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【コミュ考察】アルストロメリアを繋いでいた「アンカーボルトソング」とは

ポップでハッピーでキュート。女の子の憧れであるアルストロメリアにそぐわない建築用語がタイトルについたイベントシナリオ「アンカーボルトソング」。アンカーボルトとは建築においてコンクリートに取り付けられた部材や機器が分離、浮遊、移動、転倒することを防ぐための補強材のようなボルトのことです。
「アンカーボルトソング」を直訳すると「分離しないために歌で補強する」ということになります。
今回はアルストロメリアの3人が「何と分離をしないように歌でつなぐのか」について考えながらコミュの考察をしていこうと思います。
結論から言うと、今回のコミュは「気持ちのズレ」を防ぐための話だったのかなと思います。

「ファンからみたアルストロメリア」
「芸能人からみたアルストメリア」
そして、「アルストロメリアからみたアルストロメリア」

優しくて、相手のことを思いやるが故に発生するアルストロメリアのすれ違い。売れる前の「過去」とソロでも活躍し始めた「今」。
アルストロメリアやファンにとって感じていた気持ちに着目しながらコミュを考察していきます。

■オープニング「雨の中のあたたかい錆のにおい」

物語の冒頭はエンディング中のシーンから抜粋された内容で始まります。
とあるデパートのオープニングイベント(ライブ)に出演するアルストロメリア。そこには雨の中、大勢のファンが出待ち待機しておりました。
ファンからのあたたかい声を聞きながら、建物に向かう道中で甜花は少し前のことを思い出します。
アルストロメリアの認知度が高くない時にも、この建物は工事をしており雨が降っていて、足場が悪い状態でした。
当時は工事中のため屋根もなく、人もアルストロメリア以外いない状態でしたが、今は工事が終わりアルストロメリア目的で多数の人が集まっています。今回のコミュでは「思い出=過去の良かった記憶」が鍵になってきます。雨と工事中の錆の匂いで、甜花は昔と今を比較しながらアルストロメリアのファンが「アルストロメリアの3人が揃って活動することを喜んでくれていること」を再認識します。
甘奈のサポートカードのコミュでも明かされますが、
匂いで思い出をフラッシュバックさせることの伏線がこの時点で張られていますね。


■第1話「かわった」

地上波ではないネットの音楽番組のMCに抜擢された千雪。
共演者にはお笑い芸人や女優、アーティスト等がおり、アルストロメリアが普段触れ合う機会がそこまで多くないであろう芸能人が集う場所であった。
現場終わりにあいさつ回りをしている際に、ツイスタ用の画像をお互いに撮ったり、SNSを相互フォローし「アルストロメリア以外の芸能人」と接点を持ち始める。
ここで注目したいのが、「千雪が現場で築いた繋がりを甜花がネット上で把握できていた」ことである。現代社会でアイドルがファンにPRする手段として一番手軽なものはSNSかと思われるが、それはファンだけではなく同ユニット内の甜花も活用できる手段である。
現場の裏側を知らないファンからすると、ネット上で見える繋がりや行動が事実として認識してまう。いわゆる「早とちり」や「オタク君の妄想」ではあるが、今回の物語ではこのSNSを通じてファンとアルストロメリアがズレてきてしまうことが物語の展開に関わってきます。

同時期に甘奈は自身がプロデュースする「リップ」と「コスメポーチ」の仕事が決まる。企業はティーンに大人気な甘奈の名前を借りて、甘奈は自身が好きなオシャレで人々に自己表現が出来る。お互いがWin-Winになる良い仕事の嬉しさのあまり、甜花と千雪に報告をする。
甘奈が自宅に帰ってきて甜花に決まった嬉しい仕事の話をし、千雪さんにも相談したいと言ったところ「今日の千雪さんは忙しい」と甜花に言われてツイスタを覗く。
そこには共演者との写真をアップし、たくさんのお祝いコメントやいいねがついており、ファンが盛り上がっている状態であった。
他の共演者と写っている千雪さんの画像をみて甜花は認識のズレを感じる。

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早くも甜花は誰よりも先に違和感に気づく。
いつもユニットで接してきた、暖かく優しくたまにおちゃめな素敵なお姉さんの知らない一面をみたとでもいうべきか。外での千雪さんの振る舞いや関係性を改めて画像という視認できるものを見た結果感じた気持ちである。
後々にこれがファン→アルストロメリアへの気持ち等に波及する内容である。


