ゴーストポロについて

ゴーストポロってなんですか?って思う人も居るかもしれません。
現在のルーンの中には圧倒的に使用率が低いワースト3が存在しています。
それはゴーストポロ、魔除けのオーブ、タイムワープトニックの3つです。
これらの使用率は20試合して1人でも使用する人が居れば運が良い方という絶望的な低さです。(つまりは200人に1人)

タイムワープトニックは今では存在価値がないレベルの弱いルーンになってしまいましたが、一時代を築いたルーンでもあります。
魔除けのオーブは使用率こそ他の2つと並びますが、マナフローバンドの補助が必要ないChampがメイン魔道を取る場合、対面が魔法ダメージ系であれば圧倒的な強さを発揮します。
そして今回の話のメインであるゴーストポロですが、ワースト3の中でも長期間最低使用率を維持している、もっとも使われていないルーンです。
今回はこのゴーストポロの強い使用方法はないかと模索した結果の話になります。


ゴーストポロの仕様

まずはゴーストポロとはどういうルーンなのかについてです。
ゴーストポロは覇道ルーンの2段目、ゾンビワードや目玉コレクターと競合しているルーンになります。この3つのルーンは共通の効果を持っていて、それぞれのルーン毎に決まっている条件でスタックが溜まっていき、スタック毎にアダプティブフォース(AF)が2増加し、最大の10スタックになると追加で10AFが得られるというものです。

この中で唯一高い使用率を誇っている目玉コレクターは、敵Champのキルアシストによってスタックを獲得し、敵を倒せば倒す程に強くなり、また次の敵を倒しやすくなるというスノウボール性の強い効果になっています。
得られるものとそれを得るための条件が噛み合ったルーンであると同時に、最初のキルを獲得できないと自身が弱いままで中々スタックが得られないという悪循環が発生してしまう弱点もあります。

もう1つの競合先のゾンビワードは、敵Wardの破壊(アシストでも良い)すると、その場に2分間持続して視界を得るゾンビワードを生成しスタックを1獲得します。ゾンビワードはステルスではなくHPも1しかないので見付かればすぐに壊されてしまいますが、SupやJGであれば自然と行うWard破壊が自分の強さは自チームの視界にも繋がるのはかなり便利な効果です。

それに対してゴーストポロは、自分が置いた黄TrinketかStealth Wardが時間経過によって消滅した時にその場に2分間持続して視界を得るゴーストポロを残し、ポロの生成かポロが敵Champを見付けた場合にそれぞれ1スタック獲得します。
ポロは視界の範囲も狭くステルスでもありませんが、最長で2分間もの間その場の視界を延長してくれ、敵Champを見付けた際には自動で味方チームにPingを鳴らせつつ、その敵の視界を5秒程与えてくれます。
ゾンビワードと違ってポロの生成とポロが敵Champを見つけた時の両方でスタックを獲得できるため、1回のTrinket使用毎に2スタック得られるチャンスがあります。

どうやって活かすか

ゴーストポロを選択するということは、少なくともメインかサブのルーンに覇道を選択する必要があり、加えて競合先である目玉コレクターとゾンビワードは選ぶことができません。自然なのは覇道キーストーンを選ぶChampで目玉コレクター/ゾンビワード以上の強味をゴーストポロに見出すことでしょう。サブ覇道の場合は2段目を取らないサドンインパクト/強欲な賞金首狩りなどのメジャーな組み合わせなどもあり、メインよりも多くの選択肢がある中でゴーストポロを含む組み合わせに強味を見出すのは複雑で難しいため、今回は省いて考えてみます。

目標は競合先である目玉コレクター/ゾンビワード以上の強味を見出すことですが、これらのルーンはスタック数さえ一緒ならそれぞれの増加AFに差はなく、違いは「追加効果が何か?」という点のみになります。
つまりは10K/Aを獲得するより早くゴーストポロを10スタック溜められるのであれば、追加効果のない目玉コレクターよりも全ての面で強いということになります。
ゾンビワードも追加効果がありますが、こちらのスタック獲得速度は非常に不安定です。ゾンビワードは相手がWardを置いてそれを破壊するという受動的な行動に依存しているからです。例えば序盤からオラクルトリンケットを持つことが多いSup/JGでも20分までにWardを10本も壊すのは稀です。
ゴーストポロは敵に破壊さえされなければ黃Trinketを使う度に最低でも1スタック得られますし、2分間も持続してくれるので2分間に少なくとも一度は敵が通るような場所に置いておければ2スタックもかなり安定します。スタックを素早く安定して溜めれる上に視界の延長まで行ってくれる素晴らしいルーンです。

