Shyvana(シヴァーナ)のハイブリッドビルドについて

個人的にはShyvanaは耐久力、DPS、MSの3つを兼ね備えたADファイタービルドでの運用が好みなのですが、マジョリティはRE1発で敵が消し飛ぶAPビルドが好みのようです。
そして、シーズン14ではミシック廃止により、HP、AP、スキルヘイスト、Pokeによるバースト補助とShyvanaがAPビルドに求める内容すべてを備えたアイテム、ナイトハーベスターが削除されました。
その補填としてパッチ13.4でAPビルド用のBuffが入り、ピック率が上昇した結果コミュニティで新しいビルドが開発されています。

実際このビルドは現状かなり強いので、そのうちBuffのロールバックなどが入るかもしれませんが、まだまだ浸透しきっていないのでNerfされるまで時間がかかると思われます。


ビルドコンセプト

今回のビルドは基本的にはAHとダメージ増加効果によってAP ShyvanaのようにREの威力/回転率を最大化させるものですが、ファイターが必要なステータスを兼ね備えているためAD Shyvanaのような接敵しての殴り合いにもある程度対応できる万能型といったビルドです。

1stコア

ここがこのビルドの肝となりますが、1stコアでショウジンの矛を積みます。
正直に言って今のショウジンはShyvanaにとって最高のアイテムです。

ステータスはAD、HP、スキルヘイスト(Ability haste:AH)というADファイター3種の神器に加えて通常スキル限定のAHが15(合計35)も貰えます。今シーズンの調整の傾向として、アイテムから得られるAHが軒並み減少しており、ショウジン以外で得られる最大のAHはアクシオムアークとコズミックドライブの25であり、ショウジンから得られるAHは他のアイテムと比べて頭1つどころか2つ以上抜けています。
(初稿ではAH25のアイテムをアクシオムアークと間違えてブラッククリーバーと書いていました。後で記事を見直して気付きました、すみません。)
その代わりにアルティメットスキルのCDは上の2つやアルティメットヘイストが貰えるアイテムに劣りますよということなのですが、ShyvanaのRはかなり特殊な仕様でCDが設定されておらず、時間経過とAAのみによって増加するFuryゲージさえ溜まればいつでも撃つことができます。つまりShyvanaにとってはただ単に全スキルのAHが35も貰えているわけです。

また、このアイテムの大事な要素であるPassiveですが、これもShyvanaとかなり相性が良いです。ShyvanaはAD/APビルドに関わらずダメージ出力の大部分をスキルダメージから得ているのでスキルダメージの増幅の効果は大きいですし、Passiveスタックの増加には1スキル1回などの制限が付いていないので、0.5s毎に発生するWやREによるDoTだけで一瞬でMaxスタックになり全てのスキルダメージを1.12倍してくれます。ちなみにQによる強化AAは嬉しいことにダメージ増加の対象です。

既存ビルドとの比較になると、1番人気の高いナッシャートゥースと比較してASが低い分DPSが低下するのではないか?と思われますが、ショウジンの高いADとスキルヘイストによるQの回転率の差で1コア時点のDPSは実際のところほぼ同じです。AP比率の高いE単発のダメージはさすがにナッシャーに劣りますが、ショウジンのPassiveが溜まった後であればダメージに大きな差はなく、代わりにEの回転率(R中に撃てるEの回数)で差を付けられます。
当然、ナッシャーにはないHPが300も貰えることも大きな違いで、Shyvanaの弱い序盤を支えてくれます。DPSに大差がないということでHPがある分1v1で戦える相手も増えているでしょう。

今回解説するビルドでは2nd、3rdはAPアイテムになりますが、ADファイタービルドでも初手ショウジンはかなり強い選択肢だと思っています。

2ndコア

上にさらりと書きましたが、1stコアがADアイテムであるショウジンであるにも関わらず、2ndコアはAPアイテムです。ライアンドリーの仮面を積みましょう。以前の記事でも触れていますが、今シーズンのライアンドリーは本当にかなり強いアイテムです。

苦悶によるダメージはこのアイテムだけアイテムダメージの基準がおかしいのではないかと言うほど強いですし、その上で重苦で更にすべてのダメージが伸びます。バトルメイジなどのAPファイター系で積むアイテムとしては頭1つ抜けたダメージ量を誇ります。唯一の欠点はAHがまったく得られない点ですが、初手のショウジンで既にアイテム2個分のAHを稼いでいるのでこのビルドの場合では問題になりません。

RからのREによるPokeで遠距離キャスターとして戦う場面では、REの威力を2つのPassiveによって高水準に高めてくれますし、密接してのファイターとしての戦い方でも、苦悶によるDoTをWで周りの敵全てにばらまきつつ、重苦によってAAを含む全てのダメージを増加させてDPSを最大限高めてくれます。
AP Shyvanaに人気のアイテムであるナッシャーはDPSを、ストームサージはPokeによるバーストを高めてくれます。しかし、それぞれの強みはDPSとバーストと完全に分かれています。また、どちらのアイテムにもHPのような防御ステータスがないため、試合中盤以降はファイターとしての運用はできずナッシャーによるDPSはやや腐り気味になります。