■第2話「ひとりづつ3人」

甘奈がやりたい仕事が決まってお祝いスイーツをしたい千雪。
しかし、売れっ子となってしまった3人が揃うのはだいぶ先であることがわかる。甘奈がスタイリストさんから小物を借りてツイスタに上げたところ、甜花も千雪もすぐに気づいて「いいね」をする。
たとえ忙しくても、離れていても、繋がっている3人。
ファンからもその「いいねの早さ」は言及されており、3人の繋がりをネットでも感じます。

甘奈は商品開発部の方々とキックオフミーティングをし、フルーティノート、グルマンノート、ウッディノート等を教えてもらう。

■フルーティノート
柑橘系のシトラス以外のフルーツの香り(例:メロン、ピーチ、カシス等)

■グルマンノート
お菓子のような甘い香り(例:チョコ、クリーム、ミルク等)

■ウッディノート
木や緑などの香り(例:森、森林等)

甘奈はリップ開発にかなり前のめりになっており、それは先日ツイスタでみた千雪のように「キラキラしたい」からだという。アルストロメリアも他ユニットと同じように、素敵な仲間の隣に立つ自分に恥じないようにしたいという気持ちがあるため、自分の得意分野を活かした仕事で頑張りたいのであろう。しかし、現実問題として宿題や他の仕事もあり、若干のキャパオーバーになりつつある甘奈。

大きな仕事に向き合っている2人と自分を比べる甜花に、大きな仕事のオファーがくる。それはバラエティ番組のレギュラーであった。
一人での出演に不安になるが、忙しそうに仕事をこなしているが、それでもキラキラ輝いて、楽しそうにしている2人に追いつきたい、追いつかなきゃという焦りから挑戦してみようと決意する甜花。
しかし、甜花のラジオ番組に甘奈も出てもらいたいというディレクターさんからのお願いはプロデューサーに相談できず自分の中に溜め込んでしまう。
アンカーボルトソングでは甜花が「伝えたいことを伝えきれず、気持ちが中ぶらりんになる」状態、つまり浮遊状態が数回見受けられます。
アンカーボルト感(ユニット内での分裂感)出てきましたね。


■第3話「memory」

大崎家でプロジェクトメンバーを甜花に説明する甘奈。
そこでラジオのゲストの話を切り出そうとするが、忙しい甘奈に遮られてしまい、またもや伝えられない甜花。
バラエティで色々な知り合いができたら教えてねと伝える甘奈。
その裏側にはプロジェクトメンバーとなにか一つのものを作っていくという実体験から、「誰かと何かをすることは楽しいから恐れないでね」という甜花へのメッセージであった。

一方千雪は番組共演者のお笑い芸人から「思ってた印象と違った」と褒め言葉をもらう。世間が知っている桑山千雪の印象は「おとなしいおねーさん」のイメージが強かったのだが、「ギラついてる」と言われる。

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※↑具体的にギラついてた時の千雪「1話より抜粋」

ソロ活動をするということは、個性を出していくこと。
それを改めて言葉にして指摘される千雪。
ここでも共演者からみたアルストロメリアの認識のズレが発生しています。

甜花はバラエティ番組に出演し、共演者のフォローもあってなんとかやりきる。甘奈が言っていたことを肌でも体感していたところ共演者の駆け出しモデルからツイスタ用の写真撮影を依頼されて投稿する。
「芸能人とツイスタ相互になり、ネットに投稿する。」
千雪がキラキラしていたところに甜花も追いついたのであった。
撮影後にツイスタを見ていて甜花はプラスな意見以外にもマイナスな意見を発見する。

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関係性のオタクである。アルストロメリアのファンは3人それぞれ単推しというよりは、3人の仲良しな姉妹のような雰囲気が好きな方が多いのであろう。とあるファンが「今も好きだけど、俺の好きだったアルストロメリア」という形で過去のイベントをまとめたスライド画像を投稿し、思いにふける。このあたりからファンからみたアルストロメリア像が「3人の一番の仲良しは3人であるべきだ」という固定観念のようなもの、推しカプじゃないと許さないという印象を受ける。
ファンとアルストロメリアを繋ぎ止めていた過去の良き思い出を振り返り、昔はよかったと感傷に浸る思いが、ファンとの亀裂に繋がりそうな雰囲気を感じます。アンカーボルト感出てきましたね。


