐が上元祭天遊で助けたのが物見櫓から落ちた少年でした。
これはアニメでも何度も流れた映像ですね。
この少年の名前は紅紅児。包帯で顔を覆い、「醜いから」と言って絶対に顔の右側を見せない。
この少年はその後あちこちに登場します。二度目の登場は、あの戚容が馬車の後ろに結びつけて引きずりまわしていたのを謝憐に救出された時でした。
そう、彼は謝憐に二度命を救われたんです。
小説にこの少年の素性は書かれていませんが、誰が読んでも気づくでしょう。まだ十歳の花城ですね。
もうねぇ、花城がこんなにも幼い時に謝憐と出会い、人生を謝憐のためだけに捧げてきたと思うと、もう涙が止まりませんよ。
絶望の中を生きていた紅紅児が謝憐にしがみつき、腕の中で声の限り泣いた描写は涙なくして読めませんでした。

さて、この章を読んでいて謝憐に親近感がわいたことがありました。
それは父親との確執に悩んでいたことです。
苦労知らずのおぼっちゃまでも十六歳らしい悩みは抱えていたのですね。
父親と距離をとるために修行と称して皇極観に入門したのだとわかり、そうそう、親ともめたら距離をとるしかないんだよなぁってすんごく同感した。

その後、謝憐は正しさの定義を「天が間違っている」と堂々と答え、17歳で飛昇しました。
怖いもの知らずの十代って感じですかね、国師が心配するのもちょっとわかる気がします。

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