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デザイナー・インタビュー「思わず手を差し伸べたくなる手指消毒器」

COLOR. シラスノリユキ / シラスアキコ / 日向俊晴
「tette」デザイナー・インタビュー

手をかざせば自動でシュッと消毒。家庭でも職場でも安全・安心に使える、やさしいかたちのアルコール消毒ディスペンサー「tette」。

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大人も子どもも、思わず手をかざしたくなるような、柔らかでやさしいフォルム。これまでの堅苦しく、人を寄せ付けないような消毒器とは違い、オフィスやお店、ヒトが集まる場所になじむ心地よいデザインが「tette」の大きな特徴です。

この「tette」をデザインされたCOLOR.のシラスノリユキさん、シラスアキコさん、日向俊晴さんにお話をうかがいました。


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COLOR.
プロダクト、グラフィック、インテリアデザイナー、コピーライターによるクリエイティブチーム。楽しい、やさしい、うれしい、気持ちいい、というようなカタチにならない様々な “ 気持ち ” をデザインでカタチにしています。

人、社会を幸せにできているか、を考えながら、デザイン(プロダクト、グラフィック、インテリア)やコトバで、「モノが生まれ、暮らしに届き、溶け込むまで」をひとつのストーリーとしてディレクションします。


この製品をつくる、きっかけとなった出来事を教えてください

シラスノリユキ:この「tette」の開発を開始したのは新型コロナ問題のずっと前のこと。メーカーの商品開発担当の赤川さん、木次谷さんから「新たな手指消毒器のデザインをお願いしたい」と、ご連絡いただきました。

当時、このような製品は他社を含むさまざまなメーカーからも出ていたのですが、どれも「堅く近寄りがたい」イメージのものが多く、もっと身近で優しいイメージのデザインにしたいというご依頼でした。

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最終的な製品の形状やデザインが出来上がるまでに気をつけたことを教えてください

シラスノリユキ:「ちゃんと手指を消毒してくれる状況を作ること」が、目的だったので、まずは「思わず手を差し伸べたくなるカタチ」とはどんなものか、の検証を色々重ねました。全体のフォルムをなめらかな曲面で構成することで、優しく身近な存在になるようなデザインにしました。また、「その状況を作る」ために、消毒器本体だけではなく「清潔に設置でき、清潔を保つためのトレー」と「消毒器の使用を促すメッセージプレート」も同時に開発しました。

さらにパッケージにも、箱それぞれの面にイラストで「オフィス&男性」「病院&おばあさん」「幼稚園&女の子」で「tette」が使われているシーンを表現。「tette」がユーザーに届いた時、使用状況をすぐに想起できるようにしました。

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日向俊晴:どうしたら「tette」に愛着を持ってもらえるか、ちゃんと使ってもらえるかを考え、取扱い説明書にもこだわりました。説明書ってなかなか読んでもらえないので、絵本のような楽しいストーリー仕立てにしました。子どもからお年寄りまで、誰もが理解できるように工夫しました。些細なことかもしれませんが、より「tette」の魅力が伝わればと思います。


シラスアキコ:本来、手指消毒器ってシビアな役割ですよね。手をかざす時、思わず表情がキュッと厳しくなるような。だからこそ愛嬌のある“人懐っこさ”のある愛称(ネーミング)にしたかった。

「tette/テッテ」は「手手」がベースになっていますが、同時に「消毒しテッテ〜」っていう気持ちも含まれています。名前そのものが“呼びかけ”みたいになればいいなと思いました。

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この製品で使われている素材について、エピソードはありますか?

シラスノリユキ:「tette」はすべて樹脂でできているのですが、ボトルの下部は「すりガラス」を思わせる、やわらかで美しい半透明感を出すことを狙いました。また上部と下部が分断せずに、シームレスで一体感のあるやわらかなフォルムを出すことにもこだわりましたね。

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AssistOnのお客様にメッセージをお願いします

シラスノリユキ:結果的に「なんだか鳥みたい!」とか「小動物みたい!」とのコメントを多くいただいています。さらに最近は「tette」に「目」をつけてくれる人もいるみたいですが(笑)。デザインしているときは全く意識していなかったのですが、結果的に手指消毒器をより身近な存在にできたようで嬉しいです。どうぞよろしくお願いいたします。


シラスアキコ:ウイルスから自分を守ることが義務という時代になってしまいました。
でも消毒する「シュッ」という1秒が、生活の中のちょっとだけ軽やかなリズムになれたらいいなぁと思っています。あなたもテッテで消毒しテッテ〜!


日向俊晴:「tette」はユーザーとの距離が近いプロダクトになれば良いなと思い、デザインしました。日々の暮らしで利用する製品だからこそ、そういったことが必要になってくるのではと思います。ぜひ「tette」に愛着を持って利用してもらえると嬉しいです。

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