■第4話「ダメだった」

ツイスタ投稿でいいねがつかない千雪は甜花のスケジュールを把握して、
忙しいことを知る。
甘奈が自宅でキャパオーバーになっているところに、甜花がミルクティーを差し入れとして持ってくるが、視野が狭くなっている甘奈にまた本音や考えを伝えられず、気持ちを抱え込んでしまう。
大崎姉妹はどんなときでも裏切らず、互いを尊敬する姉妹のため色々なことを共有しているかと思われるが、今回ばかりは視野が狭くなっているせいで話すらできない甘奈。
そんな中、プロデューサーがサプライズで15分だけ甜花と千雪が話せる場を設ける。
アルストロメリア恒例、「相手のことを考えるあまり、邪魔しないようにこっそり我慢する」といういつものすれ違いが発生しており、本当はたくさん話したいのに相手が大切な仕事に向き合っているから我慢するということが判明する。
甜花は千雪さんが自分と同じ気持ちであることを確認できたため、気を利かせて「3人で集まれる機会」を無理やり捻出する。
しかし、それは大失敗に終わる。
千雪は横のつながりが広がったが故に電話を取らざるを得ない状態になり、甘奈はこの後のプレゼンのことを考えて上の空になる。
そして甜花は仕事の時間を間違えてしまったことに気づき、せっかく3人で集まった時間も各々全てが集中できない状態で解散する。

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仕事に向かいながら甜花は考えた。前は3人で楽しくお仕事をして、楽しくカフェで話をしていたが今のアルストロメリアは各々の仕事が忙しく3人でいる時間さえも十分に確保できない現状。
甘奈のために作ったミルクティーも結局自分が飲んでしまい、大切なことを伝えられず自分の胸に秘めておくしかない現状が「ミルクティーの膜」である。具体的に何がダメなのか認識はできていないが、前とは変わってしまったことだけが心に残ってしまう現状、アルストロメリアが3人でいられず、分離しそうになっていることがわかります。
ファンからみたアルストロメリアも、アルストロメリアからみたアルストロメリアも認識のズレが起きています。


■第5話「みんな」

甘奈がたくさん勉強してプロデュースするリップは製造ラインの問題で原案を却下されてしまう。
千雪と甜花は番組に出て、共演者とつながりを持って輝いているのに対して、自分の仕事が胸をはれるものなのか自問自答する。

そんな中、甜花は共演者とツイスタで「匂わせ同時投稿」をする。
千雪は既に「アルストがメンバー以外と仲良くすることによる影響」にも気づいているが、お祝いスイーツ会のときから言い出すタイミングがない状態で抱え込んでいる。
ここから大崎姉妹軸と千雪P軸で物語は交差しながら進行していく。

■大崎姉妹軸
甘奈は上記でも記載したように甜花が輝いてること、そして自分以外の人と仲良くしていることを気にかけてしまっている描写があり、自分がうまくいっておらず、2人が遠くにいってしまっているような気がすると甜花に伝える。
甜花はファンや甘奈が嫌な気持ちになるのであればツイスタをやめる、
流されるままの状態をやめると言う。
2人は自分自身の課題と向き合い、そして相手のことを認め合い、尊重する。そしてファンのみんなが第3話でまとめていたスライドをみて「ファンからみても、自分たちからしても3人でいることは大事」だと再認識する。

■千雪P軸
千雪はソロでの立ち振る舞いに悩んでいた。
ソロの活動が認められるのはユニットで信頼や認知度を築き上げてきたからであるが、新しいことに挑戦している今が昔からのファンにとっては寂しいのではないかと、甜花と甘奈に伝えられなかったことをPに伝える。
Pもその考え方には賛成で、ファンが新しい関係性に混乱しているため、気持ちが離れないようにするための施策(デパートでのミニライブ)を提案する。
イベントコミュは基本的にユニットでの話だが、サプライズで千雪と甜花が揃う時間を用意したり、甘奈が失敗してもリカバリーをする策を考えたりとシャニPが本当にイケメンすぎて惚れてしまうという余談。
ファンの「みんな」が感じていることは、アルストロメリアとPも感じていることであり、みんなの方向性は同じなのである。


