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気怠さの中に

私の憧れる人について綴ろうと思います。

とても影響されやすい性格である私は、小学生の頃から字が上手だなと思うHちゃんの字を、高校時代毎回数学のテストが1位でテストを返されてもポーカーフェイスの委員長Mの話し方を、自分なりに加工して真似てきました。多くの人に影響されて今の私が形成されていますが、中でも今の私の考え方に大きな影響を与えた人についてお話します。

初めての接客バイトの店長

大学1年の11月、私は個別指導塾でのバイトに飽きてきて新たなバイトを始めることとなりました。雑貨屋さんでの初めての接客アルバイトです。そこで出会った店長(たぶん30代、女性)が私の憧れる人です。
店長の第一印象は、「気怠そうな表情の女の人」でした。(めっちゃ失礼)
シルバーのアクセサリーを身につけていて、髪にハイライトが入っていました。何となく店長の雰囲気に憧れて、私はシルバーのアクセサリーをすぐに購入し左手の人差し指につけるのをこっそり真似しました。
店長とは、通勤路線が同じだったため、シフトが被ると一緒に帰っていました。そこで店長が今までの旅で行った国、おすすめの映画、学生のうちにやっておくべきことについてお話してくれました。海外には行けませんが、店長がお勧めしてくれた映画は直ぐに全部見ました。素敵な映画にたくさん出会いました。そして、その時には店長の魅力にどっぷりハマっていました。
私が店長に憧れた理由は店長が見てきた景色に魅力を感じたからだと思います。
特に、どこかの国でラクダに乗った話やディープな居酒屋の話は大学生なりたてほやほやの私に、初めてスペースマウンテンに乗った時のようなドキドキ感を感じさせました。

店長は帰り道、バイト中には見せない表情を見せてくれました。独身を謳歌している話を聞いて、私の中での理想の社会人女性像はだいぶ変化しました。

店長を一言で表すと、「気怠さの中に、どこか暖かさや寂しさを感じる不思議な女性」です。
私は、気になる人にはぐいぐい行くタイプの人間なので、店長が私というただのアルバイトに少し心を開いてくれたことが本当に嬉しくて少し調子に乗りました。


誰かが私を見て「この人が経験したことや見た景色はどんなものだろう」と思うような魅力をもつ人になりたい。


そんなふうに、私の中の理想の女性像は固まりつつあります。もっと上手に言語化できるようになったら、理想がより解像度の高いものになるようなきっなきっかけがあったら、またお話させていただきます。



ある時店長は異動されて、しばらく会っていません。

社会人になったら、店長とお酒を飲みに行きたい、それが密かな願いです。

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