ガールズバンドクライ 4話 演技をするということについて

 ガールズバンドクライ4話の演技をするシーンが示唆に富んでいるように見えた。

 話の流れで仁菜と桃香は演技をすることになるが、彼女たちは素人なのでそんなこと出来るはずがない。作中のすばるのセリフであったように、そもそも「演技」をするというのはとても恥ずかしいことなのだ。しかし仁菜は「演技を利用してすばるに本音をぶつける」ことで鬼気迫る演技を繰り出す。彼女の物事に本気でぶつかるという姿勢が優れた演技を生んだのである。


 ここで目立ったのは桃香との対比だ。彼女はこのシーンでは頬を赤らめ恥ずかし半分のちゃんぽらんな演技をすることしか出来ない。「人には色んな事情があるので自分が無理矢理関わっても仕方がない」という態度を取る"大人"な桃香は物事に本気で臨むことが出来ないので、まず本気でやらなければ成立しない演技という技術は彼女には不可能なのだ。


 バンドを辞めると言うすばるを引き止める仁菜と"自由にさせてあげる"桃香の両極端な人間性は演技を通しても浮かび上がる。世の中を理解し諦めることで大人になったようにも見える彼女はこの先どんな困難に遭いどう乗り越えて行くのか非常に気になるところだ。

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