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虐待サバイバー体験記

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父親は統合失調症でした。母親は軽度知的障害であったようです。道理の通じない行動の連続に、混乱していた幼少期の心情を綴っています。愛情を知らない親だったのです。
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記事一覧

優しくすることと傷つけること

「自分にまず優しくしたい」と言ったら「でもまずは人に優しくすることからだよね」っていわれ…

アス
2か月前
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自分の望んでいることと違う方向に進んでしまっている時

ポリヴェーガル理論、と言う言葉を耳にされたことはありますか?私自身、3年前にカウンセラー…

アス
2か月前
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「ノンちゃん雲に乗る」を読んで惨めでいいやと思う

子供の頃、本を読むのがすきでした。 特に、理不尽な境遇から幸せをつかもうとする冒険物語が…

アス
3か月前
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仙台⇔いわき・青春18きっぷひとり旅「ここにいていい」

青春18きっぷ 自動車免許を取得した19歳の時からずっと、無計画な長距離ドライブひとり旅が…

アス
3か月前
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嘘か本当のはなし

過去がねつ造されているのか、周りが疑い深いのかわからない。考えるときりがない。だから覚え…

アス
5年前
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みんな知っている

千葉県野田市の児童虐待死について。 ニュースを見た人の感想を追っていたら、何人犠牲になれ…

アス
5年前
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母と娘と母

 母と娘と母  こたつの上には数匹のハエがたかっている。食べ残しの乗ったままの食器と、いつ開けたかわからない食パンの袋、コカコーラの空き缶、煙草の吸い殻が山になった灰皿、そのほか訳のわからないごみのようなものが散乱している。カーテンは閉め切ったままだが、所々フックが外れているので外の陽が差し込んではいる。しかしカーテンが分厚く、濃い緑色の木々をモチーフにしたものだから、部屋はうっすら緑色になってどんよりとした空気に感じられる。感じられるというより事実、こたつの上がそんなだか

母親になった日のこと

少女は自転車の後ろに乗り、 母親の背中に捕まっていた 母親は泣き続けていた さっき、母親…

アス
5年前
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満員電車

松島の花火大会といえば、当時の宮城県でも仙台七夕祭り、石巻港祭りに並ぶ大きな花火大会だっ…

アス
5年前
8

住職は言った「もう御墓参りには来ない方がいいかもしれない」と。

父に会ってみたかった。そして聞いてみたかった。「私のことをどう思っていたの?」「どんな人…

アス
5年前
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こどもの死闘

幼少の頃から虐待されていた。 それを、叔母に打ち明けることができたのは30歳を過ぎてからだ…

アス
5年前
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リジンさん

あ、またやってきた、と思う またこの忙しい時間にやってきたな ふふふ、でもいいんだ、 わか…

アス
5年前
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見ることが怖いもの

本当を知ることが怖いから 障子の隙間から覗いているような見方をして過ごす もしかしたら障子…

アス
4年前
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恐怖の手紙

恐怖の手紙が届いた 私を一撃で殺す言葉が書いてあるに違いない(タダノテガミダヨ) 怖くて開けることができない 私はそれを下駄箱の一番下の隅に隠す そしてソファに座ってテレビを見ても、下駄箱のその場所が気になって浮ついている(タダノテガミナノニ) 大人になった私に これだけの恐怖を与えるだけの 暴言と虐待があったのだ(アンタナンカウマナキャヨカッタ) 私は子供に戻ってそれに怯える(モウキズツケナイデオカアサン) 誰かそばにいて 私と一緒にこの手紙を開けてほしい こんなに怯える