大学教員公募と大学教員に思う事④

(2)採用までの経緯の続き

以上のような探りを入れつつ公募戦線にいた私ですが,最終的に決まったのは国立大学(任期無)でした.

私立大学にも出していたのですが,微妙に分野がずれるということもあってか面接には呼ばれませんでした.

現任校の公募に書類を提出したあとの経緯は以下の通りです.

①締め切り後2週間で電話連絡

②その後,2週間後に面接

③面接が終わったその日の晩に内々定の通知

1か月程度ですべてのスケジュールが終わったのと,すべての連絡が電話,しかも携帯からだったのが今でも印象に残っています(やはり公募締め切り後はどんな電話にも出るのがベターですね).

これまでの公募ですべて電話というところは稀で,しかも国立大なのにと思いました.

しかしそれはある意味で前の記事に書いた「意思決定組織の小ささ」が働いたものだと考えられます.

事務を通して正式な書類を送らなくてもよい,というのはそれだけ採用決定までの期間が短くなるということなので面接を受ける側にとってはうれしい誤算でした.

もちろん,正式な内定通知は郵送で来ましたが.

(3)採用の理由

さて,採用の決め手は何かというと,面接を担当した人の「○○の科目を○○な形で行える人がいいな」という思惑に私の教育歴や研究歴ががっちりはまったことだと思います(思ったというより,採用を決めた人から直接聞きました).

これはどこでも言われていることですが,研究だけでなく教育もしっかりやってほしいというのが今の大学の抱える一種の矛盾でもあります.

教育と研究,両立できそうでしにくいこの2つを両立しなければいけない今の大学教員は本当に面倒な立場にいるなとも感じます.

ただ,そんな中で私はそこそこの教育歴とそこそこの研究歴を持ち合わせていたのでバランスよくやるだろうと判断されたそうです.

あとは「人当たりのよさそうな雰囲気も採用の1つの理由だよ」とも言われました.

やはり,採用すればよほどのことがない限り解雇できないので,これから先数十年同じ組織で働く人を採用するとばれば,人当たりの良さは1つの基準になるそうです.

ちなみに私は人当たりが良いというよりも,単に緊張すると笑顔になってしまう癖があるので,それが面接の時にはうまくはまったようです.

このような経緯で採用された私ですが,結局のところ採用の決め手は前任校とあまり変わらなかったように感じます.

全ては採用側の思惑通りの人かどうかということになります.

「じゃあ対策の立てようがないじゃないか」と思われるかもしれませんが,やはりどこの大学でも「研究と教育のバランス」と「人柄」は重要視をされる傾向にあります.

この辺りは自身の努力次第でニーズに近づけることができるものなので,努力してみる価値はあるのではないかと思います.

分野のマッチングに関してはこれは本当に自分にマッチする分野の公募が出るかどうかの運次第なのでどうにもできません.

でも,分野がマッチした場合,対抗馬とどこで差をつけられるかというと上記の2点であることも確かです.

つらつらと書きましたが,以上が現任校に採用されるまでの話です.



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