見出し画像

「父母の一方のみを同じくする兄弟姉妹」とは?

行政書士試験の質問に回答し続けて早10年。
よくあるご質問と回答をご紹介します。

ご質問

父母の一方のみを同じくする兄弟姉妹の相続分は父母の双方を同じくする兄弟姉妹の2分の1とする」とはどういう意味なのでしょうか?
分かりやすく説明していだきたいです。よろしくお願いします。

ご回答

民法900条第4号

「子、直系尊属又は兄弟姉妹が数人あるときは、各自の相続分は、相等しいものとする。ただし、父母の一方のみを同じくする兄弟姉妹の相続分は、父母の双方を同じくする兄弟姉妹の相続分の二分の一とする。」

同順位の相続人が複数人いる場合は、その相続分は次の通りになっています。

子と配偶者:各2分の1ずつ

配偶者と直系尊属:配偶者3分の2、直系尊属3分の1

配偶者と景帝姉妹の場合:配偶者4分の3、兄弟姉妹4分の1


そして、子、直系尊属、兄弟姉妹が複数人いる場合はそれぞれ人数で按分します。


では、「父母の一方のみを同じくする兄弟姉妹の相続分は父母の双方を同じくする兄弟姉妹の2分の1とする」とはどういう意味なのでしょうか?

ご質問の内容は、いわゆる異母兄弟・異父兄弟と母も父も同じ兄弟との違いを説明したものです。

たとえば、X(父)とY(母)との間に子AとBがおり、その後、Y(母)がZ(父)と再婚してCが生まれました。

子Aからみると、Bは「父母の双方(父Xと母Y)を同じくする兄弟姉妹」で、Cは異父兄弟であり、「父母の一方(母Y)のみを同じくする兄弟姉妹」です。

その後、X・Y・Zは他界した後に、Aが3000万円を残して死亡しBとCが相続することになりました。

この場合、Cの相続分は、Bの2分の1ということになり、

Bが2000万円

Cが1000万円

を相続することになるのです。


同じ兄弟であっても、両親とも同じ兄弟と、異母兄弟・異父兄弟の間では差があるのです。

では、引き続き頑張ってくださいね。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?