５２戦目　１９９９年３月１７日

練習場所もないし、本当に危機感を通り越して
ただ自分で納得したいだけの日日でした。
ボクシングジムでの練習も非難されましたが、
何かにつけて僕を非難しました。
僕を悪者にして引退させてしまえば世代交代だかの
絵面を作ってさぞかしご満悦出来たでしょう。
分かっているからやめません。
どの道、やめるつもりはありません。

前年夏、合宿で指導した元チャンピオンのM氏が僕に
連絡をしてきました。
何故、自分なのだろうと、疑問に思いました。
とある会社の社長である彼は、全日本の社長に数千万だか
の金を貸しているとかで、部外者の彼は僕にこきつけて
この業界に踏み込もうとしていたのだと僕は考えました。
そして回収、もしくは、それなりの立場について元を
取ろうと思ったのではないでしょうか。

レフェリーをしている船橋で道場を営んでいるO氏の
道場に話をつけてその場所で練習することになりました。
自転車で通えるほどの場所にあったことなど知りません
でした。
初日、初めて訪れたその場所を見て驚きました。
ジムではありません。
道場でもありません。

民家です。
２階建ての昭和の民家の１階の６畳だか８畳だか
一室にサンドバッグが１つだけぶら下がっています。
悲しくなりました。
所属選手は何を夢見たのでしょう。
何も感じません。
民家の一室ですから。

でも、贅沢は云っていられません。
翌日、足を運ぶと、誰もいない一室に手紙が置いて
ありました。
その手紙は悔しかったから、まだ持っています。