■第6話「のびる、びる」

デパート新装開店のためのライブ練習を行うアルストロメリア。
これまでに歌ストロメリアは何回も披露してきたこともあり、一回通しただけでリハを解散する。
それぞれが別の仕事をしていたとしても、ライブや歌は3人をしっかりと繋ぎ止めて、昔と変わらずに同じことが出来る。
3人とファンを変わらず繋いでいたものは歌とダンスだったわけです。
イベントタイトルの回収がここで行われます。「アンカーボルトソングとは、ファンや3人の絆を崩さずに繋ぎ止めておくものが歌だった」と自分は解釈しました。
リハ解散後、プロデューサーは3人に「今しかできないことをやってほしい」と3時間のフリータイムを与えます。
3人はカラオケで久しぶりに集まって遊び倒します。
カラオケ後に3人は「変わらないもの」と「変わっていくもの」について話し合います。
ネットで話題になったアルストロメリアの思い出をまとめたスライドは「3人が今よりも意思疎通が取れていた時の写真」です。
年齢を重ねること、仕事が増えること、様々な要因があって3人は永遠にアルストロメリアでいることは難しいでしょう。
そんな中で、千雪は「写真は永遠だから思い出に勝てない」と言います。
ファンのみんなは「変わらないこと=アルストロメリアが3人でまとまって活動すること」を望んでいます。
ですが、実際に3人で活動したからこそ貰えた個々の掘り下げ、個人の仕事です。ネットので評価でもありましたが、個々の活躍を嬉しいと感じるファンもいれば、遠くにいってしまったと感じるファンもいます。
個々の仕事で知ってくれた「新しいファン」、
これまで通りの活躍を願う「古参ファン」。
今寂しいと思っているファンがいるから、甜花自身がそう思うからこそ「何かしたい」と考えるアルストロメリアが出した回答は

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匂わせることでした。
今回のことの発端であった「匂わせ投稿」で、逆に3人の仲の良さや
気持ちが一緒であることを伝えるという作戦です。
余談ですが、「匂わせる」という言葉は実際に嗅覚を使うわけではありませんが、それとなく感じさせる手法のことです。
冒頭にも少し触れましたが、今回のテーマは匂いと思い出。
3人の楽しかった記憶や思い出を「匂い(匂わせ)」でフラッシュバックさせるというのは甘奈の開発した「ever-cherry!」そのものです。
このあたりはサポコミュ解説で後ほどご説明いたします。

3人がずっと仲良しであること、ファンへの匂わせとして同じ景色を投稿しました。その内容はいいねが止まらずまるでファンへの「ただいまの挨拶」のようでした。

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こうして3人でいることの大切さを再認識したアルストロメリアは、お互いのことをいつも以上に意識しながら、仕事に向かいます。
サブタイトルにあった「のびる、びる」ですが、ビルは取り壊しや改築を重ねることで大きくなっていきます。
複数のビルを結合させるためには、まずは取り壊す必要があり、基盤を組み直すためにしっかりとアンカーボルトを打ち込む必要があります。
アルストロメリアが個人の仕事で一度ユニットの仕事を離れる(ビルの取り壊し)、そこで大切なものを再認識(アンカーボルトを打つ)し、3人での活動として大きな一歩を踏み出す。(ビルの増築)
ビルが伸びることと、アルストロメリアの3人が改めて結束したことを比喩して「のびる、びる」というタイトルになったのではないかと自分は解釈します。


■エンディング「槌をうつ音がきこえる」

時間軸がオープニングの頃に追いつきます。
新装開店するデパートに移動中のアルストロメリア。
3人一緒で変わらず、ずっと活動できるように、
歌を届けようと決意します。
ファンの人々は出待ちをするぐらい待ち望んでいた3人のライブ。
ファンのみんなとアルストロメリアを繋ぎ止めたものはやはりライブ、歌だったのでしょう。まさにアンカーボルトソング。
現場で取られた写真(スライド)はすぐに「きれいな追い越せない永遠の思い出」としてネットに出回ります。
スライドは「最高潮を切り取っている」ため更新するのは難しいのですが、
悪い時の思い出もなかったのではなく、ちゃんと成長するために受け入れることを理解できました。

そして、甜花は工事中のビルを見て思い出(過去)にならない方法を思いつきます。それは「成長し続けること」。
成長や変化が止まってしまえばそれは「過去の思い出」で終わってしまいますが、ビルやアルストロメリアが成長し続けることで「未来」を生み出すことができます。これからもアルストメリアが3人で活動できるためにも、ファンと離れ離れにならないようにするためにも「槌を打ち続けて、未来を創造する」必要があるのでしょう。

