見出し画像

「楽しみながら宿題ができるものが作りたかった」

画像4

山田佳一郎「emoge」デザイナー・インタビュー

カラフルなピースを自由にならべて絵や文字をつくることができ、こどもも大人も、一緒にどこでも楽しめる学なそび道具「emoge (エモージ)」

画像2

子どもたちの自由な発想で並べて描く紙のかけら「emoge」を考えた
デザイナーの山田佳一郎さんに、お話をうかがいました。


デザイナー 山田佳一郎

1997年武蔵野美術大学 工芸工業デザイン学科 インテリアデザイン専攻 卒業。同大学研究室助手を経て2004年KAICHIDESIGNを設立。“違和感”を“共感”に変えるインテリアプロダクトをデザインしている。

ミラノサローネサテリテ(2004~2006)、デザイナーズカタログ10(2004)、A Dream Come True(ミラノ、2007)等出展多数。


この製品をつくる、きっかけとなった出来事を教えてください

息子が小学生になって算数や国語の「宿題」が始まったのですが、宿題をやりたがらず、母親が「宿題やったの?」と言う風景が日常でした。それを見て、子どもも大人も一緒に楽しみながら宿題ができるものがあったら、と思ったのがきっかけです。

紙に問題があり、答えを書くと「勉強」になります。勉強から離れたくて紙に「書く」のをやめ、紙を「並べて」算数や国語ができないかと考え、文字や数字の元となるパーツを作り、並べてみました。

すると、それらのパーツで絵も描けることもわかり、「emoge」のデザインが始まりました。


最終的な製品の形状やデザインが出来上がるまでに気をつけたことを教えてください

多くの形や色、サイズのパーツがあれば様々な文字や絵が描けるのですが、欲しいパーツを探すのが大変です。そのため、出来るだけ少ない形や色、サイズで様々な文字や絵が描けるようなパーツを考え、検証を重ねました。

ひらがなやカタカナ、漢字に多く登場する「ハネ」を一度で表現する「V」形や、足し算や掛け算が容易にできる「+」形など、自然と国語や算数ができるように工夫をしています。
また、サイズの異なるパーツを並べた時に美しく見えるよう、長さや曲線が合うように設計しています。

少ないパーツでより多くの色が使えるよう、表と裏で異なる色にしました。


この製品で使われている素材について、エピソードはありますか?

初めは一枚の厚紙の表裏に異なる色を印刷していました。しかし、側面に色がつかず、白いのが気になりました。また、使っていると印刷面が剥がれ、内側の白が見えてきます。

そこで、元々色がついている厚い色紙を用いました。美濃和紙の産地メーカー「紙ing」さんが出来るだけ厚く、発色の良い紙を探し、2つの色を重ね貼りしてくれ、断面まで美しく、高い耐久性の紙のかけらができました。しっとりとした質感は手に馴染み、毎日使っても違和感がありません。


AssistOnのお客様にメッセージをお願いします

私は日常感じる「違和感」をデザインで「共感」に変えたいと思い、活動しています。我が家で感じた違和感は、他のご家庭でも共通の感覚としてあるのではないでしょうか?

宿題に限らず、お子さんと一緒に紙のかけらを並べて「遊び」ながら「学んで」もらえると嬉しいです。

また、子どもたちは遊びの天才です。「emoge」で最初は名前を書いたりするだけでも、そのうち線路や道路を作ったり、「○×」ゲームを始めたりと、自分たちで使い方を開発します。エモージの世界をどうぞお楽しみください。

                   ※2019年4月 アシストオンWeb掲載

画像3

画像4

「emoge」の詳しい情報と購入はこちら