…あまりにも机上論ですね。ですがこの夢のような話もWardを置く位置を選別すれば現実に近付けることができます。
Wardを敵Jungleの奥に置いてくるのです。
序盤は赤TrinketもCDが長く、基本的には自分や味方がGankする前に、その経路上の敵の視界を消すために使用します。目の前でWardを置かれたならまだしも、敵が来たかどうかも分からない広い自陣の森で赤Trinketを回している余裕はありません。
加えて、敵陣の森の奥というのは敵のJGが中立を狩る際やGank前にどうしても通らざるを得ない場所でもあります。ラプター横の茂みやウルフ横の隘路に置いておけば中立を狩る時には必ず通りますし、Gankする際に迂回するとなるとかなりのタイムロスが出ますのでそれはそれで悪くありません。敵が映らなくても敵のGankが遅れたりGankルートが限定されるというのは目には見えにくいですが確かなメリットとして働くでしょう。

誰で使うか

ではどのChampで使えば良いのかですが、これは結論を先に述べます。
Evelynnです。
上の話では敵陣の森の奥にWardを置くことでゴーストポロを効率良く扱えるという結論でしたが、誰ならやりやすいでしょうか。
まずはJGですね。序盤からMAP全体を移動するため相手の森の中に入れるタイミングが多く、Wardを好きな場所に置きやすいです。
次点は当然Supです。序盤はレーンに縛られる分、Wardを置く場所自体はJGよりも制限されますが、ゲーム開始から8分もすればワールドアトラスが強化されて大量のWardを手に入れられます。ただしBotレーンは視界の取り合いも序盤から激しく、レーン戦用に置いたWardでは破壊されてポロが産まれないことも多々あるでしょう。
しかしながらJGにも問題はあります。それは大多数のJGは黄Trinketで視界を取るよりも、赤Trinketで敵の視界を消して自身のGankを通す方が強い場合が多いことです。いくらゴーストポロを強く使えると言っても、元々強い選択肢を敢えて捨ててしまうというのは本末転倒です。

そこでEvelynnです。Eveは自身がほぼ常時カモフラージュになれるPassiveを持つおかげで敵のステルスWardを壊すメリットが薄く、基本的には赤Trinketを持たなくて良いです。更にカモフラージュのおかげで敵の視界に映ることなく敵陣まで移動できるため、敵陣奥深くまでWardを起きに行っても敵はどこにWardを置かれているのか察知することができません。
更にEveはアサシン系のChampであり、現状の環境であればキーストーンに殆ど電撃が選択されているため、上の「メイン覇道でゴーストポロに競合先以上の強味を見付けて使う」という流れに沿っています。

ゴーストポロは本当に使用率が低いため、この論の裏付けとしてパッチ13.21から最新の14.5までの半年間で、Eveがメイン覇道でゴーストポロと目玉コレクターを選択した時の勝率を比較したところ(LolalyticsのPlat+にて検索)、全てのパッチでゴーストポロの勝率が目玉コレクターを上回っていました
全てのパッチの統計の合算値は、ゴーストポロが使用回数14496回で勝率55.8%、目玉コレクターが使用回数2389090回で勝率52.4%となっています。普段見ているLoLの統計と比較するとゴーストポロの使用回数は本当に少ないですが、安定して目玉コレクターの勝率を大きく上回っていることも事実です。
Eveは最近Nerfされてしまいましたが、統計で既存ビルドの勝率を3%も上回ることもあり現在ゴーストポロEvelynnを試行中です。この記事を読んだ方も試してみてください。他にも「こんなChampでゴーストポロが強いよ」とか「マイナールーンの使い道がこのChampにあるよ」なんて話があればぜひ教えてください。



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