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「おしゃれさ」ではなく、新しい暮らし方の提案を目指しました

TENT(治田将之・青木亮作)「DRAW A LINE」デザイナー・インタビュー

身の回りのものをさっと、コンパクトに、そして美しい外見のままに集めて、収納しておける。まるで部屋に一本の線を引くように、最低限の空間を便利に使い、モノの一時収納と置き場所を与えてくれる新しい方法「DRAW A LINE」

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あくまで仮設的なものという意識が強かった「突っ張り棒」の良い面を最大限に引き出し、家具のひとつのジャンルとなるような高い質と、コンセプトが評価され、2017年には「RedDot Design Aword」と「グッドデザイン賞」を受賞しました。

「突っ張り棒」を発案し、その技術と構造を先んじて開発してきた平安伸銅工業と一緒に作り上げた、デザインユニットTENTのお二人に、この製品についてお話をうかがいました。

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TENTは2011年に治田将之と青木亮作の2人によって結成され活動を開始したクリエイティブユニットです。 高層ビルのような固定された強さではなく、テントのように自由で風通しの良い強さを目指して、創作活動を行っています。

青木亮作:トップ写真左
オリンパスイメージング株式会社、ソニー株式会社にて録音機器やカメラ、PCおよび周辺機器のプロダクトデザインをはじめ商品戦略や企画を行う。

治田将之:トップ写真右
デザイン事務所、生活雑貨メーカー勤務を経て、フリーランスとして家電機器、インテリア用品を中心にプロダクト、パッケージ、カタログまで多岐にわたるデザインを手がける。


この製品をつくる、きっかけとなった出来事を教えてください

平安伸銅さんから「TENTと一緒に新しいブランドと商品をゼロから作りたい」とお声がけいただいたことが始まりでした。

当初は家具などを含む、幅広い提案を行いながら、双方の得手不得手を明確化していくなかで、平安伸銅さんのもともとの強みである「突っ張り棒」の再定義という方向性に徐々に定まって行きました。

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最終的な製品の形状やデザインが出来上がるまでに気をつけたことを教えてください

「突っ張り棒をつかって棚や照明などを作ることができる」とうイメージは当初からあったものの、カスタマイズできる多種多様のパーツがただ存在するだけでは、ユーザーにとって、何から手をつけて良いのかいまいち掴めないパーツの集合体になってしまうので、商品群のコアになる要素とは何かを突き詰めて考えて行きました。

単にスタイルとしての「おしゃれさ」を目指すのではなく、新しい暮らし方の提案を目指して検討を進め、その結果として導き出された「DRAW A LINE = 一本の線からはじまる あたらしい暮らし」というコンセプトに基づき、製品の形状についても仕上げについても、生活の中での脇役として、どれだけミニマルな「一本の線」にしていくかということを徹底的に突き詰めました。

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この製品で使われている素材について、エピソードはありますか?


本体のボディには「一本の線」としての存在感を徹底するため、鉄パイプにザラッとした粉体塗装を施し、樹脂パーツについても同じ質感として統一できるよう、シボを調整しています。

長さを固定するための貫通ネジ部分には、長く使うことで味わいが出る真鍮素材を採用しています。パイプを貫通させるという特殊な固定方法や、表面塗装をつよく磨耗すると擦り傷がつくという特徴がありますが、素材自体が持つ味わいとして楽しんでいただけると幸いです。

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AssistOnのお客様にメッセージをお願いします

多くの人の「暮らしの形」が、様々な機器やインフラが進化した結果、1つの場所に定住し沢山のモノを持ち続けるという暮らし方から、いつでも移動できるような軽やかで自由な暮らし方へとシフトしつつあるように思います。

DRAW A LINEは、便利な道具なだけではなく、そんな時代にあるべき「これからの家具」の一つの姿を提示することができたと考えています。

引越しをしたり断捨離をしたりして、これまでよりも少し落ち着いた部屋に。DRAW A LINEで描いた「一本の線」から、あたらしい暮らしをはじめてみませんか。ご友人への贈り物としても、ぜひどうぞ。

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「DRAW A LINE」の詳しい情報と購入はこちら


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フライパン「JIU(ジュウ)」

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「FLIPTRAY」

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「TAGKEEPER」

こちらのアイテムも、TENTがデザインしました。