3rdの選択肢

今回のビルドでは3rdの選択肢は主に2つになります。
1つ目はリフトメーカーです。

ライアンドリーの仮面と相性抜群のこのアイテムは積まない理由が殆どありません。ステータスもAP/HP/AHと欲しいものを全て兼ね備えていますし、ヴォイドの浸食は上の2コアとShyvanaのRから得られるHPを大量のAPに変換してくれ、このアイテムだけで実質100~110程度のAPが得られます。
ヴォイドの邪念はPassiveが溜まるまでが長く、継続的に戦闘することを求められますが、ライアンドリーの仮面さえあればDoTが戦闘判定を延長してくれるため、遠くからREを当てるだけで2発目のREはMaxスタックで撃つことができます。

2つ目はホライゾンフォーカスです。

最近のパッチでは増加HPの削除、Passiveの発動条件、300ゴールドの大幅値下げ、などといった変更が入っています。
HPの削除は痛いですが、Passive条件からCCを与えた場合が消えた代わりに、射程の条件がゆるくなっています。ShyvanaはR以外CCを持っていないのでCCによる発動は考慮しないので射程条件の分お得ですね。
アイテムの推奨する性質は単純に中距離以上からAPの乗るスキルを撃ちまくりましょうといったものでAP Shyvanaとかなり合致します。

リフトメーカーと比較すると、HPが貰えず、Passiveによるオムニヴァンプ(OV)もないのでファイターとしての耐久力はかなり落ちますし、最大火力も負けています。では何が強いのかと言うと、値段の安さと初撃の威力です。リフトメーカーのPassiveはどうあがいてもChampと5秒間戦闘しないとMaxにはなりません。その点、ホライゾンは射程600以上離れてさえいれば1撃目から10%増加したダメージを与えてくれます。また、値段がリフトメーカーと比べて400ゴールドも安く、劣勢の場合でも買いやすいです。
ホライゾンは味方チームが負けていてリフトメーカーを積んでも敵の火力が高すぎて接敵できない、もしくはタンクやディスエンゲージなどで他に前線を保てる味方が居るような場合に買うと良いでしょう。

コアアイテムが揃うと…

これらのアイテムには共通点があります。それは単純なステータス以外にダメージを割合で増幅する効果があるということです。
ShyvanaのREはその回転率と比較するとスケーリングも基礎ダメージも全Champの中でもトップクラスです。なので、ナッシャーやストームサージのような別途ダメージを追加する効果よりも、スキルダメージ自体を割合で増幅してくれる効果の方が相性が良いです。
また、これらの効果は加算ではなく乗算で処理されるため、例えばショウジン、仮面、リフトメーカー、ホライゾンの全てのPassiveを発動させると、12%+6%+10%+10%=38%増加(1.38倍)ではなく
1.12×1.06×1.10×1.10=1.44倍になります
合わせて持つことで効力が下がったりはしないということですね。
この倍率がREの高い基礎ダメージとAPスケールに掛かった時のダメージは、実際のゲームで試してみてください。脳が溶けます。

LoLにおけるハイブリッドビルドの弱味

ついでに、ここでLoLでは中々見ないハイブリッドビルドの弱点を説明します。その理由は主に2つです。

1.スケーリングを加速させるアイテムの効果が薄れる
スケーリングを加速させるアイテムとは何かというと、ADであればインフィニティエッジ、APであればラバドンデスキャップのようなステータスを掛け算で増幅してくれるようなアイテムのことです。これらのアイテムは既に積んでいる対象ステータスがどれだけあるかで効果量が変わってしまうので、アイテム枠のいくつかを関係ないアイテムで埋めた状態で積んでしまうと本来の効果を発揮できない弱いアイテムになります。AD/AS/Crit率の関係もこれに近く、どれか1つが低いとスケーリングが落ちてしまいます。
似たような理由としては、ハイブリッドビルドは出力ダメージが物理/魔法にバラけることが多く、AR/MR貫通アイテムを活かせないというものもあります。

2.強みがぶれる
ADとAPのどちらでも強くなれるChampでも、殆どの場合はどちらを積むかで強いスキルや役割が変わってきます。例えばABC順で目に入ったのでBriarで説明すると、普通のAD BriarはWやPassiveによるDPSの高さが強みですが、APビルドにすると普段のメインダメージであったWやPassiveはまったくダメージが出ず、Qのスタンで敵を止めてからのEによるトンデモダメージが頼りになります。(BriarのAPビルドを推奨するものではありません)
もしBriarをハイブリッドビルドで運用しようとすると、DPSが相手を上回れず、Eのバーストも敵を倒しきれないという中途半端な結果になってしまいそうです。
このBriarの例のように、DPSであれば自分が死ぬよりも先に敵を倒せるかどうか、バーストであれば1度のフルコンボで敵のHPを10割持っていけるかどうかなどの閾値があります。色んな強みを中途半端に揃えていても、その閾値を超えられない要素は途端に弱くなってしまいます。

逆に言うとこれらの弱味を感じないChamp、ビルドであればハイブリッドビルドもアリということです。ラバドンもIEも買わずとも強く、AD/APの両方を積んでもダメージ種別が物理か魔法に偏っていて、AD/APの両方で同じスキルが強くなる、つまりは今回のビルドです。

ここから先の有料部分ではルーンなどの上で触れていないビルド部分の解説や、運用上の注意点などに触れています。
上の内容で書いていることに信憑性があると思ってもらえたなら読んでみてもらえると嬉しいです。

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