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大人のローマ速報 ミキタリアン「ローマでずっとプレーしていたい」

チームメイトからミキの愛称で呼ばれているヘンリク・ミキタリアンは、加入当初こそ、もう終わった選手のように扱われていたものの、デビュー戦でいきなりゴールを決め、故障から復帰後トップフォームに戻るや、すぐにワールドクラスであることを証明した。
26節のカリアリ戦では、ヴェルヴェットのボールタッチと価千金のゴールを決め、フォンセカ監督に、これからもローマに残って欲しいと言わしめたタレント。
いつの時代も、天才に守備など必要ない。閃きと芝の上の認知能力生むためには、笛と笛の間に90分の時間と、スペースがあればそれが全てなのである。今回の大人のローマ速報は、現在評価爆上がりのミキタリアンの言葉をご紹介したい。

父との思い出

ミキタリアンの父親ハムレットはプロサッカー選手だった。祖国アルメニアの内乱でフランスに移住した後も、ヴァランスで5年間プロ選手として活躍した。ミキは当時をこう回想する。

ミキタリアン「ぼくはまだ4歳だった。父がトレーニングに行くとき、ぼくはいつも泣いていたよ。毎朝父にせがんだんだ。「パパ、ぼくも連れて行って!一緒にいたいんだよ!」まだサッカーには興味はなかったね。ただ離れたくなかっただけなんだ。そんなある日、父は良い方法を思いついた。いつものように一緒にいたいと駄々をこねると「今日はトレーニングがない日だよ。ちょっとスーパーに行ってくるから待っていてくれ。すぐ戻るからね」そういってトレーニングに行ったのさ!数時間後に帰ってきた父を見て、ぼくは癇癪を起して泣いてしまった。「パパはうそつきだ!スーパーなんて行ってないじゃないか!サッカーをしに行ったんじゃないか!」だって買い物袋なんて持ってないんだから」

観念した父は、ミキをトレーニングに連れて行くようになった。それがヘンリク・ミキタリアンとサッカーの出会いだった。しかし、父との永遠の別れは突然やってきた。

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