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クラウドストライク(CRWD)によるIT障害-今夜の米国株市場への影響は?-

日本時間の7月19日にクラウドストライク(CRWD)のアップデートの不具合が原因で、世界的なIT障害が発生しました。

この障害により、フライトの停止、銀行や病院のシステムのオフライン化、メディアの放送停止など、世界中で大きな混乱が生じました。

今回のIT障害はサイバー攻撃が原因ではなく、CRWDのセキュリティーソフト「ファルコン」がWindows PCの動作に影響を与えたことが原因であるとされています。

障害の詳細と影響

  1. 空港と航空会社:米国、ヨーロッパ、アジアの空港で長い行列が発生し、航空会社のチェックインや予約システムが停止しました。

  2. 病院と医療機関:イギリスのNHSを含む複数の国の病院で予約システムに問題が発生し、一部の手術がキャンセルされました。緊急時に必要な医療サービスが提供されない状況が発生し、患者や医療従事者に大きな負担がかかりました。

  3. 銀行:南アフリカやニュージーランドの銀行では支払いシステムやウェブサイトが停止し、顧客が店舗での支払いを行えない状況が発生しました。これにより、日常生活に大きな支障が生じました。

  4. メディア:オーストラリアのニュースメディアが数時間にわたり放送を停止しました。

株価への影響

クラウドストライク(CRWD):障害が報じられた後、クラウドストライクの株価はプレマーケットで一時15%近く下落しました。

競合他社:パロアルトネットワークス(PANW)、フォーティネット(FTNT)、センティネルワン(S)などの競合他社の株価はプレマーケットで上昇しています。

マイクロソフト(MSFT):マイクロソフトの株価もプレマーケットで-1.2%の下落となっています。

今後の展望

CRWDは問題の修正を進めており、マイクロソフトもデータ通信を別のシステムに流すなどの対策を取っています。

しかし、今回の障害は、ITインフラが一部のプロバイダーに依存していることのリスクを浮き彫りにしました。

さらに、今回のシステム障害が長時間にわたって多くの企業の経済活動に影響を与えているため、CRWDがこれらの企業から損害賠償を請求される可能性も想定されます。

今夜の米国株への影響

今回のCRWDのソフトウェア障害は、特にテクノロジーセクターにおいて大きな波紋を呼ぶことが懸念されます。

またCRWDの株価下落は、市場全体にも不安をもたらすでしょう。
競合他社のセキュリティソフトウェア銘柄はプレマーケットで上昇していますが、市場が開いた後もこの流れが続くかは不明です。
セキュリティソフトウェア銘柄全体への不安感などから、下落に向かう可能性もあります。

今週は7/17,7/18と米国株市場が不安定な動きを見せており、S&P500の売り抜け日(ディストリビューションデー)が5日まで伸びてきています。
その状況下での出来事であり、今夜の米国株市場が本格的な調整入りのきっかけになる可能性についても十分に警戒しておく必要があります。

CRWDのソフトウェア不具合による世界的なIT障害の影響に十分注意して今夜の米国株市場に臨みたいですね。

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