フィリピンでのオミマイ話①

２０１７年１２月
フィリピンにある会社の納会へ参加し日本へ帰る時のお話

年末の空港は大混雑
その日私の前に並んでいたのが
お父さん、お母さん、そして四人の子供達という
今の少子化日本にとって有難い家族だった

話の内容から多分セブに行っていたのでしょう
沢山の荷物と手土産を持ちながら
和気あいあいと旅の思い出を語らっておりました

そんな幸せな家族に問題が起きたのは荷物検査場
お母さんが「先に行きなさい！」と小学生くらいの女の子を先へ押し出す
するとゲートの向こうでスタッフがザワついた

ザワついた原因はリュックに入ったコカコーラ
飛行機に飲み物を持ち込んではいけない事を知らなかったのだろう
でもチビッ子だから仕方ない

英語が通じないチビッ子にスタッフが
「捨てる？飲む？」とジェスチャーで質問
するとチビッ子にも「飲む？」という部分は通じたようで
プシュとコーラを開けて飲み始めた

でも所詮はチビッ子
相手は500mlもある世界のコカコーラ
飲むったって限界がある
ゴクッゴクッ！ぷはー （全然減ってない）
「捨てる？飲む？」スタッフが再度ジェスチャー
ゴクッゴクッ！ぷはー （やはり減ってない）
「捨てる？飲む？」スタッフが追い打ちでジェスチャー
ゴクッごふっ！涙目のチビッ子

私の目の前で繰り広げられる無限地獄
あれ、絶対に全部飲まなあかんと勘違いしてるよな･･･
ちょっと、父ちゃん母ちゃん助けてやれよとチビッ子の家族をみたら
みんなで各々のリュックをガサガサ
なんと一人一本500mlのコーラを持ってたの

「コーラよ！コーラがダメなのよ！」と

母ちゃんは生贄として差し出したチビッ子の犠牲を無駄にはしないと
残った三人の子供達に早くコーラを飲めと急かす

荷物検査を行う為の金属探知機周辺が地獄絵図
大人も子供も家族全員がコーラを一気飲み
父ちゃんは自分のコーラをグィグィのんで「げふぅ」
やり切ったと言いたそうな笑顔で空きペットボトルを掲げている

最初に書いた通り
これは年末の大混雑時の話

他の乗客も最初は笑っていたが長々と続くコーラとの闘いに段々と呆れ顔
一人、一人とコーラファミリーを追い抜かす
それを見た母ちゃんはコーラの息継ぎの度に
「また抜かされた！また抜かされた！」とコメント
そんな事言ってる暇があるならコーラを飲んでくれとｗ

ちなみに私もコーラファミリーを追い抜きゲートを通過
その際、涙目のチビッ子に「飲めなかったら捨てていいんだよ」と
言葉をかけてあげた
彼女は完全にテンパっていたので私の声は届かなかったかもしれないけれど
多少でも気が楽になってたらイイなと