アンカーボルトソングとはファンやアルストロメリアの3人の考え方や大切にしていること、方向性を間違えず、誤解を産まないようにするためにファンと3人の共通言語となる「繋ぎ止めるための歌」でした。
アルストロメリアの3人が個々でどんな活動をしていたとしても、
ライブにくれば、歌をきけば3人の仲の良さや多幸感を摂取できる。
ライブや歌がアルストロメリアの根本を思い出させてくれる、そんなテーマでした。


【ever-】大崎甘奈(サポートSSR)

イベントコミュと同時実装されたサポートSSRについても考察します。
シャニマスのイベサポカードのコミュは、本筋と大きく関わってくることが多い傾向にありますが今回も解釈が最初から変わるほど大きな内容を含んでいます。

■2回目

アンカーボルトソングの後日談になります。
一度は却下された甘奈のリッププロデュース案ですが、プロデューサーや千雪の意見を参考にして2回目のプレゼンに挑みます。
1回目のプレゼンで出したリップと2回目に出した改善案を
下記に箇条書きでまとめます。

★初期案(A案)★
商品名:ハッピー・チェリー
香り:チェリー(さくらんぼ)
コンセプト:いつでも付けたくなるリップ
懸念点:インパクトがない(他商品との差別化がしづらい)、製造しづらい

★2回目(A案の改善案)★
商品名:ever-cherry!
香り:チェリー+ミント
コンセプト:付けた人が嬉しいことを思い出し、ハッピーになるリップ
改善点:①差別化ポイントとしてフルーティーノート+ミントを調合
    ②製造ラインに則った成分と香り配合

ここからは推測になります。ハッピー・チェリーは甘奈が成分や香りにこだわってプレゼンした内容だと思われます。しかし、マーケティング担当からすると売り出し方が弱すぎるように感じます。
コスメ関係はコンセプトやペルソナ設定、広告の打ち方次第で商品の売上が大きく変わる業界だと自分は思います。
その中で「大崎甘奈がプロデュースしたチェリーのリップ」だけでは正直弱すぎます。大崎甘奈が研究者で、美容や香りにおける業界の先駆者であれば話は変わってきますが、「オシャレが好きなアイドル」が成分にこだわったところで、それはヒット商品にならないと感じたのでしょう。
では、「大崎甘奈がプロデュースするリップを購入したい人」はどんな人でしょうか。それは「10代のティーン女子学生」だと思われます。
10代の女子学生は成分にこだわるでしょうか。
成分にこだわりだすのは30代や40代のお金があって、コスメにコストをかけられる層だと思われます。
おそらくですが、甘奈が提案した初期案は商品単価と製造コストが見合わず、ティーンが手を出しづらい商品になっていたのではないでしょうか。
僕がマーケ担当なら「商品単価の関係上、その案は難しいですね」と伝えるでしょう。
アルストのコミュにおいて千雪さんはいつも的確なアドバイスをくれます。

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リップを購入する層は「甘奈が何故このリップをつけるか」を求めている、商品に関するバックボーンや実際に使う場面のことを想定すべきという指摘です。そして甘奈が出した回答がこれです。

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この「ever cherry!」は切り替えのスイッチ。
さくらんぼの甘い香りと、付けた時のミントの爽快感。
つけた瞬間に楽しい記憶がフラッシュバックし、何かを始める時のきっかけになる。
例えば、「仕事で失敗した時」、「新しいことに挑戦する時」にこのリップをつけることで、気持ちを切り替える。具体的な使用シーンも想定できた素晴らしい内容になりました。
アンカーボルトソングで「過去の思い出」と「未来への期待」に向き合ったことで得られた考え方でしょう。
それにしても千雪さん本当に有能ですね。コンサル職向いてます。
いつまでも思い出を覚えていられるようにと甘奈の思い出が詰まった素敵な2回目の案は無事通り、商品化されるのでした。
リップを購入する女の子たちは「告白の前」だったり、「テストの前」だったり、何かに挑戦する時にこのリップをつけて、甘奈に勇気をもらうのでしょう。 ~TRUE END~ 

■アマイ永遠

ever-cherry!のコンセプトムービーのお話です。
このリップをプロモーションするために3つのシーンを用意しています。
甘奈がコンセプトとして掲げた「さくらんぼ」と「ミント」と「切り替えのスイッチの参照先である思い出」の3つにフォーカスしたお話です。

