004.警察に義兄を引き取りにいく
東京から夜通し運転し、
朝7時過ぎ、琵琶湖の湖畔にある警察に到着。
保健室みたいなところのベッドに寝かされているのかと思いきや、違った。
入ってすぐ、茶色のソファを2台向き合わせてベッド風にしたところで、毛布にくるまって眠っている義兄がいた。
警察の説明では、路上に倒れていたところを保護。怪我していたから応急手当てをした。持ち物にナイフとウヰスキーがあった(義兄は飲まない)とのこと。
手帖にあった数名に連絡をしたので、引き取りにきたことを連絡して欲しいと言われた。
義兄は叩き起こされていた。
かなり年を取ったように見える。
聞いていた様に、肩から手の甲の両腕に自分の名前と住所をマッキーみたいなマジックで大きく書きまくっている。
耳なし芳一やん。。
62歳。独身。無職。
大学もいくつも出たそうだけど、申し訳ないけど、お金になるのかよく分からない文学の研究をしていて、結局華が咲かず、生まれてからずっと親に養ってもらっている様な人。
警察のお世話になる兄を持つ夫を不憫に思った。
同時に、私にも何かが降り掛かりそうで、どよん、としてしまった。
つづく。
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