代代代
先日代代代のラストライブを観に大阪まで行きました。
ラストライブと銘打たれた代代代最後のライブは、最後を思わせるような演出や感傷的な場面なども一切なく、ただただグループの今持てる全力のライブをロングセットで演ったという形のライブで(もちろんほぼ全曲に近い形の曲数のセットリストだったので相当な練習量だったというのは想像がつくのですが)、「有終の美」というよりはまた同じ明日が続くんじゃないかという終わり方でした。(EW&FのSeptember流して終わるのも2022年のワンマン「MAYBE PERFECT 丙」で既にやった終わり方ではあったし)
オタクもそれぞれ思うところはあったろうけど最後だからという感じよりは、ただその感覚に当てられて全力で楽しんでたように見えたし(本当のとこはわかりません)
この代代代らしい終わり方は本当にこれ以上ない終わり方でありながらしばらく引きずりそうで個人的にはちょい辛いけど時間をかけて消化していきたい。
代代代を知ったのは2018年の2月くらいだった気がしますが「むだい」を聴いて以来からこのグループは将来とんでもないことになるという確信を強めた気がします
当時のロックサブジャンルを強く取り込んだグループの多かった所謂楽曲派アイドルって呼ばれてるシーンの中にして音を加工しまくって増幅されたノイズやガバキック、ドローン音など用いた破壊的で際どい表現を閉塞感ありながらも歌詞に反語をふんだんに用いたポップでシュールな世界の曲に織り交ぜながら全てを薙ぎ倒していくようなあきらかに”知らない”音楽でこれが次のアルバムにはどうなるんだろう、という思いでした。
メンバーの増減(その中には当時の推し含む)などありながらもラストまでの現体制(宮衣紗羽、丹南偲穂、梨央、出雲なる)から生み出された「MAYBE PERFECT」ってアルバムは「あのジャンルが云々〜」みたいなオタクのコンテクスト感を嘲笑うかのように多彩なジャンルが詰め込まれた中でただの実験に終わらずしっかり感情が乗っかったポップなアルバムでこれも本当に大傑作で和田信一郎氏著「現代メタルガイドブック」にメタルジャンルではないながらも掲載されたり海外レビューサイト大手のRYM(Rate Your Music)の2022年度の日本の音楽でスコア28位と界隈外からもかなり評価されてる感触もあって「このグループはどこまで行くんだろう」とか変な話「新しいシーンが生まれていったりするのかな」とか勝手なオタクの妄想出来る部分があったりそういう意味でもこれ以上が見られないのは惜しいなと本気で思うのと、こういう荒唐無稽なこと考えられる数少ない、というか唯一のグループでアイドルオタクになったきっかけが「なんか変な音楽がある!」という感じの入り方をしたオタクとしてはそこに夢みたいなものを感じてたりもしたので。
こういう音楽がメジャーになって武道館とか横アリとか立てたら面白いじゃないですか、実際あり得ないけどあり得ない事をあると全力で思うのはめちゃくちゃ僕は楽しいので。
音楽の話ばっかりしてますが初めて大阪に遠征しようと思ったのも六花卒業がきっかけだったわけだしそこから多くの大阪のオタクだったり県外から遠征来てるオタクだったりとも何やかんや仲良くなれたりして代代代に与えられたものは交友関係とか行動範囲の拡がりとしても結構デカかったりします。
あとメンバー全員とも面識あると考えたらシンプルにもう会えないとなると寂しい。
5年も6年もアイドルオタク(に限らずコンテンツのオタク)やってると今何が1番楽しいかとか、現場に対する物の見え方とか価値観も変わってくるのがだいたいの場合だと思うし例に漏れず僕もそういう変わり方をして来たオタクではあるし今後もアイドル通いやめるつもりは現状ないけど代代代の”解散”(メンバーの脱退などではなく)はどんなに価値観が変わっても変わらない拠り所みたいなものが無くなる感覚だったり、先を待ち遠しく読んでた漫画が急に打ち切りになる感覚だったり、なんというか一つの糸が切れた感じが無くもない。
代代代は終わったけどそれこそ綺麗な終わり方ではないと思うんですよ。
「有終の美」とか「終わりがあるから美しい」みたいな言葉って最初から明確な終わりを想定してないアイドルや音楽活動にとっては全く相応しくないと個人的には思います。
だからこそ代代代のラストライブは何よりも楽しかったというのは個人的な思いですね。
あの先の光景だってまだまだ続くって想像出来たから。
解散ではあるけど、「また会おうねきっと 必ず未来で」
僕はそう信じてます。
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