「#DAY1 CHERRY」
学校で女子生徒が気づく話。
先輩に恋をしているかもしれないと自覚した女の子の唇は
さくらんぼをしていた。
アマイ永遠「恋の甘さ」

「#DAY2 MINT」
天使がミントを愛した話。
そのミントは「音」や「色」で誰かの「記憶」を作り出した。
ハジマル永遠「スタートのきっかけをくれる」

「#DAY3 MEMORY」
思い出を振り返る話。
酸いも甘いも経験した老後の甘奈と若い甘奈が出会う。
記憶が薄れても匂いは当時のことを思い出させてくれる。
一緒二永遠「匂いが記憶を呼び覚ます」

そして、最後にspecial thanksとして出演者に甜花、脚本に千雪、そして貴方が記載されます。

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アンカーボルトソングで学んだことは、「一人の仕事をしながらでも、アルストロメリアの3人が楽しくファンに活動を届けること」が重要ということでした。これは甘奈の仕事ではありましたが、結果的に甜花と千雪とそしてファンの「YOU」と一緒に作っていると言っています。
めんどくさいオタクですら幸せにする、これがアルストロメリアの力です。

■ポーチできたの

甘奈がプロデュースするもう一つのアイテム、コスメポーチの後日談。
千雪は現場の機材トラブルで待機時間ができたが、PCの電池が切れてやることがなくなってしまう。
甜花はバラエティ中に話題をふられても返せなくてディレクターさんにダメ出しされてしまう。
再開を言い渡された千雪は、気持ちを切り替えてリスタートするために、
番組後半で挽回するために甜花は気持ちを切り替えてコスメポーチを開きます。そのコスメポーチの底には魔法の言葉が書いてあります。

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リップはもちろんですが、コスメポーチでも誰かに笑顔や元気のスイッチを与えたい、誰かのよかった記憶を思い出させたいという甘奈の気持ちが伺えます。甘奈がプロデュースしたのはカテゴリで言えば「コスメ」でしたが、「誰かと誰かを繋ぎ、分離しないように繋ぎ止める大切なアンカーボルト」だったのかもしれません。

余談ですが、甘奈役の黒木ほの香さんがこのタグを使って深夜にTwitterで投稿してくれていました。演技、シナリオ面どちらも素敵なシナリオでした。


■イベントシナリオを全て読んだ感想

シャニマス君は本当にすごい・・・です。
イベントシナリオをエンディングまでみた時の感覚と、
サポコミュをみた後の感覚がまるで違う。
ever-cherry!におけるキーワードは「匂い」「記憶」「スイッチ」でしたが、この3点とアンカーボルト(分離しないように固定する)を念頭に置きながらコミュを見ると視点がだいぶ変わってきます。

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↑イベント説明文でも「音」や「匂い」、「過去」と「未来」について触れていました。

アルストロメリアのコミュは「お互いのことを思いやりすぎる」というテーマがいつもありますが、今回もまさにそういった話でした。
本当は一緒にいたいけど、大事なソロ活動も邪魔したくないという内容から少しづつファンとアルストロメリアの間に亀裂ができ始めたそんなお話でした。あとはタイトルがすごいっすわ(3ターンの間、語彙力50%DOWN)
普通に生きてたら、アルストロメリアにアンカーボルトなんてゴツい言葉をつけようと思わないので流石ですね。
また、シャニマスユーザーがTwitter等のSNSをやっているからこそ理解できる「SNSでの悩み」という問題も面白いテーマでした。
義務教育では教えてもらえない内容なのですが、シャニマスのイベントコミュと楽曲の歌詞は深く紐付いています。
おそらくですが、次回のアルストロメリアの楽曲である「パステルカラー パスカラカラ」と「ラブ・ボナペティート」もこの「アンカーボルトソング」と結びついているのでしょう。発売が楽しみです。

今回も長文にお付き合いいただき誠にありがとうございました。
アンカーボルトソングの解釈を探して止まない熱心なシャニマスユーザーの貴方がこの記事で少しでも得るものがあれば幸いです。

感想などがあればTwitterやnoteコメント、マシュマロにぜひお願いします。

アイドルマスター シャイニーカラーズ公式サイト
https://shinycolors.enza.fun/

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