Leash or No Leash?

結論を先に言います。今の環境でLeash(リーシュ)はしなくて良いです。
「今の」ということで今後も変わってくるかもしれませんが、端的に言うとコストとリターンが釣り合っていません。

2ヶ月くらい下書きのまま放っておいたらLoL忍者に同じ内容の記事が出てました。けど内容が死ぬほど薄かったので別に良いかなって思って被せます。

軽い小話から入ると、LeashというのはLoLではモンスター(中立クリープ)をJGが狩るのを味方のプレイヤーが手伝うことを指します。(特にLv1)
単語のニュアンスとしては動物なんかを紐状のもので繋ぎ止める状態や動作を意味します。何故そう呼ぶかと言うとLoLというゲームが始まったばかりの頃の仕様にちなんでいまして、その頃の中立は1番最初に攻撃してきたプレイヤーを一定距離まで追いかけていました。近くに別のプレイヤーがいたり、新しく攻撃してきてもそれは変わりません。その仕様を利用してMidが中立に1回だけAAを入れてレーンに向かうことで中立を犬のようにLeashしていたのが由来です。その仕様は割とすぐになくなりましたが、中立狩りを手伝うこと全般をLeashと呼ぶ文化が残りました。

下に参考動画

そのLeashですが、昔からあって当然のものとして行われてきた背景があるので殆どのプレイヤーは惰性で行っています。しかし、Leashにもコストとリターンがあり、今まではコストにある程度見合ったリターンを得られていたのですが、リターンの減少により釣り合わなくなってきています。
リスク・リターンとも言い換えられますが、それぞれについて説明します。

コスト(リスク)

・Leashに参加したプレイヤーの時間を奪う
LeashはBotの2人かTopが行います。Midはレーンにミニオンが到着するまでの時間的猶予がまったくないので参加するにはコストが大きすぎます。
基本的にLeashは赤バフか青バフで行いますが、赤青からサイドレーン(ミニオンの経験値が吸える場所)まで大体移動に10秒強かかります。つまり、AA1回だけでもLeashに参加した場合、レーンに辿り着くのは1分40秒を過ぎた頃になります。味方ミニオンが自陣1stタワーに到着するのが1分31秒、レーン中央で先頭のミニオンがぶつかるのが1分38秒になります。その間に敵チームはレーンの茂みを先頭まで抑えているでしょうし、Lv1での射程やトレードに優れていれば経験値すら吸えない場所までゾーニングしてくるでしょう。ゾーニングを避けるために川側から入ってポジションを取るという戦術もありますが、相手の視界によっては先回りされたり、敵JGのLv2Gankを逃げ場のない状態で受ける可能性もあります。

・JGのスタート位置の露呈
敵のBotの2人が1分30秒にレーンにいなければ敵のJGは9割方Bot側のバフスタートでしょう。Leashを行うというリターンも取らずに上記のコストだけ支払う意味はまったくありませんからね。スタート位置がバレた上にバフスタートというのは効率的な周回ルートが限られている(ほぼまっすぐなフルクリアのみ)ので敵チームにルートを予測されてしまいます。極論、スタート位置がバレるだけで一度も敵チームの視界に入らずとも位置を補足され続けることもあります。そうなれば当然Gankは刺さりませんし、敵JGと相性が悪ければ自陣ジャングルに入って来られてFarmもままなりません。

リターン

・JG周回速度の補助
Leashのほぼ唯一のリターンがこれです。単純に味方が殴ってくれた分だけ中立を倒すのにかかる時間が減ってJGの時間とHPを節約できます。
Clearingが早くなれば敵JGと同じレーンを狙っていても先にGankできますし、スカトルの取り合いなどで先にポジションを取れます、また通常よりもHPが高く保てればJG同士の1v1やカウンターGankでの勝敗も変わってくるでしょう。

リスク・リターンの釣り合い

このリターンが上のコストと釣り合うかどうかがLeashをする/しないの基準となるわけですが、このリターンが年々減って来ています。

ここ1、2年の話だけでも多くの変更があります。
シーズン13の開始時にJG用ペットシステムが実装され、中立が堅くなり、Champ自身のダメージ出力とJGアイテムによるダメージ出力のバランスが変更されたことで、Leashが寄与するダメージの割合が減って、JG間のClearing速度が均されました。その上で序盤の周回の目標の1つであるスカトルの湧き時間が遅くなって誰でも間に合うようにもなっています。
次に13.20での変更で、ペットによるダメージが強化される代わりに中立のAR/MRが増加することで、またもやJG以外が中立に与えるダメージが大幅に減りました。
また、シーズン14開始時にもJG間のClearing速度が均される変更が入っています。

これらの変更が来る以前と比較すると、
どのChampを使っても簡単にフルクリアでき、
誰でもNo Leashでスカトルに間に合い、
クリアタイムの差が縮まり、
味方のLeashによるダメージが大幅に減りました。

巷ではよく、1つ目の誰でもフルクリアができることが大きな要因とでLeashをしない方が良いと思われていますが、1番大きな点は4つ目の味方のLeashによるダメージが減ったことです。
S13以前とで比べるとJG以外が中立に与えるダメージは2/3程になっていると考えて良いです。その変更を踏まえて、現在のJGとJG以外では中立へのダメージ出力が2倍程度違います。

そして味方がLeashにどれくらい時間をかけられるかと言うと、最低でもレーンでミニオンの経験値を落とさない程度です。
上に書いたように両バフからサイドレーンへは移動に10秒以上かかります。そして、何もせずとも1分55秒にはサイドレーンのMelee minionが3匹とも倒れて経験値とゴールドを失ってしまいますので、ミニオンを捨てるような特別な戦略がない限り、どれだけ遅くとも1分40秒には移動を開始しなければなりません。また、敵が先に陣取ってミニオンのアグロコントロールを行った場合は1分50秒には1匹倒れますので、敵が先にレーンに見えたならそのパターンを見越して更に5秒早く移動を始める必要があります。
つまりはどれだけ長くとも10秒間、敵がLeashをしていなければ5秒で切り上げる必要があります。

ADCとSupが5秒間Leashしてくれても、彼らはJGの半分のダメージしかないので合わせて5秒分しか周回タイムが早くなりません。Topであればたった2.5秒です。そして、殆どのJGは試合時間の3分5秒から3分20秒くらいにフルクリアを終えますが、これが5秒早くなっても戦術的に大きく変わりません。
JGの動きを5秒加速するよりもADCとSupが30秒早くレーンでポジションを取る方が圧倒的に大きいです。

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